体力科学
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22 巻, 4 号
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  • 緒方 維弘
    1973 年 22 巻 4 号 p. 125-131
    発行日: 1973/12/01
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
  • ― (1) 食餌組成を変えた場合の中間代謝―
    原田 邦彦, 岩垣 丞恒, 酒井 良介, 佐藤 恒久, 中野 昭一, 酒井 敏夫
    1973 年 22 巻 4 号 p. 132-140
    発行日: 1973/12/01
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    体重約2809の雄性ラットを用いて, 高脂肪高蛋白食 (dextrin: 39%, milk casein: 29%, soyabean oi1: 24.7%etc.) , 標準食 (dextrin: 65%, milkcasein: 18%, soya bean oil: 9.7%etc.) ならびに低脂肪低蛋白食 (dextrin: 81.8%, nobo albumin: 0.3%, soya bean oil: 1.7% etc.) の3群にcholine chlorideおよび各種ビタミンを添加した計6群を60~80日間飼育し, 体重および体内中間代謝産物の変動について比較検討を行なった。
    A.体重増加は, 低脂肪低蛋白食群で抑制された。高脂肪高蛋白食および標準食群の体重は, choline等添加によって抑制され, 低脂肪低蛋白食群では, さらに著明になった。
    B.血糖値は, 3群ともcholine等添加で上昇し, 肝臓のglycogenは減少した。しかし, 肝臓のglycogenは, choline等添加の有無にかかわらず, 油 (おもに植物油) の少ない高糖質食ほど高値を示したが, 腓腹筋にはみられなかった。
    C.脂質の含有量は, 一般に低脂肪低蛋白食群で低く, 肝臓を除けば, 標準食および高脂肪高蛋白食群との間に差はみられなかった。
    D.choline等添加によって, 肝臓のtriglycerideおよびcholesterolが減少し, これを反映するかのように肝臓のFFA, あるいは血清のtriglyceride, FFAおよびcholesterolの増加がみられた。また, 肩甲骨間褐色脂肪ならびに副睾丸脂肪のtriglycerideがcholine等添加によって減少し, choline添加群の脂肪代謝過程が促進され, これらが血清中に遊離されてきているものと考えられる。
  • 第1報 民踊のエネルギー代謝について
    和田 忠
    1973 年 22 巻 4 号 p. 141-147
    発行日: 1973/12/01
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    In order to study the relative metabolic rate and its relations with the heart rate in Japanese folk-dance “Min-Yo”, nine popular varieties of “Min-Yo” of Akita and Aomori, composed from the recreational point of view, were selected and examined by Douglas Bag method, and at the same time the appearance frequency of the movement of the dances was analyzed from the physiological point of view.
    Results obtained were as follows :
    1) The degrees of the relative metabolic rate of the dances were middle or heavy, and among them “Akita Ondo” showed the highest valve, 3.95±0.89, and “Hachinohe-Kouta” showed the lowest, 2.39 ± 0.24. Individual variations were noticed even with the same dance, and skillful dancers showed higher values than less skillful ones.
    2) As for the changes in heart rate, dances with higher relative metabolic rate show higher heart level in exercise, and those with lower rate showed lower changes. The coefficient of correlation of relative metabolic rate (heart rate in exercise/heart rate at rest × 100) with heart rate index showed a high value, r=0.973 (p<0.01) . The regression line of the latter (y) against the former (x) was, y=0.065x-5.75.
    3) Analysis of the movement showed that regardless of the dancing time, dances with high relative metabolic rates involved more intense bodily movement and greater motions, and that those with lower rates involved lighter movement and smaller motions even when the appearance frequency of movement was high.
