体力科学
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28 巻, 2 号
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  • 永田 晟, 室 増男, 日丸 哲也
    1979 年28 巻2 号 p. 81-87
    発行日: 1979/06/01
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    柔らかい着地動作を実施し, その時の運動量を床反力の力積から評価した。その結果, 外部に各種の負荷を与え, すなわち, 台高の変化と加重錘りによってとびおり時の位置のエネルギーを増大させた。そして, その時の運動量を測定し, 着地動作時の緩衝的運動機能の調節状態を観察した。その結果, 次の要約を得た。
    1) 0.8秒間の着地動作時の運動量によって, 生体の緩衝的な運動調節状態が考察可能となった。
    2) 台高の対数的な変化とともに, 着地動作時の運動量は比例的に変化し, I-A log H+Bの回帰式で表現された。そして, 足首, 膝, 腰部の角度は, 台高の増大とともに大きく屈曲していった。
    3) 外部に錘りを付加することによって, その量の対数変化に応じて運動量が変化し, I-A log (W+w) +Bの回帰式で表現された。
    4) 着地動作時の身体各部分の角度変化は, 錘り付加とともに一定の変化を示さず, 複雑な身体フォームを発現した。そして錘り付加によって着地動作の個人差を増大させていった。
    5) 着地動作において, 外部に現われる振動は.観察されなかった。
    6) 物体と生体との落下実験比較から, 生体はとびおり時の位置エネルギーをすべて運動エネルギーに変換しなかった。
    7) 生体外部に錘りを付加し, 台高を増加させることによって, 理論値以上に大きな力積があらわれた。
  • 金子 公宥, 山崎 武, 豊岡 示朗
    1979 年28 巻2 号 p. 88-94
    発行日: 1979/06/01
    公開日: 2010/12/10
    ジャーナル フリー
    自転車作業における機械的効率を再評価するために, モナク自転車エルゴメーターを使用して成人男子4名 (20~21才) につき機械的仕事の総量 (外的仕事+内的仕事) とエネルギー消費量を測定した。作業負荷は0, 1, 2, 3, 4, 5kpの6段階, ペダル回転速度は50rpm, 作業時問は各負荷で5分間とした。脚運動自体のための内的仕事 (W-int) を, 高速度写真によるFenn (1930) の方法で測定し, 通常の方法で測定した外的仕事 (W-ext) および安静値以上のエネルギー消費 (Et-Er) と共に, 次式により効率 (‘true’efficiency) を算出し, 次の結果を得た。
    ‘True’efficieny-W-int+W-ext/Et-Er×100
    1.脚運動による運動エネルギーの時経過は, 既報の歩・走運動の場合と類似したパターンを示した。
    2.単位時間当りの内的仕事は, 0~3kpではほぼ同程度 (平均約80kgm/min) であるが, 4~5kpでは明らかに増加 (約100~110kgm/min) した。
    3.外的仕事率に対する内的仕事率の割合は, 1kpで約20~30%, 2kpで10~20%, 3~5kpで5~10%となり, 歩・走運動の割合 (200~250%) より著るしく小さかった。
    4.外部負荷をゼロ (0kp) としたときの効率は40~85%の高い値となった (脚と慣性輪間のエネルギー転移の存在を示唆) 。
    5.外部負荷1~5kpに於ける効率 (‘true’efficiency) は, 23.5~36.2%の範囲にあって, 中間負荷のとき最大値を示す傾向が認められた。
    6.‘True’effficiencyは, work efficiencyより1.5~4%, net efficiencyより2~5%, apparent effiiency (中間負荷) より3~8%それぞれ高くなるという結果が得られた。
    本研究の一部は, 第6回国際バイオメカニクス会議および第55回日本生理学会大・会において発表した。なお本研究費の一部は, 文部省科学研究費補助金 (一般研究C, 課題番号358043) によった。
  • ―発射間隔法による―
    山本 高司
    1979 年28 巻2 号 p. 95-103
    発行日: 1979/06/01
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    肘関節角度を直角に保ち, 手首に1kgの錘を負荷した時の上腕二頭筋におけるMUの発射間隔および表面筋電図振幅の変化を経時的に観察した。また, 阻血が母指内転筋におけるMUの発射間隔の推移におよぼす影響も合わせて観察し, 持続性筋収縮の調整機構を明らかにしようとした。被検者は健康な成人男子2名であった。MUの発射間隔は, エレクトロタコグラフを用いることによって縦軸に直記できるようにした。その結果, 以下のことが明らかとなった。
    1.持続性筋収縮時におけるMUの発射間隔の変動過程は, 次の3種の型に分類された。第1の型は, 比較的短時間のうちに発射間隔が延長し, 放電休止に至るものである。第2の型は, 比較的長時間安定した発射を示すが, 発射間隔は僅かずつではあるが延長し, ついには放電休止に至るものである。第3の型は, 錘を負荷してから比較的長い時間が経過しているにもかかわらず, 安定した発射を示すものである。
    2.長時間スパイクを記録していると, MUの放電休止がしばしば観察され, 弱い収縮においてはMUの交代性発射 (rotational activity) の存在することが示唆された。
    3.一定重量の錘を長時間保持した際には, 表面筋電図の振幅は漸増傾向を示した。
