日本小児血液・がん学会雑誌
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54 巻 , 3 号
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第58回日本小児血液・がん学会学術集会記録
シンポジウム1: 小児固形がんに対する分子標的治療開発
  • 谷口 博昭
    54 巻 (2017) 3 号 p. 187-193
    公開日: 2017/12/08
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    核酸創薬は標的分子に対する柔軟性や製剤化に係る経費が比較的廉価であり,さらに低毒性といった優位性がある.一方で,核酸医薬品として臨床現場で使用される製剤は現状では乏しい.原因として,核酸創薬の抱える問題点が存在する.具体的な問題点として,核酸配列設計の不備,標的分子の選択の誤り,病変局所に核酸を送達するドラックデリバリーシステムの欠如等が挙げられる.我々は,核酸医薬品単独,もしくは抗がん剤等の他剤併用による相乗効果や副作用の軽減を目指して,核酸創薬のハードルを克服するために工学系・理学系の研究室の共同研究者と共に学際的な研究を展開している.核酸医薬品はその特性から,小児腫瘍において認められる融合遺伝子,遺伝子変異や遺伝子増幅を標的とする上で適した剤型であり,腫瘍治療に新たな選択肢を与えるとともに,殺細胞性では無いことから抗がん剤による晩期障害の克服に繋がると考える.今回,核酸医薬品の概論,及び我々が成人の乳がん,膵臓がんを対象に展開している核酸創薬の実例を紹介し,小児固形腫瘍を対象とした核酸医薬品開発への展望としたい.

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シンポジウム3: Primary immunodeficiency diseases associaed with hematopoietic disorders: border between immunodeficiency and bone marrow failure
  • 金兼 弘和
    54 巻 (2017) 3 号 p. 194-200
    公開日: 2017/12/08
    ジャーナル 認証あり

    原発性免疫不全症は免疫系の一つあるいは複数のコンポーネントの先天的欠陥によるヘテロな疾患群であり,個々の疾患も300種類以上存在する.原発性免疫不全症は当初は易感染性を示す疾患として同定されたが,免疫機構の解明とともに血液・悪性腫瘍,自己免疫疾患,アレルギー,自己炎症性疾患などとも関わることが知られてきた.原発性免疫不全症の一部には汎血球減少を呈するものがあり,その病態も抗体関連,細胞性免疫関連,免疫制御異常,骨髄不全,骨髄抑制など多岐にわたる.本稿では代表的疾患としてCTLA4ハプロ不全,LRBA欠損症,TPP2欠損症,ITK欠損症,CD27欠損症,CD70欠損症,XMEN病,IKAROS欠損症,GATA2欠損症,WHIM症候群を取り上げて解説する.本稿が血液・悪性腫瘍と原発性免疫不全症の相互理解に役立つことを期待する.

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シンポジウム4: Symposium of ALL, Optimal use of Asparaginase
  • 石原 卓, 野上 恵嗣
    54 巻 (2017) 3 号 p. 201-207
    公開日: 2017/12/08
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    L-アスパラギナーゼ(L-Asp)を含む小児急性リンパ性白血病(ALL)の寛解導入療法の合併症の一つに凝固障害症がある.L-Asp投与によるアスパラギンの枯渇から生体内での蛋白合成が阻害され,肝臓における凝固因子や線溶因子などの産生障害がL-Asp関連凝固障害症の機序の一端になり得るとされるが,L-Asp関連凝固障害の病態はいまだ完全には解明されていない.新鮮凍結血漿,アンチトロンビン製剤,低分子ヘパリンなどによる支持療法が行われてきたが,至適な支持療法の確立にも至っていない.我々の教室は,包括的な凝固能と線溶能を同時に評価可能なトロンビン・プラスミン生成試験(T/P-GA)を新たに確立し,小児ALL3例(第1寛解期の再寛解導入療法2例と初発時寛解導入療法1例)においてこの評価法を用いて検討した.3例ともL-Asp投与中は包括的な凝固能が亢進し,逆に線溶能は抑制され,特にL-Asp投与相後半のフィブリノゲン(Fbg)低下時に向凝固・低線溶状態が顕著であり(差が1.5~2.6倍),相対的に凝固能優位な凝血学的に不均衡状態であることを初めて報告し,真の病態解明への第一歩を踏み出すに至った.L-Asp関連凝固障害の病態解明と最適な支持療法の確立のために,現在,血栓症の好発時期とされる寛解導入療法後半に着目し,新規診断された小児ALLの寛解導入療法において試料を収集して包括的な凝固線溶機能解析を行う多施設共同の前方視的臨床研究が進行中である.

