小児歯科学雑誌
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52 巻 , 4 号
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総説
  • 小島 あゆち
    2014 年 52 巻 4 号 p. 471-479
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル フリー
    齲蝕の主要な病原性細菌であるStreptococcus mutans は,菌血症および感染性心内膜炎の起炎菌として知られている。これまでに,微小な脳出血を引き起こしたマウスに対して,菌血症患者血液から分離したS. mutans 株を頸静脈より感染させると,脳出血の増悪を引き起こすことが示された。その研究の中で,マウス腹腔内を観察すると腸炎を示す所見が認められた。そこで,本研究ではS. mutans の炎症性腸疾患に及ぼす影響を検討することにした。その結果,マウス腸炎モデルにおいて,ある種のS. mutans 株を血中に投与すると,腸炎の悪化が生じることが示された。そのメカニズムとしては,S. mutans のうち表層多糖抗原の変異を有する株では,白血球による貪食作用の低下につながり,長時間血液中で排除されにくい性状を獲得していることが重要な要因であることが示された。さらに,菌体表層に存在するコラーゲン結合タンパクにより肝臓組織に局在し,肝臓実質細胞に直接的に取り込まれることがもう1 つの重要な要因であることが示された。このことで,IFN-γ をはじめとしたサイトカインの産生が促進され,免疫機構の不均衡を惹起することで腸炎の悪化を誘発しているという可能性が考えられた。また,IFN-γ 中和抗体によりマウスの腸炎悪化が緩和されることが示された。さらに,対象をS. mutans だけでなく他の口腔レンサ球菌にまで広げて検討を加えると,Streptococcus sanguinis のような他の口腔細菌も炎症性腸疾患の増悪を惹起する可能性が示唆された。
  • 熊澤 海道
    2014 年 52 巻 4 号 p. 480-486
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル フリー
    乳幼児期に罹患した中耳炎の治療などに処方されるペニシリン系抗菌薬Amoxicillin によって,永久歯に色調異常や実質欠損を伴う形成不全が出現することが報告されている。しかし,本剤が歯の形成不全を引き起こすメカニズムについては未だ明らかでない。本研究は,ラットにAmoxicillin を投与した場合に,歯の形成に起こる変化について形態学的に検討した。その結果,Amoxicillin 投与群において,象牙質基質に拡大した球間象牙質が広範囲に連続して認められた。また,エナメル質基質には変化は認められなかった。さらに,エナメル芽細胞,象牙芽細胞にも形態学的変化は認められなかった。血液生化学的分析の結果では,実験群は対照群と比較して,血清無機リン濃度,マグネシウム濃度の値が有意に上昇していた。以上より,Amoxicillin は血清無機イオンに伴う象牙芽細胞の石灰化機能に影響を及ぼしている可能性が示唆された。
原著
  • 佐野 哲文, 立花 太陽, 小出 明子, 渡邊 淳一, 龍田 恒康, 佐野 正之, 嶋田 淳
    2014 年 52 巻 4 号 p. 487-492
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル フリー
    上顎前歯部埋伏過剰歯は比較的遭遇する機会の多い疾患で,多様な障害を引き起こすことが知られている。一方で,適切な抜歯時期などについては明確な見解が得られていない。今回著者らは,2005 年1 月から2012 年12 月までの7 年間に小児歯科専門医院である当院を受診し,抜歯が必要と診断され外科処置を施行した132 例を対象として臨床的検討を行った。その結果,当院で扱った上顎前歯部過剰歯は男女比は2 対1 で男児に多く,部位は上顎前歯部正中が10.9%,上顎前歯部右側が44.9%,上顎前歯部左側が44.2%であった。また,萌出方向は順生が23.1%,逆生が71.4%,水平が5.5%であった。埋伏過剰歯数は1 歯が82.5%,2 歯が16.7%であり,3 歯は0.8%であった。さらに,パノラマエックス線写真上の埋伏過剰歯の位置については,鼻腔底下縁から歯槽骨頂までの距離に基づいて鼻腔底からそれぞれTypeⅠ~Ⅲとして垂直的深度を評価した。過剰歯の深度分類と手術時の平均年齢を比較すると,TypeⅠは全体における19.9%で平均年齢は7 歳7 か月,TypeⅡは全体における49.4%で平均年齢は6 歳3 か月,TypeⅢは全体の30.7%で平均年齢は6 歳5 か月であり,全過剰歯数の約80%がTypeⅡとTypeⅢに位置していた。これらの結果より,低年齢ほど浅い深度にある傾向が認められることが分かった。
