Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
16 巻, 2 号
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Editorial
原著
  • 長尾 和磨, 圓尾 圭史, 楠川 智之, 山浦 鉄人, 波多野 克, 都井 政和, 堀之内 豊, 有住 文博, 木島 和也, 吉江 範親, ...
    2025 年16 巻2 号 p. 50-57
    発行日: 2025/02/20
    公開日: 2025/02/20
    ジャーナル フリー

    はじめに:本研究は骨粗鬆性椎体骨折(OVF)の椎体圧潰とMRIにおける信号変化の関連とリスク因子を検証することを目的とした.

    対象と方法:60歳以上のOVFに対して保存的加療を行い1年経過観察可能であった症例のうち,単椎体骨折かつ初診時に半定量法grade 0~2の103例を対象とした.半定量法grade 3に進行したものを重度圧潰群,それ以外を非圧潰群とした.患者背景因子,臨床成績(JOABPEQ,ODI,腰痛VAS)を比較した.初診,3ヶ月,1年のbone marrow edema(BME)を4段階で評価し比較した.

    結果:重度圧潰は39例(38%)に認め2群間で患者背景因子に有意差を認めなかった.臨床成績は両群とも3ヶ月,1年で有意に改善した.重度圧潰群は初診のT2WIで限局highと広範囲lowが多かった.BMEは3ヶ月時で有意差を認め重度圧潰群でsevere 71%であった.1年でも有意差を認め重度圧潰群でnone 5%に対し非圧潰群では50%であった.

    結語:重度圧潰は38%に認めたが臨床成績は両群ともに改善していた.非圧潰例で半数は骨髄浮腫も消失して治癒していた.

  • 山浦 鉄人, 圓尾 圭史, 楠川 智之, 波多野 克, 都井 政和, 長尾 和磨, 堀之内 豊, 有住 文博, 木島 和也, 吉江 範親, ...
    2025 年16 巻2 号 p. 58-64
    発行日: 2025/02/20
    公開日: 2025/02/20
    ジャーナル フリー

    はじめに:骨粗鬆症性椎体骨折(OVF)保存療法後にADL障害が遺残する症例の臨床経過と危険因子を,ODIを用いて検討した.

    対象と方法:60歳以上の新規OVFに保存療法を行い1年経過観察できた125例を対象とした.初回,3ヶ月,12ヶ月でODI,JOABPEQを評価し,12ヶ月でODI>40%をADL障害遺残群,ODI≦40%を遺残なし群とし両群を比較した.ODI>40%を目的変数,単変量解析でP<0.1を説明変数として多変量解析を行った.

    結果:12ヶ月でADL障害遺残は34例(27%)に認めた.3ヶ月までは両群共に臨床成績は改善し,以降は遺残なし群では改善,遺残群では増悪した.遺残群は高齢で,初回のJOABPEQ歩行機能,社会生活,心理的障害,ODIが悪かった.患者背景や画像的因子に有意差を認めなかった.多変量解析で高齢,初診時ODI高値が独立危険因子であった.

    結語:OVFにおけるADL障害遺残は27%に認め,その臨床経過は3ヶ月では改善するも以降増悪した.偽関節や続発OVF等はADL障害遺残に有意な関係は認めなかった.

  • 西 亮介, 真鍋 和, 角田 大介, 石綿 翔, 柘植 和郎, 釜谷 邦夫
    2025 年16 巻2 号 p. 65-71
    発行日: 2025/02/20
    公開日: 2025/02/20
    ジャーナル フリー

    はじめに:(a)患者基本情報と(b)術前の身体機能,(c)術前の患者立脚型アンケートを調査し,腰椎固定術後の歩行獲得を遅延させる要因を明らかにすることを目的とした.

    対象と方法:2020年4月からの3年間で腰椎固定術を行った129人を対象とした.評価内容は(a)年齢,性別,BMI,罹患期間,固定椎間数,退院時の歩行様式を獲得した術後からの日数(以下,歩行獲得日数).(b)SLR,NRS,片脚立位時間,6分間歩行試験.(c)JOABPEQ,PSEQ,CSI,HADS,PCS,TSKを調査した.統計解析には歩行獲得日数が術後14日以内のもの(通常群)と術後14日以上(遅延群)の2群比較をMann-Whitney U testもしくはカイ二乗検定を用い,有意水準5%とした.