    4.上腕部を約200mmHgの圧で圧迫すると, 母指内転筋のMUの発射間隔はしだいに延長し, かつ, 不規則な変動が増加した。加圧を解除すると, しだいに発射間隔の斉一性が増した。
    5.一定重量の錘を持っている時の前腕屈筋における表面筋電図積分値は, 阻血によって漸増の傾向を示した。
    6.一定重量の錘を長時問保持している時にみられる表面筋電図振幅の増加は, この時発射間隔が短縮していないことから考えて, 活動に参加するMUの数の増加によるものと推定された。
    7.発射間隔の延長ないし不規則性変動の増加は, 求心性インパルスの減少による中枢神経系における筋力調節の不調によるものと考えられた。
  • 吉沢 茂弘, 本多 宏子
    1979 年28 巻2 号 p. 104-111
    発行日: 1979/06/01
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    3才男子8名, 女子6名, 4才男子18名, 女子29名, そして5才前半男子27名, 女子21名の合計109名についてグランド走によりVo2 maxを測定した。またそのうち4才男子13名, 女子24名, 5才前半男子25名, 女子21名を対象に5分走を実施したところ次のような結果が得られた。
    1) 絶対値Vo2 maxは3才では男子0.655l/min, 女子0.523l/min, 4才では男子0.789l/min, 女子0.751l/min, そして5才前半では男子0.904l/min, 女子0.808l/minとなり, 3才と5才前半で男子が女子を有意に凌駕していた。
    2) 体重当りVo2 maxにおいては3才男子42.60ml/kg/min, 女子35.91ml/kg/min, 4才男子47.36ml/kg/min, 女子44.48ml/kg/min, そして5才前半男子51.31ml/kg/min, 女子44.20ml/kg/minであり, これまた3才と5才前半で有意の性差がみられた。
    3) 年令 (x: 月令) と体重: 当りVo2 max (y: ml/kg/min) の間には
    男子y=52.723logx-44.071 (n-53, r=.487)
    女子y=44.095logx-33.980 (n-56, r=.445) という関係がみられた。
    4) 絶対値Vo2 max (y: l/min) の体重 (x: kg) に対する回帰直線は
    男子y=.056x-.127 (n=53, r=.729)
    女子y=.043x+.007 (n=56, r=.747) であった。
    5) 5分走では4才男子798.85m, 女子779.29m, 5才前半男子844.00m, 女子785.38mとなり, いずれの年令においても有意の性差がみられた。
    6) 体重当りVo2 max (x: ml/kg/min) と5分走 (y: m) との問には,
    男子y=5.034x+576.680 (n-38, r=.500) 女子y-5.009x+558.408 (n=45, r=.510) という関係がみられた。
  • ―脱力時及び拮抗筋活動をともなう抑制現象の比較―
    永見 邦篤, 中野 昭一
    1979 年28 巻2 号 p. 112-121
    発行日: 1979/06/01
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    本研究は, ヒトの動作にみられる筋弛緩現象のうち, 拮抗筋の収縮によって主働筋活動を抑制する場合 (PR) と, 収縮している筋のみを弛緩させる (AR) , いわゆる脱力時にみられるものの2つの弛緩動作について, 筋弛緩時間を指標として, その遅速を生じる要因, ならびに生理的意義を検討したものである。
    動作は, 左右の上肢とも前腕部を回内および回外位とし, 肘関節を90°に固定して, 最大屈腕力の10, 30, 50%の筋力を発揮した後, 筋弛緩を行う方法であった。また, 筋力発揮条件は, 低周波発生装置によってブラウン管面上に示された鋸歯状波および矩形波に追随させる場合と, 検者の合図に従わせるものの3つである。筋電図は, 上腕二頭筋と上腕三頭筋から表面誘導法によって記録した。筋弛緩時間は, 実験装置の一部に取りつけた高感度の歪計で張力減少時を決定し, この時点と上腕二頭筋の棘波状放電の消失時点との差から
    計測した。
    その結果
    1) 筋弛緩時間は, ARよりPRの方が速かった。いずれの動作でも負荷の増加に従って, その時間は遅延した。また, 1例を除いて, 左右, 回内回外位それぞれで有意差が認められなかった。
    筋力発揮条件による差異は, ARの場合にみられ, 矩形波に追随したときにおいて速くなる傾向を示した。
    2) 被検者間で比較すると, ARで弛緩時間の速いものは, 弛緩動作後, いずれの筋放電も完全に消失していた。遅いものでは, 微弱な放電が続く傾向にあった。PRの場合, 上腕二頭筋放電の消失から上腕二頭筋放電の開始までの時間の短いものほど, 筋弛緩時間が速い成績を示した。
    3) AR, PRともに弛緩動作時に, 張力が一過性に増加する現象が認められた。この張力増加の勾配は, 負荷の増加に従って大きくなり, また, PRにおいて大であった。被検者間でみると, 筋弛緩時間の遅いものほど, この勾配が大きくなる傾向にあった。
    以上の結果から, ARの筋弛緩時間の遅速は, PRに比べて, より上位の中枢に想定される抑制系の疎通ならびに活動の強弱を反映するものと推察された。
    そして, 拮抗筋の性質およびその活動に関連する神経系の抑制作用に強く依存するPRとは, その抑制機構を異にすることも示唆された。
  • 1979 年28 巻2 号 p. 127-233
    発行日: 1979/06/01
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
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