体力科学
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40 巻 , 5 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 中村 好男, 恩田 悦守, 村岡 功
    1991 年 40 巻 5 号 p. 437-446
    発行日: 1991/10/01
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    Gas exchange kinetics during constant-load exercise were measured to investigate the possibility that excess CO2 output during exercise might not be dependent on hyperventilation. Five healthy males performed twelve minutes of cycle exercise, including two minutes of 0 W pedaling, at 20, 40, 50, 60, 70, and 80% of their maximal work rate (WRmax) determined on the basis of preliminary ramp exercise of 30 W/min. Minute ventilation, O2 uptake, and CO2 output were measured breath-by-breath. Excess CO2 output and CO2 stores were calculated, assuming that the respiratory quotient (RQ) in tissue is constant during constant-load exercise and that the respiratory exchange ratio at the mouth level is equal to the RQ during the steady-state phase. Excess CO2 output was observed at levels of WR greater than 40% WRmax after initial CO2 storage, where VCO2/VE decreased gradually as though in parallel with the kinetics of CO2 storage. VO2/VE, however, appeared to be constant after the initial peak. These data suggest that VE is closely correlated with VO2 rather than VCO2 during constant-load exercise, indicating that excess CO2 output to compensate lactate production is independent of hyperventilation.
  • 加賀谷 淳子, 水口 由紀, 高平 稚子, 片山 幸子
    1991 年 40 巻 5 号 p. 447-454
    発行日: 1991/10/01
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    本研究は, 相対的筋収縮強度の等しい (1/3MVC) 動的運動を前腕と下腿に同時に行わせて, 筋群の増加に伴う呼吸循環系応答の抑制的加算がこの運動条件で生ずるかどうかということと, 2部位の活動筋への血流量が互いに制限しあうかどうかを明らかにすることを目的にしている.被検者は活動的な女子大学生9名であり, 対象とした運動はテンポ60回/分の掌握運動〔H〕と足底屈運動〔P〕および前腕・下腿同時運動〔H+P〕であった.いずれも運動時間は60秒である.得られた結果を要約すると以下の通りである.
    1) 掌握力と足底屈力を同時に発揮させると, どちらもそれぞれを単独で発揮したときより小さくなり, 特に足底屈筋力の低下は有意 (p<0.01) であった.
    2) 1/3MVC負荷での動的掌握運動〔H〕あるいは足底屈運動〔P〕を, それぞれ単独に60秒間行った時の活動肢の血流量 (FBF, CBF) は9.64±1.00ml・100ml-1・min-1と12.72±0.72ml・100ml-1・min-1に増加した.
    3) 単独運動〔H〕時の非活動肢のCBFは有意の変化を示さなかった.単独運動〔P〕時の非活動肢の血流量FBFも運動直後は安静時より高い平均値を示したものの, 有意差はなかった.
    4) 両体肢を同時に運動〔H+P〕させた直後の血流量は, FBF, CBFともに, 単独運動直後の平均値と有意差はなかった.
    5) 運動終了時の血圧は, 収縮期, 拡張期ともに〔H〕運動がもっとも高く, 〔H+P〕運動に比べて有意であった.しかし, 平均血圧は, 3運動間に有意差はなかった.
    6) 同時運動〔H+P〕のHR, Vo2はそれぞれ100.2±4.6拍/分, 7.84±0.77ml・kg-1・Min-1であり, 〔H〕より有意 (P<0.01) に高かったが, 〔P〕と比べると, どちらの平均値も有意差はなかった.安静時からの増加分を比較しても, 〔H+P〕運動時のHR, Vo2は単独運動〔H〕と〔P〕のHR, Vo2を加算したものより小さかった.
    7) 本研究の結果から, 1/3MVCに相当する張力を発揮して行う前腕と下腿の60秒間同時運動では, 両体肢への血液供給は互いに制限し合うことなく, 単独運動時と同レベルの血流量が確保さ れることが示された.それにも拘らずHR, Vo2は単純加算より小さくなっており, 全身的な呼吸循環応答に見られる抑制的加算は活動筋への血流減少がなくても起こりうることが示唆された.
