はじめに:C7椎弓根スクリュー(C7PS)の刺入に際し,通常側面透視を用いることが多いがshoulder lineと重なりC7椎弓根の描出が困難な症例も少なくない.その問題の解決策として正面透視を用いたC7PS刺入(正面透視10 mmプロービング法)を考案した.
対象と方法:正面透視法を行った連続21例36本(男性11例,女性10例,平均年齢64歳,A群)を対象とした.正面透視法の手技は,解剖学的刺入点より10 mmプロービングした時点で正面透視にて先端が椎弓根内縁にあることを確認し(10 mmプロービング法),ガイドワイヤーを用いてスクリューを挿入した.従来の側面透視を用いた刺入(側面透視法)を行った20例40本(男性16例,女性4例,平均年齢63歳)をL群とした.Neo分類でgrade2以上を逸脱ありとし,逸脱率を両群間で比較検討しP<0.05未満を有意差ありとした.
結果:逸脱率はA群2.3%(1本),L群20%(8本)であり,A群で有意に少なかった(P=0.04).
結語:正面透視10 mmプロービング法によりC7椎弓根スクリュー刺入の精度向上が期待できる.
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