日本門脈圧亢進症学会雑誌
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5 巻, 3 号
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  • 村田 宣夫
    1999 年 5 巻 3 号 p. 179-180
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
  • 吉田 智治
    1999 年 5 巻 3 号 p. 181-182
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
  • 林 星舟, 佐伯 俊一
    1999 年 5 巻 3 号 p. 183-188
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    当院で経験した肝細胞癌448例を対象に, 門脈本幹あるいは一次分枝の腫瘍塞栓を伴った症例 (Vp3症例) に併存した食道胃静脈瘤に対する内視鏡的治療の評価を行った.1) 静脈瘤に対する内視鏡的治療の効果 : 緊急・待期例での止血率はVp3症例19例では91%, 非Vp3症例38例では94% (N.S.), 再出血率はそれぞれ50%, 30% (N.S.), 静脈瘤出血死亡率は53%, 23% (p<0.05) であった.また予防例での出血率はVp3症例9例では33%, 非Vp3症例140例では14.5% (N.S.), 静脈瘤出血死亡率はそれぞれ22%, 3.3% (p<0.05) であった.2) 予防的治療の有効性 : Vp3症例の静脈瘤出血率は予防例9例では33%, 予防的治療未施行例35例では74% (p<0.05), 静脈瘤出血死亡率はそれぞれ22%, 49% (N.S.) であった.また非Vp3症例での静脈瘤出血率は予防例140例では14%, 予防的治療未施行例51例では84% (p<0.001), 静脈瘤出血死亡率はそれぞれ3.3%, 27% (p<0.001) であった.以上より, 1) Vp3症例に対する内視鏡的治療は非Vp3症例に比べ出血率が高く, 深い潰瘍の生じない工夫と短期間で静脈瘤消失を目指す努力が必要である, 2) 予防的治療はVp3症例での静脈瘤出血率を低下させ, 非Vp3症例での静脈瘤出血率と静脈瘤出血死亡率を低下させるのに有効である, と結論した.
  • 西田 均, 馬場 俊之, 坂本 仁, 熊野 雄一, 石川 晶久, 石井 誠, 三田村 圭二
    1999 年 5 巻 3 号 p. 189-196
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    門脈腫瘍栓 (portal vein tumor thrombosis ; PVTT) 合併肝細胞癌 (hepatocellular carcinoma ; HCC) 症例は食道胃静脈瘤 (esophagogastric varices ; EGV) 出血などにより予後が不良である.肝硬変に合併したPVTT (Vp3以上) に対して選択的リピオドール肝動脈塞栓術 (Lp-TAE) を施行し, EGVの経過およびPVTT合併HCCの治療成績を検討した.対象と方法=Vp3以上のPVTT合併HCCと診断され, PVTTに対する抗腫瘍効果を目的としたLp-TAEを施行したHCC合併肝硬変8例 [HCV (+) 5例, HBV (+) 2例, HCV+HBV (+) 1例, 全例男性, 年齢55.6±8.5 (mean±SD) 歳] を対象とした.Lp・TAEにはリピオドールー塩酸ドキソルビシン懸濁液およびゼラチンスポンジまたは自己凝血塊を用い, 前後でEGV, 肝機能の変化, 予後および死因等を検討した.結果 : Lp-TAE前に6/8例にEGvを認めたが, 全例でLp-TAE後EGvの増悪は認めなかった.肝硬変のchildPughスコアは6.63±1.30から7.50±2.00に有意に (p<0.05) に上昇した.平均生存期間は36.5カ月, 1年生存率87.5%, 3年生存率70.0%, 5年生存率52.5%であった.死亡例は3例で, 死因は肝不全2例, 他病死1例であった.結論 : PVTT合併HCC例に対する確立した治療法はなく, 予防的なEGV治療にも賛否両論がある.肝機能が良好な例ではLp-TAEによってもEGVの増悪はなく, 予後は良好であり, PVTT (Vp3) 合併HCCではPVTTの制御を第一とすべきである.
  • 岡田 裕之, 水野 元夫, 上江洲 篤郎, 高橋 明, 毛利 裕一, 川田 幹浩, 志茂 公洋, 竹内 一昭, 北野 元子, 金吉 亜紀子, ...