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シンポジウム6: LCH
  • 工藤 寿子, 森本 哲
    54 巻 (2017) 3 号 p. 208-213
    公開日: 2017/12/08
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    多臓器型小児ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)の治療成績はこの20–30年で劇的に向上したが,再発と不可逆的病変を減少させ,治療関連毒性を最小限にとどめる治療戦略が望まれる.

    組織球症学会による臨床試験ではビンブラスチンとステロイド剤(PSL)併用が標準的治療とされてきた.LCH-III研究では,リスク臓器浸潤なし(RO–)群で治療期間の延長の有用性を検証するランダム化試験が行われ,治療期間延長の有効性が認められた.

    本邦のJLSG-96/02試験では寛解導入療法にシタラビン/ビンクリスチン/PSLを用いている.寛解導入療法のPSL増量と治療期間を54週間に延長して治療を強化したことで,無再発生存率はJLSG-96の28.8%からJLSG-02の57.6%と改善を認めた.5年生存率はリスク臓器浸潤あり(RO+)群で91.7%,RO–群で100%と欧米に比して良好な成績であった.

    一方,RO+群で初期治療に反応不良な例の生命予後は不良である.難治例に対してクラドリビンとシタラビン併用療法やクロファラビン投与,また造血幹細胞移植(HSCT)の有効性が報告されている.本邦の小児LCHに対するHSCTの後方視的研究の進捗状況も報告する.

    小児LCHにおいては,治癒後の長期的な生活の質を妨げる晩期合併症を減らすことも重要な課題であり,BRAF阻害剤など分子標的薬の導入なども今後期待される.

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シンポジウム7: 2学会合同シンポジウム「笑顔のたね」
  • 山下 公輔
    54 巻 (2017) 3 号 p. 214-218
    公開日: 2017/12/08
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    公益財団法人がんの子どもを守る会は,1968年に小児がんで子どもを亡くした親によって設立された小児がん親の会であり, 本部及び21の支部を通じ小児がん克服のための幅広い活動をしている.2月15日の国際小児がんデー (International Childhood Cancer Day: ICCD)は,国際的に展開されている小児がん啓発の日である.当会では,2012年よりこの日を活用した啓発活動を展開しており,現在は同日を中心とした前後約1か月間,全国の支部でイベントや街頭募金を実施している.グッズとしてカード,ティッシュ,Tシャツ等を準備し,小児がんに対する関心を募るツールとし,新聞やテレビ等のメディアにニュースを配信するなど,広く社会に発信をしている.参加者は,親や経験者に加え,県庁,図書館,保健所等の公的機関,病院等医療機関,そして企業や学生ボランティア等の個人と,年々幅が広がってきている.初期の2012年~2013年は啓発カード配布が中心であったが,2014年以降はオリジナルTシャツを募金額に応じ頒布,また,小児がんの子どもが描いた絵のパネルの展示などツールの拡大を図り,全国各所での募金活動,イベント活動を展開している.2016年にはゴールドリボン・ツリーへのリボン付けの呼びかけ,小児がんのシンボルマークであるゴールドリボンの普及にも力を入れた.今後も引き続き,日本における小児がんへの理解向上と,併せてシンボルマークのゴールドリボン普及に向けて,積極的な活動を展開してゆきたい.

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ワークショップ1: Organ transplantation for pediatric cancer: discussion towards consensus
  • 猪股 裕紀洋
    54 巻 (2017) 3 号 p. 219-223
    公開日: 2017/12/08
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    いわゆる切除不能な小児肝悪性腫瘍に対する肝移植は,根治療法の選択肢の一つとして認知されている.日本肝移植研究会の2015年までの集計によれば,18歳未満の腫瘍性疾患に対する肝移植(全例が生体肝移植)114例中,大半の94例が肝芽腫対象で,その他に肝細胞癌8例,肝未分化肉腫1例などが含まれる.肝芽腫に対する肝移植は保険適応であり,現在年間10例程度に施行されている.肝芽腫の生体肝移植後生存率は1年で87.1%,5年以降は75.6%であり,他の小児肝移植術後生存率と比較してもさほど悪くない.過去の欧州での集計で,肝切除後の再発に対する肝移植は,一次的移植より成績が悪いと言われていたが,国内の集計では,有意な差がないことが明らかになっている.現在,日本小児肝腫瘍研究グループ(JPLT)による,JPLT-3治療プロトコール研究が行われているが,そこでは登録症例の中央画像診断,判断困難症例のエキスパートによる治療方針示唆のシステムが確立している.現在肝移植適応で判断が難しいのが,遠隔転移,特に肺転移のあった症例で,化学療法による消失後の移植適応である.少なくとも,画像診断で明確な肺転移が確認できない症例は,移植禁忌とはならないが,国内調査でも,そのような症例での移植後再発が多いのも事実である.移植後の化学療法や免疫抑制にもなお一定の共通認識がなく,これも含めた継続的な症例蓄積と解析が必要である.

