日本門脈圧亢進症学会雑誌
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15 巻 , 4 号
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特別寄稿
Editorial
特集1:臨床医が見ておきたい門脈圧亢進症の病理
総説
  • 荒川 正博
    2009 年 15 巻 4 号 p. 304-313
    発行日: 2009/12/31
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
    最近では食道静脈瘤の治療の多くが内視鏡を用いた食道静脈瘤硬化療法,静脈瘤結紮療法で,これらの治療の効果か,食道静脈瘤の破綻出血例がかなり減少している.筆者はこれら内視鏡的治療後の100例以上の剖検例を観察し,いくつかの論文として報告してきたので,本論文ではこれらの要約として主に画像を用いて整理してみた.言葉足らずの部分は参考論文を参照して欲しいと考えている.筆者が見てきた硬化療法の待機例,予防例は副作用も少なく,静脈瘤内には血栓形成が4本の静脈瘤に見られ,すだれ様血管走行部には地固めのため,線維化が見られた.筆者は静脈瘤結紮療法が急性期の破綻出血時には優れているが静脈瘤の消失を目的とした場合には硬化療法がより優れていると考えている.
  • 大部 誠
    2009 年 15 巻 4 号 p. 314-323
    発行日: 2009/12/31
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
    肝硬変の病理組織診断にあたって成因の同定・推定は重要である.従来cryptogenicとされてきた肝硬変は現在ではその多くはNASHとされているが,NASHの所見を認めない場合もあり,NASHのburned-outなのか,それとも他に原因があるかどうか,という問題が残る.一方,非硬変性門脈圧亢進症は特発性門脈圧亢進症 (IPH),結節性再生成過形成 (NRH),肝外門脈閉塞症 (EHO),その他に分類される.IPHはしばしば結節形成を伴いNRHとの異同が問題となる.また,不完全隔壁性肝硬変 (ISC)は形態学的には肝硬変の範疇に属するが,線維化の程度に比して門脈圧亢進が顕著であることから,非硬変性門亢症として発症し線維伸長と結節形成を伴ってきたものと解釈することも可能である.非硬変性門亢症疾患の組織診断は定型的な場合は容易であるが,長い経過中に他の疾患カテゴリーとoverlapしてくることがあるため,経時的な画像診断など臨床経過を考慮に入れて組織診断を行うことが重要である.
特集2:脾臓の基礎と臨床
原著
  • 田中 淳一朗, 山本 憲彦, 杉本 和史, 白木 克哉, 桝屋 正浩, 片山 直之, 臼井 正信, 櫻井 洋至, 伊佐地 秀司, 竹井 謙之
    2009 年 15 巻 4 号 p. 324-330
    発行日: 2009/12/31
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
    血小板減少を伴う慢性肝疾患において,脾摘術により血小板数が改善しIFN投与が可能になるとともに,肝機能が改善したとの報告がみられる.我々はIFN導入目的のC型慢性肝疾患17例および肝機能改善目的の11例に対し脾摘術を行った.血小板数,白血球数,好中球数は術後で有意に増加し,IFN導入は全例で可能であった.SVR率は4/17 (23.5%) であり,いずれもserotype 2であった.その他の内訳はBR 1例,Relapse 4例,NR 5例であった.血球減少に伴い治療中止に至った症例は認めなかった.Child-Pughスコア,Alb,T-Bil,PT%,Ch-Eは術前後で有意に改善した.IFN非投与群11例の解析においてもChild-Pughスコア,Alb値とも同様に有意に改善していた.
    また,肝再生機序として血小板,造血幹細胞の関与が報告されているが,脾摘術後で末梢血CD34陽性造血幹細胞は有意に増加していた.脾摘術は慢性肝疾患の血小板を上昇させ,IFN治療のコンプライアンスを改善させると同時に肝再生を促進し,長期予後も改善する一つの治療法となり得ると思われる.
  • 渡辺 基信, 村田 聡一郎, アンドリー ミロノヴィッチ, 大河内 信弘
    2009 年 15 巻 4 号 p. 331-336
    発行日: 2009/12/31
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
    慢性肝疾患の病勢進行による汎血球減少症に対する治療として脾臓摘出(以下脾摘と略す)が行われているが,肝機能および肝線維化に対する脾摘の効果は不明である.本研究では6週齢のC57BL6マウスに四塩化炭素(CCl4)を投与し肝線維化モデルを作成し,脾摘による肝再生促進効果・肝線維化抑制効果を検討した.[結果]脾摘群では非脾摘群に比べ,末梢血血小板数,肝体重比,肝組織のmitotic index, PCNA labeling indexが有意に増加していた.肝線維化面積比,肝組織中ヒドロキシプロリン量,肝組織中のTGF-β mRNA発現量は,脾摘群が非脾摘群より有意に低下していた.また脾摘群では非脾摘群に比べ肝組織における細胞増殖関連遺伝子の発現増強が認められた.以上のように脾臓摘出は線維化肝において有意な肝再生促進効果・肝線維化抑制効果を示した.その機序には脾臓摘出による血小板増加が強く関与していると推測された.
  • 森 哲, 清家 正隆, 山下 勉, 井上 恵, 針 里栄, 首藤 能弘, 高橋 祐幸, 本田 浩一, 吉松 博信
    2009 年 15 巻 4 号 p. 337-343
    発行日: 2009/12/31
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
    慢性肝炎や肝硬変症で血小板減少例ではIFN療法が困難な場合がある.また進行肝細胞癌の化学療法では血球減少により治療継続が困難となり治療効果が期待できないことがある.そこで肝硬変症および肝細胞癌治療時の補助的手段としての部分的脾動脈塞栓療法(PSE)の有用性について検討した.対象はPSEを施行した61例(IFN例32例,RFA例14例,肝持続動注化学療法(肝動注)例17例).PSEにより血小板数は1年後も有意に上昇した.アルブミン値,コレステロール値も1年後に上昇しPSEにより肝機能が改善する可能性が示唆された.PSE後のIFN治療例におけるSVR率は36.4%,1b高ウイルス量では25%,重篤な合併症は脾膿瘍が1例認められた.血小板数が7×104/μl未満の進行肝細胞癌において肝動注を施行する場合,PSEを併用することで予後の改善が認められた.PSEは肝硬変および肝細胞癌,特に進行肝細胞癌治療の補助的手段として有用である.
総説
  • 佐藤 孝, 舘道 芳徳, 菅野 将史, 増田 友之
    2009 年 15 巻 4 号 p. 344-347
    発行日: 2009/12/31
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
    脾臓は門脈系に介在する末梢最大のリンパ装置であるが,血液濾過装置としても機能している.その構造は,細網組織を骨格とする枠組みの中に白脾髄,周辺帯,赤脾髄が形成されている.ヒト脾臓では,周辺帯,赤脾髄で動脈末端は開放性に終わり,その特異な微小循環系は脾臓の持つ血液濾過・浄化作用と密接に関わっている.血管鋳型標本を用いた検討からは,部分的脾動脈塞栓術(PSE)における塞栓部位は内径1 mm 前後の脾柱動脈と考えられる.
門亢症とIVR
新しいインターフェロン療法
門亢症の緊急治療
 
第12回B-RTO研究会記録
[一般演題]
司会総括
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