    1999 年 5 巻 3 号 p. 197-201
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    門脈本幹あるいは一次分枝に腫瘍塞栓 (Vp3) を有する肝細胞癌 (以下HCC) に合併した食道静脈瘤破裂に対し硬化療法あるいは硬化療法・結紮術同時併用療法を行った緊急例21例の成績を検討した.止血率は90% (19/21例) であった.治療開始時からの生存日数は3-232日 (中央値69日) で, 静脈瘤出血による死亡例は4例であった.6週間以内の早期死亡群8例とそれ以外の早期非死亡群13例の両群間における背景因子の比較では血清総ビリルビン値 (p<0.005) および腹水の程度 (p<0.05) に有意差が認められた.これら緊急治療群21例とred color sign陽性の食道静脈瘤を有しながら静脈瘤出血を免れたVp3HCC患者26例との累積生存率には有意差を認めなかった.以上よりVp3HCC合併食道静脈瘤破裂後の予後は黄疸, 腹水の影響を受けるが, 緊急内視鏡治療により高率に止血が得られ, 非破裂例に遜色のない予後が得られることが示唆された.
  • 沖田 極, 兼松 隆之
    1999 年 5 巻 3 号 p. 202-203
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
  • 関 知之, 中山 大寿, 古川 雅也, 山田 昌彦, 糸井 隆夫, 武井 和夫, 真田 淳, 武田 一弥, 三輪 一彦, 篠原 靖, 真神 ...
    1999 年 5 巻 3 号 p. 204-209
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    99mTc-GSA肝シンチグラフィ (アシアロシンチ) の脾臓描出により門脈圧亢進症を評価することを目的として, 同シンチの脾描出を定量的に評価し, 食道胃静脈瘤の有無と程度, 側副血行路の有無と側副路方向との関連を検討した.対象はアシアロシンチで脾描出がみられた慢性肝疾患58例で, 脾描出の指標として3分後の脾のカウントを3分後の肝のカウントで除したS3/L3を考案し, 検討した.S3/L3を側副路の有無別に検討すると側副路ありで高値となる傾向がみられ, また食道胃静脈瘤の有無別では静脈瘤ありで有意に高値であった.側副路方向別ではS3/L3は上行性の側副路を有する症例で高値であり, 下行性側副路のみの症例では低値であった.S3/L3と食道静脈瘤内視鏡所見には直接の関係はなかった.アシアロシンチで脾描出がみられた際には, 定量的に脾描出を検討することで, より的確に門脈圧亢進症の評価が可能であることが明らかとなった.
  • 土合 克巳, 本田 実, 大渕 真男, 島 英樹, 松岡 伸, 滝沢 謙治, 内山 勝弘, 國安 芳夫, 税所 宏光
    1999 年 5 巻 3 号 p. 210-217
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    門脈圧亢進症患者に呼吸停止下3D造影MR angiography (MRA) での門脈系側副血行路の流入路および流出路の描出性の臨床的有用性を検討した.対象は肝硬変13例, 特発性門脈圧亢進症2例の計15例である.血管造影が施行された9例と直接門脈造影を行った3例で門脈系側副血行路の描出性をMRAと比較した.MRAではすべての症例で門脈系側副血行路およびその流入路, 流出路を描出することができた.また, MRAの門脈系側副血行路の描出性は腹腔動脈ならびに上腸間膜動脈造影からの門脈造影を上まわるものであり, 直接門脈造影とくらべても遜色のないものであった.MRAは静脈瘤治療例においても, 治療後の静脈瘤縮小の評価に有用であった.MRAは容易に静脈瘤の流入路, 流出路の描出が可能であるばかりでなく, 門脈系側副血行路が広範囲で明瞭に描出できるので, 今後さらに臨床的に活用されうるものである.
