Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
16 巻, 8 号
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原著
  • 岡田 基宏, 𠮷田 宗人, 野村 和教, 矢渡 健一, 岡田 紗枝
    2025 年16 巻8 号 p. 1047-1054
    発行日: 2025/08/20
    公開日: 2025/08/20
    ジャーナル フリー

    はじめに:成人脊柱変形(ASD)に対する矯正固定術として側方進入腰椎椎体間固定術(LLIF)の有用性が報告されつつあるが,その一方でLLIFは致死的合併症の危険性を有していた.今回2例のASD患者に対して3椎間のMED法を用いた内視鏡下経椎間孔的腰椎椎体間固定術(ME-LIF)をタンデムで施行し,良好な結果を得たので報告する.

    対象と方法:2例ともSYNCHAⓇの18 mm円筒リトラクターを用いてL2/3/4/5にタンデムでME-LIFを行い,その後PPSによる後方固定術を追加した.この2例に対し,手術時間,術中出血量,在院日数,単純X線における術前後のCobb角,LLの変化,術後PI-LL,単純CTにおける術前後の各椎間の椎間板高,すべり量の変化,骨癒合率,周術期合併症を調査した.

    結果:手術時間は231分と173分,術中出血量は195 mLと116 mL,在院日数は16日と17日であり,画像検査上2例とも後側弯の良好な矯正が得られていた.周術期合併症は認めず,2例とも全椎間において骨癒合が得られていた.

    結語:ASDに対するMED法を用いた多椎間タンデムME-LIFは有用である.

  • 村松 希信, 千葉 克司, 鈴木 智人, 内海 秀明, 赤羽 武, 千葉 優人, 高田 志考, 嶋村 之秀, 武井 寛, 伊藤 友一, 高木 ...
    2025 年16 巻8 号 p. 1055-1063
    発行日: 2025/08/20
    公開日: 2025/08/20
    ジャーナル フリー

    はじめに:腰椎複数病変に対するFESSとME法による腰椎タンデム手術の有用性と限界について検討した.

    対象と方法:2019年4月から2024年3月の間にFESSとME法による腰椎タンデム手術を施行した9例(男6例,女3例,平均年齢65歳)とし,術式の内訳,手術時間,手術短縮時間,出血量,術後3ヶ月までの手術成績を検討した.

    結果:FED-PLとMEDが1例,FED-PLとMELが1例,FED-PLとME-MILD 1椎間が3例,FED-PLとME-MILD 2椎間が4例であった.平均手術時間は139分であり,FED-PL:72.0分,MED:79.0分,MEL:80.0分,ME-MILD:135.7分であり,平均手術短縮時間は57.7分であった.出血量はFED-PL:少量,MED:9.0 g,MEL:2.0 g,ME-MILD:40.4 gであった.術前,退院時,術後3ヶ月のJOAスコア総点は13.8点→18.6点→20.7点と改善を認めた.

    結語:本術式は条件が合えば外側病変と脊柱管内病変を併存する腰椎複数病変に有用である.

  • 遠藤 康広, 大森 一生, 米山 励子, 李 徳哲, 佐藤 敏秀, 藤本 泰毅
    2025 年16 巻8 号 p. 1064-1070
    発行日: 2025/08/20
    公開日: 2025/08/20
    ジャーナル フリー

    はじめに:FPCF後に開削した骨孔の再狭窄が観察されるが,それに関する報告はない.本研究では骨孔再狭窄の臨床的意義を検討した.

    対象および方法:2014年1月~2023年5月に当施設でFPCFを施行した634例のうち,術後1年以上経過後のCT画像が得られた115例を対象とした.開削長(冠状断・矢状断・3D画像)の縮小率を評価し,年齢,性別,BMI,糖尿病,後縦靱帯骨化症の影響について調査した.

    結果:各項目の開削長の縮小率は,上関節突起32.6%,下関節突起32.7%,矢状面開削高35.1%,3D骨孔面積55.1%であった.開削長の縮小率は各因子との関連は認められなかった.同一高位再手術は12例(10.4%)あり,頚椎前方除圧固定術9例(7.8%),頚椎椎弓形成術3例(2.6%)を施行した.各項目の開削長の縮小率に関して,再手術の有無による統計学的有意差は認められなかった(p>0.05).

