慢性期高齢者は, 在宅居住者は居宅サービス施設・事業所などを利用したり, 施設定員が約160万人の介護保険施設や老人ホームで生活している. これらのサービス利用者や施設入所者には PEMの割合が多く, 廃用や栄養低下などに伴う筋萎縮の割合は介護度が上がるにつれて増加している. 高齢者の栄養管理の最重要目標は, 骨格筋量を維持して日常生活活動度の低下を防止することであると言われている .これを達成し, 再入院などを避けるためにも腎機能低下や摂食嚥下障害など高齢者の特性を考慮した適切な栄養管理と並行して, 十分なリハビリテーションを行うことが必要であるが, 現状の調査結果ではいずれも十分とはいえない. またサルコペニアやフレイルの予防にもリハビリテーション栄養の考え方が重要であり, 高齢化が進行する日本において, さらなる研究と実践が求められる.
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