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特別要望演題3: AYA世代の骨・軟部腫瘍
  • 西田 佳弘
    54 巻 (2017) 3 号 p. 224-228
    公開日: 2017/12/08
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    日本整形外科学会の全国骨・軟部腫瘍登録データによるとAYA世代において発症数の多い肉腫として,骨原発では骨肉腫とEwing肉腫,軟部では横紋筋肉腫,滑膜肉腫,脂肪肉腫が挙げられる.その他にAYA世代に発症する特徴的な疾患として神経線維腫症1型に合併する悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST),良悪性の中間型であるデスモイド型線維腫症などがある.

    すべてが稀な疾患であり,各々の治療法が異なるために経験豊富な施設での治療が望まれる.横紋筋肉腫,デスモイド型線維腫症では診療ガイドラインを熟知していないために診療方針が施設ごとに大きく異なっていることが明らかとなった.骨・軟部肉腫の中でも,これまで通り診療レベルの均てん化および向上をめざすべき疾患と,診療の一層の集約化が必要である疾患があり,区別していく英断が必要であろう.四肢に好発する骨肉腫の治療では人工関節置換を必要とする場合が多く,治療後運動が制限されるとともに,腫瘍が治癒した後も人工関節の弛みや感染に対して複数回の手術が必要となる場合が多く,AYA世代および30歳以降も継続的な診療が必要となる.またMPNSTのように早期発見が遅れて治療成績が低下する疾患ではAYA世代のNF1患者への啓蒙が重要である.デスモイド型線維腫症では,腫瘍自体あるいは治療によって四肢の機能障害に悩まされるAYA世代患者が多く,多診療科による慎重な診療方針決定が重要となる.

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原著
  • 服部 浩佳, 前田 尚子, 秋田 直洋, 関水 匡大, 市川 瑞穂, 市川 大輔, 古井 辰郎, 堀部 敬三
    54 巻 (2017) 3 号 p. 229-235
    公開日: 2017/12/08
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    近年,がん医療は,原疾患に対する治療に加え,晩期合併症の低減化などサバイバーシップの質の向上を意識した医療対応が求められる.特に思春期・若年成人(AYA世代)における妊孕性温存は重要な課題である.当科では思春期以降で不妊リスクの高い治療を予定する患者には診断確定後,本人に病名・病態説明を行った後に,妊孕性温存について情報提供を行い,希望に従い連携先である生殖医療実施施設に紹介している.今回,2006年2月から2015年11月に当科初診の思春期以降で不妊リスクの高い治療を予定する患者のうち,生殖医療実施施設を受診した17例(男:女=15:2;15–24歳)を対象とし後方視的検討を行った.疾患別では,急性白血病6例,リンパ腫4例,骨・軟骨肉腫4例,横紋筋肉腫2例,髄芽腫1例であった.化学療法,放射線療法開始前に採取施設を受診できたのは17例中13例で,リンパ腫,固形腫瘍が多かった.治療開始後に保存を行った4例はいずれも急性白血病であった.男性は15例中12例で精子保存が可能であった.女性はリンパ腫の1例でカウンセリングの結果,生殖細胞の保存は行わなかった.髄芽腫の1例は不妊高リスク治療が確定した時点で情報提供を行い卵巣組織を凍結保存した.AYA世代がん患者の妊孕性温存には,予定治療の不妊リスクに基づき適切な時期に情報提供を行うことと,本人の意思を尊重した上でがん生殖医療実施施設へ迅速に紹介することが,重要であると考える.