    考察:FPCF後に骨孔の再狭窄を認めたが,開削長の縮小率と術後の臨床成績との関連は認めなかった.したがって,骨孔再狭窄自体が直ちに臨床成績に影響を及ぼすものではないと考える.

  • 佐藤 敏秀, 大森 一生, 米山 励子, 李 徳哲, 遠藤 康弘, 藤本 泰毅
    2025 年16 巻8 号 p. 1071-1076
    発行日: 2025/08/20
    公開日: 2025/08/20
    ジャーナル フリー

    はじめに:上位腰椎椎間板ヘルニア(L2/3レベル)に対する全内視鏡下椎間板摘出術(FED)経椎間孔アプローチ(TF法)と経椎弓間アプローチ(IL法)の選択基準は不明である.本研究では,ヘルニアの頭尾側転位と椎間関節傾斜角が術式選択に及ぼす影響を検討する.

    対象と方法:単一施設でL2/3単椎間のFEDを施行した85例を対象とした.年齢,手術時間,ヘルニア横位,頭尾側転位,L2/3椎間関節傾斜角を調査し,TF群とIL群で比較した.

    結果:TF群64例,IL群21例であった.TF群は手術時間が短く,ヘルニアは椎間孔内外,頭側転位例が多かった.IL群は全例尾側転位に対して行われていた.TF群の中で椎弓根中央よりも尾側へ転位していた症例ではそれ以外と比較して有意に手術時間が長かった(85分vs 45分).尾側転位した33例のサブグループ解析で椎間関節傾斜角はTF群がIL群より有意に大きかった(61度vs 57度).

    結語:上位腰椎椎間板ヘルニアに対するFEDにおいて,ヘルニアの頭尾側転位と椎間関節傾斜角は術式選択に影響を与える.

  • 川島 康輝, 石原 昌幸, 谷口 愼一郎, 谷 陽一, 足立 崇, 朴 正旭, 小野 直登, 中 信裕, 安藤 宗治, 齋藤 貴徳
    2025 年16 巻8 号 p. 1077-1086
    発行日: 2025/08/20
    公開日: 2025/08/20
    ジャーナル フリー

    目的:ハングマン骨折に対する脊椎手術支援ロボットCirqの有用性に関して検討した.

    方法:ハングマン骨折に対してロボット支援下に手術加療を施行した5例に関して術式,固定範囲,出血量,手術時間,リファレンスの位置,スクリュー刺入精度,骨癒合率について評価した.骨癒合に関しては術後CTで評価した.スクリュー逸脱の分類に関してはGertzbeinの報告に準じて評価した.

    結果:平均年齢84.6歳,平均経過観察期間13.3ヶ月,Levine分類はType I:1例,Type II:4例であった.平均手術時間は124.8分,平均出血量は115.4 ml,術式は経椎弓根的骨接合が2例,後方固定が3例で全例,小皮切後外側アプローチで挿入した.リファレンス設置位置はメイフィールド2例,C2棘突起1例,C7棘突起2例であった.スクリュー挿入精度は100%,骨癒合率は80%であった.

    結語:ハングマン骨折に対するロボット支援下脊椎手術の有用性に関して検討した.ロボット支援下手術により後外側小皮切での低侵襲手術が可能となり,かつ高いスクリュー刺入精度が達成され,その有用性が確認された.

  • 中川 智刀, 徳永 雅子, 髙橋 永次, 星川 健, 兵藤 弘訓, 佐藤 哲朗
    2025 年16 巻8 号 p. 1087-1093
    発行日: 2025/08/20
    公開日: 2025/08/20
    ジャーナル フリー

    「腰椎変性すべり症に伴う腰部脊柱管狭窄症」(DS)では,「伴わない腰部脊柱管狭窄症」(NDS)では起こらないChevron部の狭窄が起こりえる.目的は,DSとNDSとのChevron部狭窄の違いを明らかにし,DSに対する除圧術のポイントを明示する事である.