  • 大塚 愛美, 黒田 翠, 酒井 暢世, 菊池 元宏, 池田 孝雄, 朝田 芳信
    2014 年 52 巻 4 号 p. 493-500
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル フリー
    本学歯学部附属病院小児歯科外来では,歯科診療を円滑に行うための一助とすることを目的に,初診来院した患児の保護者を対象に4 設問4 選択肢の簡便な事前アンケート調査を実施してきた。このアンケート結果が診療中における小児行動予測の客観的情報と成り得るのかを検討するため,初診来院した3 歳児から8 歳児の保護者から得られた事前アンケート143 件を抽出し,その結果とその患児が実際の処置中に起こしたFrankl 分類のクラスを比較検討したところ,以下の結論を得た。1 .設問1~3 までは【積極的】が最も多かったが,設問4 のみ消極的が最も多かった。2 .Frankl 分類で最も出現率が高かったのはClass 3,また,Class 1 は6 歳以上で,Class 2 は8 歳で認められなかった。3 .事前アンケート設問内容の影響度について,第1主成分の寄与率は約6 割に及び,第2主成分および第3主成分の寄与率はほぼ同率の約2 割であった。4 .事前アンケートからFrankl 分類を予測できるかどうかを明らかにするために事前アンケート結果とFrankl 分類のクラス間で判別分析を行った結果,4 歳では全てのクラスで,5 歳ではClass 2 を除くクラスで,6 歳以上においてもサンプルの揃うクラスは全て予測しうる可能性がある旨が示唆された。5 .4 歳ならびに5 歳において,個々のデータを用いて実際に予測を行ったところ,4 歳児のClass 3 のみ予測ができなかったと判定された。以上を踏まえ,これまでその判断を担当医の経験に任されていた事前アンケートも,精査をする事によりエビデンスを見出せる事が示唆された事は,臨床経験の長い小児歯科医はもちろん,比較的若い小児歯科医や小児歯科医以外の歯科医の患児への対応技術の向上の一助となり,意義のあるものであると思われた。
  • 余 永, 冨山 大輔, 稲田 絵美, 齊藤 一誠, 武元 嘉彦, 村上 大輔, 森園 健, 下田平 貴子, 福重 雅美, 北上 真由美, 山 ...
    2014 年 52 巻 4 号 p. 501-508
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル フリー
    歯面の刷掃時に推奨されている歯ブラシの把持法はペングリップとパームグリップが主流である。我々はこれまでペングリップについて,歯科衛生士の刷掃時の上肢や歯ブラシの動きについて検討し,固有の運動リズムの存在や,上肢各関節の協調運動の重要性について明らかにしてきた。歯面の刷掃は動きの安定性や協調性が必要な事から,運動機能が未熟な低年齢児にはペングリップが困難である可能性が推測される。一方パームグリップは,その把持の簡便さから,加齢や疾患により手指筋力が低下している患者に対しても適用される場合もある。本研究では上記2 種類の把持法で刷掃する際の,上肢各関節と歯ブラシの動きについて比較し,以下の結論を得た。1 .ペングリップとパームグリップともに歯ブラシの往復運動に固有の安定したリズムが存在していた。2 .頬側,口蓋側とも上顎右側はペングリップが,上顎左側はパームグリップが,各関節間の協調性がより高い可能性が示唆された。3 .ペングリップでは各関節の安定した運動が関節の協調運動に反映されるのに対し,パームグリップでは関節の協調運動に各関節の運動の安定性は必ずしも求められない可能性が示された。以上より,両把持法について動作の点で検討すると,パームグリップの方が歯ブラシの往復運動を営むための難易度が低い可能性があると考えられた。
  • 村井 雄司, 青木 裕美, 田中 睦, 首藤 かい, 近藤 有紀, 倉重 圭史, 疋田 一洋, 安彦 善裕, 齊藤 正人
    2014 年 52 巻 4 号 p. 509-517
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル フリー
    生体を覆う上皮は,重層や角化および上皮間の緊密な結合により病原体が生体に侵入することを防ぐ物理的防御機構と,抗菌ペプチドを発現することにより病原体の付着を抑制する化学的防御機構を有している。活性型ビタミンD3 の生理活性は,カルシウム代謝調節による骨リモデリングのみならず,上皮細胞の分化誘導や,免疫調節に関わっていることが明らかになっている。本研究では活性型ビタミンD3 をヒト角化上皮細胞株(HaCaT 細胞)に添加することによる,抗菌ペプチドの発現変化を明らかにすることを目的とした。HaCaT 細胞は,活性型ビタミンD3 添加により抗菌ペプチドであるhBD-1, hBD-2 およびLL-37 mRNA と,それぞれのペプチドの有意な発現上昇を認めた。しかしhBD-3 は変化を認めなかった。本結果から活性型ビタミンD3 は角化上皮の化学的防御機構に寄与し,これを増強すると考えられた。また発現上昇を認めた抗菌ペプチドは,齲蝕原因菌や歯周病菌に対しても抗菌作用を有するため,良好な口腔環境維持するうえで活性型ビタミンD3 の存在が重要である可能性が示唆された。