    結果:年齢,BMI,NRS,片脚立位時間,6分間歩行試験,JOABPEQ歩行機能,PSEQで有意差を認めた(p<0.05).

    結論:腰椎固定術後の歩行獲得に関して年齢などの基本属性や術前のバランス機能および歩行能力のみならず,術前の自己効力感の低さが影響を及ぼすことが明らかになった.

  • 三宅 央哲, 斉藤 三四郎, 吉水 隆貴, 水野 哲太郎, 野坂 潮, 石井 啓介, 渡邊 水樹, 佐々木 寛二
    2025 年16 巻2 号 p. 72-77
    発行日: 2025/02/20
    公開日: 2025/02/20
    ジャーナル フリー

    はじめに:顕微鏡下小侵襲頚椎椎弓形成術は平林式椎弓形成術を進化させた方法であり,小侵襲に従来の方法と同様に脊柱管を拡大することができる.本研究は小侵襲椎弓形成術の成績について検討したものである.

    対象と方法:2016年1月1日から4年間に当院で行った頚椎椎弓形成術177例(年齢65.7歳,男性44例,女性133例)を対象とし,術前,術後1,3年でのJOACMEQを評価した.

    結果:対象となった群の成績は,皮膚切開3.8±0.6 cm,手術時間73.4±25.1 min,出血量49.8±87.1 ml,入院期間11.8±5.8日であった.JOACMEQの術前に対する各ドメインの有効率(術後1,3年)は頚椎機能(48,49%),上肢機能(51,47%),下肢機能(36,34%),膀胱機能(24,26%),QOL(26,29%)であった.JOACMEQ質問票のVASスケールにおける後頚部の痛みと上肢のしびれは,いずれも術前の痛みに対して術後1,3年の痛みが有意に改善した.

    結語:小侵襲椎弓形成術におけるJOACMEQの成績は従来の方法と同様に良好であった.

二次出版
  • 遠藤 俊毅, 井上 智夫, 水野 正喜, 黒川 龍, 伊東 清志, 上田 茂雄, 寳子丸 稔, 高見 俊宏, 飛驒 一利
    2025 年16 巻2 号 p. 78-86
    発行日: 2025/02/20
    公開日: 2025/02/20
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    はじめに:本研究では,脊髄髄内腫瘍の手術リスクと長期予後を評価することを目的とし,日本脳脊髄学会認定の多施設による後方視的観察研究を実施した.

    方法:2009年から2020年までに治療を受けた脊髄髄内腫瘍患者1,033例のデータを58施設から収集し,患者の特徴,臨床像,加齢特性,治療,および転帰を分析した.神経機能評価の分類にはマコーミックスケールを,生存率の解析にはカプランマイヤー曲線を使用し,多変量ロジスティック回帰分析を実施した.

    結果:患者の平均年齢は48.4歳,平均追跡期間は46.1ヶ月であった.1,033例には361例の上衣腫,196例の血管芽細胞腫,168例の星細胞腫,160例の海綿状血管腫が含まれた.腫瘍の肉眼的全摘出が達成されたのは672例(65.1%)であった.神経機能評価において,234例(22.7%)が退院時に術前より一段階以上の悪化を呈した.患者の神経学的機能はその後改善し,術後6ヶ月の時点では,術前に比べ160例(17.6%)が悪化した.251例(27.5%)が改善を認めた.術前の神経機能,腫瘍摘出の度合い,病理組織型が,死亡率および機能的転帰と有意に関連した.

    結論:本研究において,脊髄髄内腫瘍摘出手術術前の神経学的機能障害が軽度であるほど,術後の神経機能的転帰が良好であることが示された.さらに腫瘍摘出度,術後経過および生命予後は腫瘍組織型に関連している現状が明らかとなった.

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