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  • 荒川 ゆうき, 康 勝好, 上原 太一, 柳 将人, 小山 千草, 池田 勇八, 佐々木 康二, 渡邉 健太郎, 磯部 清孝, 森 麻希子, ...
    54 巻 (2017) 3 号 p. 236-240
    公開日: 2017/12/08
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    本邦における小児頭蓋外悪性胚細胞腫瘍(Malignant Germ Cell Tumors; MGCTs)に対するまとまった報告は少ない.そこで我々は1983年から2015年までの間に当施設にてMGCTsと診断された50例について後方視的に,予後,治療ならびに予後因子について解析を行った.診断時年齢の中央値は2.0(0.03–16.4)歳で,観察期間の中央値は2199(76–7922)日であった.7例は未分化胚細胞腫/セミノーマで,34例は卵黄嚢腫瘍,4例は胎児性癌であり,5例は複合組織型であった.初期治療として,完全摘出したうちの7例は術後経過観察を行った.残りの42例は化学療法を施行し,うち35例はカルボプラチンを用いた化学療法を行い,6例はVAC療法(VCR, CPA, Act-D),2例はそのほかの治療を行った.

    病期IVを除いた症例(n=40)の5年の全生存率は100%で,病期IV(n=9)は53.6(13.2–82.5)%と統計学的に有意に病期IVの予後が悪かった(p=6.84E-9).全摘出後経過観察を行った7名のうち2例は再発したが,化学療法で救済できた.

    病期IVは予後不良因子であった.また病期Iの全摘出後の経過観察は選択肢の一つと考えられた.

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症例報告
  • 大部 聡, 谷口 理恵子, 百合草 祥子, 清水 大輔, 北澤 宏展, 小倉 妙美, 堀越 泰雄, 渡邉 健一郎
    54 巻 (2017) 3 号 p. 241-244
    公開日: 2017/12/08
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    急性転化を起こしたPTPN11遺伝子変異陽性の若年性骨髄単球性白血病(JMML)の予後は極めて不良である.症例は3歳の女児.発熱,肝脾腫,貧血,血小板減少を主訴に受診し,骨髄はrefractory anemia of excessive blastsの所見であったが,PTPN11遺伝子変異,spontaneous colony陽性からJMMLの急性転化と診断した.HLA遺伝子型1座不一致の臍帯血移植を行ったが拒絶され,HLA半合致の母をドナーとした末梢血幹細胞移植を行った.Grade IIIの急性GVHDを合併し,完全キメラとなったが,ドナー型造血不全となった.母由来の幹細胞輸注を行ったが血球が回復しないため,HLA半合致の父をドナーとした骨髄移植を行い,1年以上無病生存している.PTPN11変異陽性の急性転化例のような,従来の移植法では十分な効果が得られない最重症のJMMLに対して,強力なGVL効果が期待できる半合致移植は有効な選択肢の1つであることが示唆された.

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  • 縫 明大, 橋本 さつき, 西堀 重樹, 浜田 弘巳, 平間 敏憲
    54 巻 (2017) 3 号 p. 245-251
    公開日: 2017/12/08
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    横隔膜原発のyolk sac tumorは極めて稀な疾患である.今回,我々は11ヶ月の男児例を経験したので,文献的考察とともに報告する.

    本症の初発症状としては咳嗽,胸部痛,多呼吸,胸水貯留といった胸部関連の症状および所見を呈することが多い.発生部位の診断には3D-CTおよびMRIの冠状断像と矢状断像が有用である.治療は組織学的診断確定後にプラチナ製剤を含んだ術前化学療法を行い,腫瘍が縮小したあとに完全摘出術を施行することが重要とされている.

    自験例においても咳嗽,胸水貯留といった主に胸部症状および所見にて発症し,MRIの冠状断像と矢状断像から横隔膜原発腫瘍と診断した.yolk sac tumorの組織診断後,プラチナ製剤であるcisplatinで構成された術前化学療法を施行し,腫瘍縮小後,腫瘍の完全切除を行った.全治療終了後から15年の現在,患児は再発なく,また,化学療法後の障害もなく経過している.