  • 大久保 孝一郎, 中久木 康一, 東 雅啓, 渕田 慎也, 門井 謙典, 槻木 恵一, 藤田 茉衣子, 横山 三菜, 木本 茂成
    2014 年 52 巻 4 号 p. 518-530
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル フリー
    未曾有の被害をもたらした東日本大震災から3 年以上の年月が経過した。市街地の復旧・復興とともに周囲の関心は薄らぎ,記憶の風化が懸念されている。そのような中,災害時要援護者である子どもに対する歯科保健医療支援に関する研究・報告はあまり行われていないのが現状である。そこで本研究は,大規模災害時の歯科保健医療支援体制構築に向けた小児への歯科保健医療支援の指針を示すために全国29 大学歯学部及び歯科大学の小児歯科学講座に対して,東日本大震災時の歯科保健医療に関するアンケート調査を行い,回答のあった25 講座(回答率86%)についてその内容を分析・検討した。その結果,東日本大震災時の各大学小児歯科学講座が行った歯科保健医療支援活動を通じて,各々の講座が可能な限り被災地支援に携わっていたことが明らかとなった。しかしながら,講座ごとに支援の内容や方法に関する判断が委ねられているケースも多かったことから,大学小児歯科学講座がその特性を活かし,大規模災害時の子どもの歯科保健医療支援・活動の拠点として機能するために全大学小児歯科学講座が共通して運用すべき災害時歯科保健医療支援指針(災害時における口腔保健指導方法・応急処置,歯科を通じた子どもの精神的フォロー,災害時の要支援内容の発信手段など)が必要であると考えた。我々はアンケート調査の結果ならびに考察から,その指針(案)を作成した。
  • 古河 真理子, 丘 久恵, 島野 侑子, 藤岡 万里, 井上 美津子
    2014 年 52 巻 4 号 p. 531-539
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル フリー
    出産が近づく妊娠後期になると自身や生まれてくる子どもの口腔健康に対する妊婦の意識がどのように変化するか等を調査する目的で,産科併設歯科の後期マザークラス(妊娠後期を対象)を受講した妊婦147名にアンケート調査を行い,妊娠初期・中期を対象とした第2 報と比較し検討した。また前期マザークラスの受講の有無による比較,検討も行った。結果として,前回より「現在の歯磨きの状態は問題なし」が増え,「何かの時に相談できる歯科あり」も増えていた。また前期マザークラス受講者の方が「相談できる歯科あり」と答えた者が多かった。「生まれてくる子どもの口腔健康に対して心配なこと」で「歯の磨き方」が前回より増えたのは,出産が現実味を帯び育児を考える中で,子どもの歯磨きも意識するようになったことが原因であると推測された。「歯周病,喫煙,飲酒と早産,低体重児出産との関係」,「齲蝕原性菌の母子伝播」についても「知っている」が増えており,前期マザークラス受講者の方が「知っている」と答えた者が多かった。以上より,妊婦は妊娠の時期により,またマザークラス受講の有無によって,口腔健康や出産後の育児についての意識が変わりうることが認められた。そのため妊婦への口腔健康の支援指導は,妊娠の時期に応じて行うことや,また歯科からの情報を多くの場面で発信することの必要性が示唆された。
  • 大塚 愛美, 近藤 由美子, 小沢 悦子, 安達 詩季, 藤原 恵, 菊池 元宏, 朝田 芳信
    2014 年 52 巻 4 号 p. 540-550
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル フリー
    小児患者の外部行動表出による簡略的な行動評価法を確立する一環として,3 歳から9 歳の健常男児113 名および健常女児111 名,計224 名を対象とし,Frankl's Behavior Rating Scale と黒須項目による観察結果を比較検討したところ,以下の結果を得た。1 .Frankl 分類の結果について,最も出現率の高かったのはClass 3 であった。2 .黒須項目による観察結果ついて,最も出現率の高かった測定項目は【顔をしかめる】であった。【四肢】および【音声】の出現率は年齢との負の相関が認められた。出現率の高かった項目はClass 1 ならびにClass 2 では低年齢児であったことに対し,Class 3 では比較的高年齢児であった。3 .Frankl 分類と黒須項目による観察結果の関連性について,黒須項目の17 測定項目に関連性が認められた。また,【顔・目】は3 歳で3 項目の出現を認め,3 歳以外では6 歳の1 項目のみであった。【四肢】は3 歳で最も多い5 項目の出現を認めた。【音声】は5 歳で最も少ない2 項目となるものの,3 歳から6 歳までは徐々に増える傾向にあった。以上のように,Frankl 分類に対する詳細かつ客観的な具体像を年齢別に抽出することが可能であった。また,同じハイリスク児の外部行動表出も年齢によって意味が異なる事が示唆され,その点を十分に考慮して臨床を行う必要があると思われた。