    対象は,変性すべり症群(DS群)103例,非変性すべり症群(NDS群)52例.脊髄造影立位側面像にて,L4椎弓Chevron部尾側端からのL4椎体後壁への距離(A)とL4/5椎間板への最短距離(B)より,B/A(Chevron-椎間板間狭窄比)を算出.L4椎体高(C)と椎間板の頭側膨隆距離(D)から,D/C(椎間板頭側膨隆度)を算出.群間比較した.Chevron-椎間板間狭窄比と変性すべり度との相関関係を検討.

    結果,DS群,NDS群で各々平均Chevron-椎間板間狭窄比:59%,93%,平均椎間板頭側膨隆度:13%,3%であり,有意差があった.Chevron-椎間板間狭窄比と変性すべり度との負の相関関係も認められた.

    以上よりDSへの除圧術は,Chevron部まで開窓を行い,ときに椎弓切除を行うことがポイントとなる.

  • 谷 陽一, 中 信裕, 小野 直登, 川島 康輝, 朴 正旭, 石原 昌幸, 足立 崇, 谷口 愼一郎, 安藤 宗治, 齋藤 貴徳
    2025 年16 巻8 号 p. 1094-1101
    発行日: 2025/08/20
    公開日: 2025/08/20
    ジャーナル フリー

    はじめに:化膿性脊椎炎に対して椎体間チタンケージを用いたLIF+PPS固定の治療成績を調査した.

    対象と方法:対象は化膿性脊椎炎に対し,その活動性を沈静化させたのちに罹患椎間に上記低侵襲手術を行った8例.

    結果:罹患高位はT11-12,L2-3,L3-4の単椎間が各1例,L3-4-5の2椎間が2例,L4-5単椎間が3例で,8例中7例が基礎疾患を合併した易感染宿主であった.起因菌は3例で同定できた.初期治療は保存療法のみが6例,非罹患椎のPPSとrodによる固定の追加が2例であった.LIF+PPS直前の白血球数は全例で基準値以下となり,CRP値は平均1.35 mg/dlであった.5例において観察期間内に罹患椎間の骨癒合が確認され,手術による感染再燃はなかった.

    結語:感染巣に異物となるケージを設置する手術は躊躇される傾向がある.しかし,初期治療により感染が制御され,その活動性が沈静化した状態であれば,上記の低侵襲手術は感染椎間板の切除と強固な内固定により感染の治癒過程をむしろ促進する可能性がある.しかし経過観察期間が短いため,今後の長期的な経過観察により本法は有用な治療選択肢となることが期待される.

  • 水野 哲太郎, 斉藤 三四郎, 三宅 央哲, 吉水 隆貴, 野坂 潮, 石井 啓介, 渡邊 水樹, 佐々木 寛二
    2025 年16 巻8 号 p. 1102-1108
    発行日: 2025/08/20
    公開日: 2025/08/20
    ジャーナル フリー

    本研究は,Unilateral Biportal Endoscopy(UBE)を用いたExtraforaminal Lumbar Interbody Fusion(ELIF)の間接除圧効果と術後成績に影響を与える因子を検討したものである.2019年5月から2023年2月の間に腰部脊柱管狭窄症および腰椎すべり症に対し,UBE-ELIFを施行した58例を対象とし,手術時間,出血量,椎体間高,脊柱管面積,黄色靭帯厚,椎間板bulging,VASスコア,cage subsidenceの発生率を評価した.術後,椎体間高および脊柱管面積は有意に増加し,黄色靭帯厚および椎間板bulgingは縮小した.VASスコアも術後に有意な改善を示したが,cage subsidenceが発生した症例では脊柱管面積の拡大が少なく,腰痛VASが高値であった.間接除圧を効果的に得るためには,expandable cageの使用においてsubsidenceを防ぐための適切なcageサイズの選択と設置位置の工夫が重要である.UBE-ELIFによる間接除圧は画像所見,症状の改善に有効であった.

  • 斉藤 三四郎, 三宅 央哲, 吉水 隆貴, 水野 哲太郎, 石井 啓介, 野坂 潮, 渡邊 水樹, 佐々木 寛二
    2025 年16 巻8 号 p. 1109-1115
    発行日: 2025/08/20
    公開日: 2025/08/20
    ジャーナル フリー

    はじめに:Expandable cageを用いた脊柱管内の手術を行わないExtraforaminal Lumbar Interbody Fusion(ELIF)による間接除圧の手術成績を検討した.