  • 木村 みさか, 森本 好子, 寺田 光世
    1991 年 40 巻 5 号 p. 455-464
    発行日: 1991/10/01
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    一般の高齢者の運動習慣の実態を明らかにし, 運動習慣と体力との関連について検討することを目的に, 都市在住の60~89歳の高齢者179名 (男子82名, 女子97名) を対象に1体力診断バッテリーテストの実施とともにあわせて運動習慣の調査を行い, 以下の結果を得た.
    A.体力診断テストは, 全ての項目で年齢と負の相関関係が認められた.
    B.何らかの運動習慣がある者は, 男子87.8%, 女子88.5%であったが, その内容は, 散歩が最も多く, 以下植木いじり, ゲートボール, ラジオ体操およびその他の体操, ハイキングの順であった.
    C.運動習慣のある者の体力診断バッテリーテストの成績は, 無い者に比べ優れた値を示し, 男子では握力, 息こらえ, 総合点で, 女子では握力を除く全項目で両群間の差が有意であった.
    D.運動の頻度, 時間による各運動条件群間での体力の平均値は, 両者とも多い者が少ない者より優れた傾向を示したが, その差は運動習慣のある者の間では比較的小さいものであった.
    E.はや足程度 (RMR3.5) 以上の運動を実施している者は, 運動習慣の無い者やそれ以下の強度の運動実施者より優れた体力を示した.
    F.家事等で歩くエネルギーを加えた運動のエネルギー需要量 (安静時代謝量を含まない) が多い者ほど体力診断テストの成績が優れていた.
    本調査では, 運動の種類や実施状況によって体力差が認められた.しかし, 最も大きな差は, 現在, 運動習慣があるか無いかにあったことより, 高齢者においては体力の低下を防ぐ (あるいは低下を遅らす) ためには, 比較的低レベルの身体運動でも有効であることが示唆された.
  • 和久 貴洋, 松田 光生, 河野 一郎, 芳賀 脩光, 三輪 泰子, 遠藤 誠, 宮内 卓, 池上 晴夫
    1991 年 40 巻 5 号 p. 465-474
    発行日: 1991/10/01
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    高温環境下の長時間の剣道の稽古が心血管系機能に及ぼす影響について検討するため, 大学剣道選手5名について乾球温度30.4℃, 湿球温度26.4℃のもとで, 1時間の剣道の稽古前後に血行動態の指標を測定した.剣道の稽古後には, 体重は有意に減少し, ヘマトクリットおよび血液粘性は有意に増加した.左室拡張終期径および左房径は, 剣道の稽古後に有意に減少し, また一回拍出量, 左室駆出率, および左室内径短縮率も稽古後に有意に減少した.同一の対象に, 剣道の稽古時と同程度の左室拡張終期径の減少を生じるような下半身陰圧負荷テストを行なった.下半身陰圧負荷テストにおいて一回拍出量, 左室駆出率, および左室内径短縮率は, 剣道の稽古時と同程度減少した.左室収縮終期容量指数に対する左室収縮終期壁応力の比は, 剣道の稽古時および下半身陰圧負荷時とも増加した.高温環境下の長時間の剣道の稽古は, 著しい血液濃縮を生じさせたにもかかわらず心筋の収縮性は低下しなかったが, 静脈還流の減少にともなう前負荷の低下により左心ポンプ機能を低下させると考えられる.運動中の水分補給は心血管系機能の低下を防止するであろうと考えられる.
  • 曽根 涼子, 権 五晟, 藤井 宣晴, 山崎 文夫, 鍋倉 賢治, 池上 晴夫
    1991 年 40 巻 5 号 p. 475-482
    発行日: 1991/10/01
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    呼吸周期と呼吸性不整脈との関係を明らかにするために, 健康な男子学生5名を被検者として, 一回換気量を21に固定し, 周期を3~30secの範囲内で9段階に変化させて呼吸させ, 心電図及び呼吸曲線から一呼吸周期内の心周期の最大値 (RRmax) , 最小値 (RRmin) 及び両者の差つまり心周期変動の大きさ (△RR) を求めて検討した.
    1.心周期変動の大きさは, 短周期の時は小さく, 周期の増大に伴って増加し, 8~14sec周期においては最大となり, それ以上の周期では再び減少した.
    2.心周期変動を呼吸周期との関係でみると, 吸気開始から心周期の最小値出現までの時間は, 8~14sec周期の呼吸において周期に関係なく一定であった (約3.6sec) .