臨床
  • 増田 啓次, 山座 治義, 西垣 奏一郎, 小笠原 貴子, 柳田 憲一, 廣藤 雄太, 野中 和明
    2014 年 52 巻 4 号 p. 551-558
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル フリー
    今回我々は,6 歳8 か月の男児の右鼻腔内に異所性過剰歯を認めた1 例を経験した。患児の初発症状は鼻出血と鼻汁で抗菌薬投与でも改善しなかった。かかりつけの耳鼻科にて行われた鼻腔の内視鏡検査により,異所性歯の存在が疑われ当科を紹介された。当科にて単純CT 検査を施行したところ,右鼻腔底前方に過剰歯を認めた。過剰歯の形態は犬歯様で,歯根相当部は軟組織腫瘤に包まれ鼻腔内に孤立して存在していた。上顎骨の吸収像および乳切歯・永久切歯歯胚の位置異常は認めなかった。本院耳鼻咽喉科と連携し,鼻内より内視鏡下に過剰歯を含む有茎性の腫瘤を切歯孔へと続く基部で切除し腫瘤と過剰歯を一塊として摘出した。摘出物の病理組織所見では,過剰歯はエナメル質,象牙質,セメント質が正常な歯と同様に配置された構造をしていた。しかし,歯髄は壊死し歯の周囲には炎症性肉芽組織の増生を認め,本過剰歯が難治性の鼻症状の原因と考えられた。現在のところ術後の経過は良好である。再発に注意しながら経過観察を行う方針である。
  • 山座 治義, 増田 啓次, 柳田 憲一, 西垣 奏一郎, 小笠原 貴子, 廣藤 雄太, 野中 和明
    2014 年 52 巻 4 号 p. 559-564
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル フリー
    Angelman 症候群は,第15 番染色体長腕q11.2−q13 領域に存在するUBE3A を責任遺伝子とする遺伝性疾患である。本疾患は,生後6~12 か月ごろより精神遅滞,運動失調など多様な中枢神経症状を示すようになる。我々は,多数の乳歯齲蝕を伴うAngelman 症候群の1 例を経験したので報告する。患児は,当科初診時年齢1 歳6 か月の男児で,精神遅滞,特異的顔貌として尖ったおとがい,脳波検査における高振幅の不規則徐波の出現,第15 番染色体長腕q11−q13 領域のヘテロ欠失などの所見から当院小児科にてAngelman 症候群と診断され加療を受けていた。口腔内所見として,視診・触診にて多数歯に及ぶ齲蝕が疑われた。しかし,重度の精神遅滞に加えて低年齢であったことから,覚醒下では十分な検査と治療ができないと判断し,保護者の同意を得て全身麻酔下での齲蝕治療を施行した。麻酔中の呼吸・循環動態は安定に経過し,治療後の合併症もなく処置翌日に当院小児科を退院した。Angelman 症候群の歯科口腔領域の特徴として,下顎前突や舌の肥大化,歯間分離,永久歯のエナメル質減形成が報告されている。当院小児科とも連携しながら,定期的な口腔衛生指導を行っていく方針である。
  • 翁長 美弥, 守安 克也, 朝田 芳信
    2014 年 52 巻 4 号 p. 565-571
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル フリー
    我々は上顎左側側切歯部に双生歯を認め,それに伴う上顎前歯部の萌出余地不足を生じた症例の咬合誘導を行った。患児は9 歳3 か月の男児で,双生歯の精査および治療を目的に当科に紹介された。双生歯は上顎左側側切歯部で捻転して萌出しており,対合歯と早期接触を生じていた。歯科用コーンビームCT 検査により,双生歯の歯髄腔は歯冠部では各々独立していたが,歯根部では交通しており,根尖は未完成であった。上顎左側前歯部の萌出余地不足を解消するために,双生歯の歯冠の削合や分割を行わずに,歯列に対して双生歯を90 度回転させることにした。上顎にマルチブラケット装置とリンガルアーチを用いて双生歯を回転させ,その後双生歯の歯冠をコンポジットレジンで修復した。12 歳7 か月まで経過観察を続け,その間双生歯の不快事項はみられなかった。長期的な観察により双生歯は機能的にも審美的にも良好な経過を示していると考えられた。
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