日本静脈経腸栄養学会雑誌
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特集
  • 飯島 正平, 松岡 美緒, 四宮 聡, 蛇持 聖子, 見戸 沙織
    2019 年 34 巻 3 号 p. 147-153
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/20
    ジャーナル フリー

    栄養療法実施のためには投与アクセスが必要で、静脈栄養では血管内カテーテルを介して栄養成分を投与することが可能となり、近年の医療成績の向上に果たした役割は大きい。しかし、本来は無菌で血液だけが流れている血管内へ異物でもあるカテーテルを留置し、栄養素を含む輸液製剤を人工的に投与している。その投与する成分によりpHや浸透圧が血液とは大きく異なる輸液を利用することもあり、カテーテルの留置を含め、様々な安全管理上の配慮も存在する。日常的に実施される静脈栄養下でのカテーテル管理は携わる医療者は施設全体に及ぶ。効果的な栄養療法のための安全なカテーテル管理には栄養療法を専門とする栄養サポートチーム(nutrition support team;以下、NSTと略)に加え、施設内の関連する部門がそれぞれの専門性を生かして協力し合い、施設の担うべき医療に貢献できる栄養療法の実践のために、施設全体で順守可能な手法を持つ必要がある。

  • 寺坂 勇亮
    2019 年 34 巻 3 号 p. 154-158
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/20
    ジャーナル フリー

    静脈栄養で用いる栄養剤、血管アクセスデバイスは適切な知識が無いと不要な合併症を起こす危険性がある。末梢静脈栄養用のアミノ酸加糖電解質製剤を不適切に使用することでBacillus属やCandida属によるカテーテル関連血流感染症を来すことがある。特にBacillus属は芽胞形成菌であるため、輸液ラインの接続部をアルコール消毒するだけでなく、物理的にしっかり拭くことで発症の予防に努めなければならない。末梢静脈栄養は、細く脆弱な静脈から栄養剤を投与してしまうと静脈炎や皮膚潰瘍を来すことがある。中心静脈栄養を行う場合、穿刺時の致死的合併症の回避のために末梢静脈挿入型中心静脈カテーテルの挿入が可能かを最初に検討する。Refeeding syndromeは、まず高リスク患者を認識して、最初の数日間、血清リン値を含めた電解質を測定しながら、電解質・ビタミン・微量元素の補充を行い、少量の栄養投与から始めて合併症の回避に努める。

  • 名德 倫明
    2019 年 34 巻 3 号 p. 159-165
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/20
    ジャーナル フリー

    栄養輸液である脂肪乳剤と他剤との混合による粒子径の凝集変化を評価した。各種輸液への混合では、生理食塩液や2価の陽イオンを含む輸液で脂肪粒子径の変化が観察された。一方、側管投与の想定では、短時間での接触であり、粒子径の粗大化は招きにくいことが確認できた。脂肪乳剤と抗生物質製剤との側管からの同時投与を想定した評価では、脂肪乳剤の変化に影響を来す抗生物質製剤も多数見られた。また、フルルビプロフェンアキセチル注においても、配合薬剤によって粒子径の変化が観察された。次に、末梢静脈栄養(peripheral parenteral nutrition;以下、PPNと略)輸液の種類による微生物の増殖の違いや水溶性ビタミンの影響を検討した。各種菌の増殖には、水溶性ビタミンが関与していること、また、Staphylococcus aureus NBRC 12732株ではビタミンB1及びニコチン酸、Candida albicansではビオチンが菌の増殖に特に関与していた。薬剤師は、配合変化や中心静脈栄養(total parenteral nutrition;以下、TPNと略)輸液のみならずPPN輸液においても感染管理を理解し、医療安全に積極的に関与する必要がある。

  • 小山 諭
    2019 年 34 巻 3 号 p. 166-172
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/20
    ジャーナル フリー

    医療安全は現代医療の根幹を支えるものであるが、すべての医療行為には何らかの危険が潜在しており、実際に100%安全な医療は存在しない。そのため様々なリスクが存在しうることを念頭に置いて、リスクを回避する、あるいはインシデントやアクシデントを最小限に留めるように対処することが大切である。そのためには適切な知識を身につけ、医療行為に潜んでいるリスクを常に頭の片隅におき、迅速に対応できるように心がけておくことが肝要である。経腸栄養は静脈栄養に比べ安価であり、感染性合併症が少なく、quality of life(以下、QOLと略)維持にも有用であり、腸管の使用が可能であれば経腸栄養を第一選択とすることが勧められている。しかし、経腸栄養においても当然、合併症は起こりうるものであり、場合によっては致命的となることもある。患者個々の状態・病態ごとに安全かつ適切に経腸栄養を施行することを心がける必要がある。

  • 伊東 七奈子, 内田 智久, 宇田川 実, 小池 京子, 樋口 はるみ, 高坂 陽子, 棚橋 由佳, 阿部 克幸, 小倉 美佳, 荒川 和久 ...
    2019 年 34 巻 3 号 p. 173-178
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/20
    ジャーナル フリー

    日本は世界の中で高齢化社会先進国であるが、健康寿命は平均寿命に比べ10年短い。これは高齢者のフレイル化が関係しており、食べることにも密接につながっている。高齢者は食べることを一番の楽しみとしている人も多いが、一旦病気や治療などの様々な要因が加わると、途端に全身や栄養摂取に関する機能が著しく低下する。いわゆるフレイル化の進行であり、人生の最期まで食を楽しむためには、早期の対策が必要である。経口摂取に関する医療安全対策は、急性期病院と慢性期病院における経口摂取の位置付けが異なるため、その施設や機能に合った対策を検討することが必要である。また医療者は経口摂取に関する倫理的な視点を持ち、患者や家族とともに多くの職種で最良の方法を検討していくことが求められている。

  • 清水 健太郎
    2019 年 34 巻 3 号 p. 179-180
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/20
    ジャーナル フリー
日本静脈経腸栄養学会認定地方研究会
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