    対象と方法:腰椎変性すべり症に対し片側からexpandable cageを用いた単椎間の椎体間固定を含む手術を行った患者21例(ELIF群11例,TLIF群10例)を対象とし,術前と術後1年の腰痛と下肢痛と下肢しびれのVAS,%slip,椎間板高,局所前弯を評価した.

    結果:ELIF群,TLIF群のVAS改善量はそれぞれ腰痛(2.2と3.5),下肢痛(2.9と5.0),下肢しびれ(2.7と3.7)であった.%slip改善量は11.6%と8.7%,椎間板高は+4.7 mmと+5.4 mm,局所前弯角は+2.0°と+1.7°であった.いずれの項目でも両群間に有意差を認めなかった.

    結語:ELIFは十分に除圧効果が得られるため,椎間高が上がれば除圧しなくても手術可能である.

  • 三宅 央哲, 斉藤 三四郎, 吉水 隆貴, 水野 哲太郎, 野坂 潮, 石井 啓介, 渡邊 水樹, 佐々木 寛二
    2025 年16 巻8 号 p. 1116-1123
    発行日: 2025/08/20
    公開日: 2025/08/20
    ジャーナル フリー

    はじめに:腰椎手術による多裂筋の損傷が筋萎縮を生じ,脊椎不安定性や腰痛を引き起こすことが知られており,多裂筋を温存することは重要である.肥満患者においてUBEは顕微鏡手術に対して多裂筋損傷を少なくし,術後成績を改善しうるかを検討した.

    対象と方法:腰椎椎間板ヘルニアに対して,椎弓間アプローチでUBEヘルニア摘出術を行ったBMI25以上の122症例(UBE:U群69例,顕微鏡:M群53例)を対象とした.術前と術後のMRI画像における多裂筋Cross Section Area(CSA)を計測し,患側CSA変化率が-10%以下を筋萎縮あり群,それよりも大きいものを筋萎縮なし群として,筋萎縮率,術前,術後のCK,CRP,術前,術後6ヶ月のJOABPEQとVASを比較した.

    結果:筋萎縮の発生率はU群13%,M群30%でU群で有意に少なかった.術後1日のCKとCRPは筋萎縮群で有意に高かった.JOABPEQ有効率とVASは,それぞれ群間有意差を認めなかった.

    結語:UBEは顕微鏡手術よりも多裂筋損傷が少なく,より小侵襲に手術を行える術式であることが示唆された.

  • 八木 清, 鈴木 伸幸, 加藤 賢治, 和久 航也, 末永 聖悟, 村上 英樹
    2025 年16 巻8 号 p. 1124-1129
    発行日: 2025/08/20
    公開日: 2025/08/20
    ジャーナル フリー

    はじめに:高齢者における経椎間孔的全内視鏡下脊椎手術(以下TF-FESS)の術後の多裂筋の脂肪変性に着目し,TF-FESSの低侵襲性を検討する.

    対象と方法:TF-FESSを施行した80歳以上の17例を対象とし,単純MRIを用いTF-FESS手術進入側の手術椎間高位および尾側椎間高位の多裂筋の脂肪変性を5段階に分類し術後3ヶ月での変化の評価を行った.対照として同一患者におけるTF-FESS手術対側の多裂筋を比較した.また,1椎間の棘突起縦割式椎弓切除術術後患者20例とも比較検討した.

    結果:TF-FESS術後3ヶ月時点で多裂筋の脂肪変性のstageが術前より1段階以上進行した例は,進入側では手術椎間高位で1例(5.9%),尾側椎間高位で1例(9.1%)で,手術対側も同等であり,進入路に起因する悪化はなかった.棘突起縦割式椎弓切除術術後患者では手術椎間高位で8例(40.0%),尾側椎間高位で9例(45.0%)とTF-FESSに比し有意に多かった.

    結語:TF-FESSは多裂筋を温存しうる有用な手術治療の一つである.