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  • 森田 篤志, 八牧 愉二, 小林 千恵, 田中 秀明, 増本 幸二, 坂下 信悟, 増本 智彦, 穂坂 翔, 鈴木 涼子, 福島 紘子, 福 ...
    54 巻 (2017) 3 号 p. 252-257
    公開日: 2017/12/08
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    本邦におけるWilms腫瘍の治療戦略は,開腹手術を先行させ,病期の確定と病理組織診断の後,化学療法を行うことが一般的である.しかし,右心房内進展型Wilms腫瘍においては安全に手術を先行させることが困難であることも多く,両側性Wilms腫瘍では術後の腎機能廃絶の危険もあることから,治療法は確立していない.進展性・両側性Wilms腫瘍に対しては,術前化学療法の有効性と,術前化学療法に先行する組織診断を必須としない報告が散見される.我々は,両側性腎腫瘍の1歳女児および右心房内進展型腎腫瘍の4歳男児の2例に対し,組織診断を行わず化学療法を先行させた.いずれも化学療法施行後に安全な腫瘍摘出術と,得られた組織より術後Wilms腫瘍と診断することができた.自験例の経験からは初診時に安全な腫瘍摘出術が困難な進展型や両側性Wilms腫瘍に対しては,組織診断を先行せず術前化学療法を検討してもよいのではないかと考えられた.

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  • 藤代 定志, 山添 敬史, 平林 雅人, 峰 研治, 大橋 敦, 野田 幸弘, 河崎 裕英, 金子 一成
    54 巻 (2017) 3 号 p. 258-261
    公開日: 2017/12/08
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    血友病の多くは自発運動の増える生後6か月以降に持続する出血,血腫などで発見され,新生児期に出血症状から診断されることは少ない.今回,遷延する帽状腱膜下血腫に播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併した血友病Aの新生児症例を経験した.患児は在胎41週2日,出生体重3,066 g,経膣分娩(吸引およびクリステレル児圧出法併用)で仮死なく出生した.帽状腱膜下血腫があり,活気および顔色不良を認めたため当科に搬送された.入院時,帽状腱膜下血腫による貧血に加えDICの可能性を強く疑ったため,濃厚赤血球および新鮮凍結血漿を投与し血液検査所見と血腫は改善した.しかし,血腫の再増悪とAPTTの再延長を認め,凝固VIII因子を測定し重症血友病Aと診断した.以上より,新生児期によく見られる出血であっても遷延する場合には凝固機能検査を行い,PTに比してAPTTの高度の延長を認める場合は血友病を疑うべきであると思われた.

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  • 前原 菜美子, 新妻 秀剛, 鈴木 資, 片山 紗乙莉, 渡辺 祐子, 入江 正寛, 力石 健, 渡辺 みか, 笹原 洋二, 呉 繁夫
    54 巻 (2017) 3 号 p. 262-266
    公開日: 2017/12/08
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    Brentuximab vedotin(BV)は,抗CD30抗体薬物複合体であり,CD30陽性の難治性未分化大細胞性リンパ腫(anaplastic large cell lymphoma: ALCL)への有用性が報告されている.再発ALCLに対してBVを投与し寛解に至ったが,薬剤性膵炎を来した症例を経験したので報告する.症例は14歳女児で,初発時に中枢神経病変を有するstage 4のALCLであった.初期治療で寛解を得られたが,化学療法終了後約1ヵ月で再発した.再発ALCLに対してBVを投与したところ奏効し,初回投与後に再寛解を得たが,BV4回目の投与後に急性膵炎を発症した.ALCLの再発兆候は認められず,BVによる薬剤性膵炎と判断した.BVは中止し,vinblastineによる維持療法を行いながら膵炎からの回復を待って,第二寛解期で臍帯血移植を施行した.BVは有害事象が比較的少ない分子標的治療薬とされているが,合併症として急性膵炎が散見されており,従来考えられていたより慎重な観察が必要と思われる.

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  • 栁沼 和史, 佐野 秀樹, 大原 喜裕, 藁谷 朋子, 小林 正悟, 赤井畑 美津子, 伊勢 一哉, 山下 方俊, 清水 裕史, 喜古 雄一 ...
    54 巻 (2017) 3 号 p. 267-270
    公開日: 2017/12/08
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    腹痛で入院した12歳男児.腹部CT検査で小腸に巨大な腫瘤病変を認め,病理組織検査で消化管原発B細胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)と診断した.治療開始9日目に急激に腹痛が増悪,消化管穿孔と診断し,緊急開腹術を行い,穿孔部を直接縫合した.穿孔部は生検部位とは異なる場所に認められ,腫瘍が浸潤した小腸壁が治療により脆弱化したことが原因と推測された.小児悪性リンパ腫における内科治療中の消化管穿孔はまれな合併症ではあるが,致死的な経過をたどることも多いため,消化管原発NHLの治療を行う際は注意する必要があると考えられた.

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