  • 杉田 博二, 高田 義雪, 松下 肇
    1999 年 5 巻 3 号 p. 218-220
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    予後不良肝癌合併食道静脈瘤緊急出血例4例にEVL, クリッピング併用二重食道静脈瘤結紮術施行した.症例1は76歳男性.child B肝硬変.平成7年4月多発性肝臓癌にTAE施行.平成8年6月再発TAE施行.平成8年11月食道静脈瘤破裂.肝臓癌は多発し多発性肺転移も認めた.EVL, クリッピングで二重結紮術施行.平成8年12月クリッピング, 平成10年2月EVL, クリッピングで二重結紮術施行.現在通院中.症例2は67歳男性.child C肝硬変.平成9年1月肝臓癌にTAE.食道静脈瘤破裂に二重結紮術施行.平成9年5月, 平成9年9月, 平成9年12月クリッピング施行.現在通院中.症例3, 4は肝癌術後再発, ChildC肝硬変.食道静脈瘤破裂に二重結紮術施行.癌死まで再出血なかった.二重結紮術はEVL困難な静脈瘤をクリッピングで追加結紮し肝機能温存を第一にすべき予後不良例のQOL改善に役立つと考えられた.
  • 太田 秀二郎, 大橋 薫, 児島 邦明, 深澤 正樹, 別府 倫兄, 二川 俊二
    1999 年 5 巻 3 号 p. 221-225
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    内視鏡的硬化療法 (EIS) 後Hassab手術を施行した35例を経験した.胃静脈瘤単独1例を除いた34例は, 食道静脈瘤に初回EISが行われ, Hassab手術前の静脈瘤は, 食道静脈瘤単独5例, 食道胃静脈瘤24例, 胃静脈瘤単独5例, 静脈瘤はなく高度の脾機能冗進症1例であった.Hassab手術後16例に食道静脈瘤の遺残を認めたが, 1シリーズのEISの追加で容易に全例完全消失し, 食道静脈瘤に対しHassab手術は有効であった.EIS前胃静脈瘤を認めず, 食道静脈瘤のEIS後に胃静脈瘤の発生した症例が14例あり, 食道静脈瘤の不完全なEISは胃静脈瘤の発生や増悪を促進する可能性が示唆された.Hassab手術後胃静脈瘤は完全消失した.内EIS後のHassab手術は胃静脈瘤に対してのみならず, 食道静脈瘤に対しても術後EISの併用で有用であると考えた.
  • 塚本 忠司, 広橋 一裕, 久保 正二, 田中 宏, 首藤 太一, 檜垣 一行, 竹村 茂一, 葛城 邦浩, 大場 一輝, 上西 崇弘, 木 ...
    1999 年 5 巻 3 号 p. 226-229
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    悪性門脈狭窄5例, 閉塞1例に対し, 狭窄部門脈内にexpandable metallic stent (EMS) を留置した.その内訳は血管造影像上門脈浸潤が高度で切除不能と診断された肝門部胆管癌1例および胆管細胞癌3例, 再発転移性肝癌による門脈の圧排狭窄1例, 肝門部胆管癌術後再発による門脈閉塞1例である.狭窄5例は経皮経肝的に, 閉塞1例は経回結腸静脈的にEMSが留置された.狭窄5例はEMS留置により門脈狭窄部は拡張され, その後全経過を通じて門脈圧充進症状を呈することはなかった.閉塞1例ではEMS留置によっても門脈血流の再開が認められず, その後も肝性脳症を頻発した.門脈悪性狭窄・閉塞に対する門脈内ステント留置はそのタイミングを逸すると, 効を奏さない.
  • 黒川 剛, 野浪 敏明, 原田 明生, 中尾 昭公
    1999 年 5 巻 3 号 p. 230-231
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    門脈下大静脈シャント後33年を経て重症肝性脳症を来した, 特発性門脈圧亢進症と考えられる症例に, 活性炭吸着が著効を示した.この症例は, アミノ酸製剤, ラクツロースなど通常の肝性脳症に対する治療は無効で, 昏睡度IV-Vにまで至ることがあった.たまたま慢性腎不全が合併していたため, 透析を導入すると同時に, 脳症の治療目的で活性炭吸着を併用したところ, 脳症は著明に改善した.活性炭吸着は, ほかに治療法のない門脈下大静脈巨大シャントのある肝性脳症の治療の選択肢のひとつになり得ると考えられた.
  • 1999 年 5 巻 3 号 p. 233-237
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
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