  • ―中高年者の運動能力を中心として―
    名取 礼二, 倉田 博
    1973 年 22 巻 4 号 p. 148-156
    発行日: 1973/12/01
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    都市生活者とくに中高年者において腰脚力の低下が留意されるため, 腰脚力を中心にして, 簡易な筋力測定法を考案し, その検討をおこなった。
    腰の捩り力, 台上に片足をかけて昇台する際の高さの限界, 台上に片足で立ち膝を屈げ乍ら他足を後下方に降ろす場合の下降限界, 椅座位から上肢を利用することなく立上る場合の椅子の高さと上半身の前傾との関係, 体重の80%の負荷を片脚で支えたときの耐久時間, 立位あるいは椅座位で踵部を接地し, 爪先を上げる場合の最大張力等を指標にして中高年者の筋力減退の様相を検索し, またこれら指標の一部を利用し毎日の練習によって脚力等の増強が中高年者でも容易に生じることを示した。
    以上の諸検査の基礎事項の一つとして, 筋力指標の特性について1, 2の検討を試みた。握力, 腕力等について張力時間曲線を求めたところ, 最大張力をPmax, 任意の時点の張力をPとした場合に (Pmax-P) を縦軸に時間tのlogを横軸にとると張力曲線が3つの直線部分として表わしうることを見出した。したがってこの様な解析が筋力発揮の特徴を知る上で便と思われる。持久力の指標として30秒間の持久力曲線から5分間のそれを予期できるかどうかをしらべた。持続的収縮の場合には一意的な予知ができないが, 反復収縮を対象にすれば, 初期張力減衰のやや小さい中高年者では一応30秒持久力値を持久筋力の指標になしうることを認めた。
    この報告は文部省科学研究補助金による総合研究日本人の体力づくりの環境生理学的研究 (研究班長白井伊三郎教授) の分担研究である。
  • 小野 三嗣, 松枝 みどり
    1973 年 22 巻 4 号 p. 157-160
    発行日: 1973/12/01
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    女子高校1年生66名についてスポーツテストの成績と, 皮脂厚 (上腕+背部) から推算した体脂肪沈着度の相関を中心にして検討した結果次のような成績が得られた。
    (1) 特に運動部員であるからと言って体脂肪沈着度が少いとは認められなかった。
    (2) 体脂肪10%台, 20%台, 30%台の3群間で, 体力診断テストの結果には全く有意差が認められなかった。
    (3) 運動能力は体脂肪30%台群が他の2群に比較して有意に低かった。
    以上の諸結果を, 今回の調査対象のスポーツテストの成績が, 総体的に全国水準より劣っている点と考え合わせて, 女子生徒における体脂肪沈着度の持つ意味について若干の考察を加えた。
    本研究は八重洲リハビリ・医学研究基金によった。
    深甚の謝意を表します。
  • 小野 三嗣, 倉田 博
    1973 年 22 巻 4 号 p. 161-172
    発行日: 1973/12/01
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    男子被検者 (22才から58才まで) 9名のうち6名は50kmを8時間で歩き, 他の3名は40kmを7時間で歩いた.女子被検者 (21才から49才まで) 11名のうち2名は50kmを8.5時間, 4名は35kmを7時間, 残りの5名は20kmを5時間で歩いた.
    全被検者が歩行開始前, 歩行終了後5分と1時間とに採血され, 血圧と尿の検査が行なわれ, 次のような所見が得られた.
    1) 一般に収縮期・拡張期血圧ともに歩行後下降する傾向がみとめられたが, 尿には有意の変化が認められなかった.
    2) 血液濃縮度は歩行距離とは関係がないが, 女子の20km歩行群を除き白血球数が著しく増加した.中性好性白血球が増加し, 淋巴球は著明に減少した.
    3) 血中乳酸, 血糖及びFFAの増加度は必ずしも歩行量と比例しなかった.
    4) CPK及びLDHの増加率は歩行量と比例的な関係にあったが, CPKの増加度の方が大きい.
    5) 女子20km歩行群以外のLDH-5の増加度が大きいのは骨格筋のものと思われるが, 女子35km群以上, 男子50km群でLDH-1が有意に増大した点に注目したい.
    6) 男子被検者3名につき, 20km歩行, 13km走, 20km走のLDH, LDH isoenzyme, CPK, GOT, GPTを検査した結果, 20km走が強度のストレスとなっていると思われる所見を得た.
    以上の結果から一般成人に走歩の運動を処方する場合, 女子は20km歩, 男子は40km歩, 13km走程度までにするのが無難と思われた.
  • 1973 年 22 巻 4 号 p. 173-175
    発行日: 1973/12/01
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
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