スポーツ工学や福祉工学などのヒトの運動を扱う様々な分野において, 四肢先端で発揮される力とその力の根源である筋力の関係を明確にすることは極めて重要である. これまで, 複雑で冗長であるとされてきた四肢の筋群を, 各関節に独立に作用する2対の拮抗一関節筋と, 両関節に同時に作用する1対の拮抗二関節筋の3対6筋の機能別実効筋に分類し, 機能別実効筋力と出力の関係が明確にされた. この手法の有効性を確認し, スポーツやリハビリテーションの現場へ提供することを目的に, 本手法が筋力トレーニングによる機能別実効筋力と出力分布の変化を十分に表現できることを確認した. 脚の代表的な筋力トレーニングであるレッグエクステンションエクササイズとレッグカールエクササイズを実施し, 予測どおりに出力分布と機能別実効筋力が変化することを確認し, 垂直跳びと立ち幅跳びの跳躍距離の向上によって筋力トレーニングの効果を検証した. その結果, 本手法により筋力トレーニングの評価は十分に可能であることが明らかとなった.
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