    3.呼吸と心周期変動の位相差について, 心周期の最小値及び最大値がそれぞれ吸気開始と一致した状態を位相差0°とすると, 前者は周期が2.3secの場合に180°, 14.4secの場合に90°, 26.5secの場合に0°となり, 後者は周期が2.7secの場合に360°, 15.Osecの場合に270°, 27.3secの場合に180°となった.
    以上の結果から, 呼吸性不整脈は8~14sec周期の時に最も定常的な反応を示すといえる. また, 周期が短い時には吸気相で頻脈が, 呼気相で徐脈が起こるが, 周期が長くなると吸気相で徐脈が, 呼気相で頻脈が起こることが示された.
  • 権 五晟, 福岡 義之, 曽根 涼子, 鍋倉 賢治, 池上 晴夫
    1991 年 40 巻 5 号 p. 483-492
    発行日: 1991/10/01
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    A study was conducted for further investigation of the mechanism of notch formation of heart rate (HR) in sudden strenuous exercise (SSE), and rapid increase in stroke volume (SV) right after SSE which were the questions arised in the prior experiment.
    Six healthy male students volunteered for the study. A bicycle ergometer was prepared for SSE. The intensity and duration of SSE were 100%VO2max and 1 min, respectively. Warming-up consisting of 80%VO2max for 5 min, preceeded SSE. The interval between SSE and warming-up varied from 5 to 30 min. A control experiment was also conducted without warming-up.
    The main results obtained were as follows :
    1) Diastolic time (DT) temporarily elongated when a notch of HR was formed at the early stage of SSE. Warming-up prevented this formation. No notch was observed throughout total electromechanical systolic time (QS2), left ventricular ejection time (LVET) or preejection time (PEP) .
    2) DT was prolonged immediately after SSE, while LVET, PEPi (PEP index, Weissler's equation) were shortened. PEP/LVET did not change in the initial stage of the recovery period, while electrical systolic time (QT) and QS2 shortend and QT/QS2 increased temporarily.
    These results suggest the following conclusions :
    1) Notch formation observed in heart rate is due to the temporary extension of DT at the early stage of SSE.
    2) Decrease in afterload may be the main cause for the rapid increase in stroke volume after SSE, though other factors such as increase in preload, myocardial contractility and sympathetic tone should also be considered.
  • 稲木 光晴, 久野 譜也, 阿武 泉, 板井 悠二, 勝田 茂
    1991 年 40 巻 5 号 p. 493-500
    発行日: 1991/10/01
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    NaHCO3摂取が運動時の細胞内pHおよびPCr濃度にどのような影響を及ぼすかについて明らかにするために, 7名の被検者に対し, NaCl (Cont.Tr.) およびNaHCO3摂取 (Alka.Tr.) 後の運動時において31PNMRの測定を行なった.
    結果の要約は次の通りである.
    1) 運動時の細胞内pHの経時的低下は, Cont.Tr.と比較すると, Alka.Tr.において遅延傾向にあり, 運動終了時の細胞内pHは, Alka.Tr. (6.69±0.11) が1Cont.Tr. (6.51±0.15) より高値を示す傾向にあった.
    2) 運動時におけるPCr/ (PCr+Pi) の比の経時的低下は, Cont.Tr., Alka.Tr.の両トライアルにおいて差は認められず, 運動終了時のPCr/ (PCr+Pi) の比はCont.Tr.で0.50±0.06, Alka.Tr.で0.54±0.06を示した.
    3) 運動終了時の細胞内pHとPCr/ (PCr+Pi) の比との間には, 有意な指数関数的関係が認められ, PCr/ (PCr+Pi) の比は, 細胞内pHが6.6~6.7に低下するまで顕著な減少を示したが, より低いレベルにおいてはほとんど変化を示さなかった.
    以上のことより, NaHCO3摂取は運動時の細胞内pHの低下を抑制する傾向にあることが示唆された.また, 細胞内pHとPCr濃度との間には指数関数的関係があり, PCr貯備の減少が軽減されるには, 細胞内pHの低下が6.6~6.7より高いレベルで抑制される必要性のあることが示唆された.
  • 高津 光洋
    1991 年 40 巻 5 号 p. 501-505
    発行日: 1991/10/01
    公開日: 2010/09/30
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