  • 寺口 真年, 長田 圭司, 石元 優々, 高見 正成, 筒井 俊二, 岩崎 博, 橋爪 洋, 山田 宏
    2025 年16 巻8 号 p. 1130-1135
    発行日: 2025/08/20
    公開日: 2025/08/20
    ジャーナル フリー

    はじめに:頸椎症性脊髄症(CSM)に対する内視鏡下椎弓切除術(CMEL)と椎弓形成術(LP)の治療成績を前期・後期高齢者で比較した.

    対象と方法:2017年1月から2021年12月までのCSM患者158例を対象とした.前期高齢者(CMEL群13例,LP群77例)と後期高齢者(CMEL群20例,LP群48例)において,手術時間,出血量,合併症,入院期間,術後2年における治療有効割合,満足度等を評価した.

    結果:前期高齢者群では,CMEL群は出血量(18.2 ml vs 109.2 ml),合併症(0% vs 13%),入院期間(9.6日 vs 13.9日)で優れていたが,治療有効割合は低値であった(30.8% vs 70.1%).後期高齢者群では,CMEL群は出血量(32.0 ml vs 86.6 ml),合併症(5.0% vs 12.5%)で優れ,治療有効割合に差はなく(45.0% vs 56.3%),満足度は高値を示した(8.6 vs 7.6).

    結論:CMELは低侵襲だが,前期高齢者での治療有効性はLPが優れていた.後期高齢者ではCMELの低侵襲性を活かした手術が有用である.

  • 村田 英明, 池尻 好聰, 古賀 大智, 斎藤 文寿, 副島 竜平, 澤 幹也, 吉岡 徹, 藤林 俊介
    2025 年16 巻8 号 p. 1136-1147
    発行日: 2025/08/20
    公開日: 2025/08/20
    ジャーナル フリー

    はじめに:腰椎椎間板の解剖学的特徴として,中上位腰椎においては,椎間板レベルは椎弓間より頭側に位置している.したがって頭側へ脱出したヘルニア塊は,椎弓間よりはるかに頭側に位置している.その脱出ヘルニア塊を,椎弓間から摘出(Inter Laminar Approach;IL法)する方法に加え,椎弓に骨孔をあけ,経椎弓的にヘルニアを摘出する経椎弓進入法(Trans Laminar Approach;TL法)と外側ヘルニアに対するアプローチを応用した上位椎弓外側縁から進入するFar Lateral Approach(FL法)の3術式を利用し,内視鏡下ヘルニア摘出(MED)した.これら3術式の使い分け,手術手技,術後成績について報告.

    対象と方法:17例.平均年齢68歳,IL法7例,TL法4例,FL法6例.L3/4 13例,L2/3 4例.

    結果:術当日離床歩行可能.周術期合併症なし.術後平均入院期間IL法9日,TL法6日,FL法4日.術後全例症状消失.

    結語:L3/4以上の中上位腰椎椎間板においては,脱出ヘルニア塊の位置によって,3方法を適応したMEDは安全で有用だった.

症例報告
  • 辻嶋 直樹, 小島 敦, 神谷 繁, 鈴木 弘仁, 袖山 知典, 畠山 健次
    2025 年16 巻8 号 p. 1148-1153
    発行日: 2025/08/20
    公開日: 2025/08/20
    ジャーナル フリー

    はじめに:下位腰椎の骨粗鬆症性椎体骨折(OVF)に対する椎体形成術は単独治療では限界が指摘されている.今回我々は,下位腰椎OVFに対するvertebral body stenting(VBS)後に前方転位を来たし,経皮的椎弓根スクリューによる制動術で対応した症例を経験したので報告する.

    症例:68歳女性.L4のsplit type OVFに対しVBSを施行した.術後1.5ヶ月でVBSの前方転位を認め,大血管への接触が懸念されたため,L2-S1経皮的椎弓根スクリューによる制動術を追加した.術後10ヶ月で骨癒合を確認し抜釘,最終観察時には腰痛改善し良好に経過している.

    結語:下位腰椎OVFに対するVBS単独治療は,特に予後不良因子を有する症例では慎重な適応判断が必要である.VBSの前方転位という合併症に対し,経皮的椎弓根スクリューによる制動術は有効なサルベージ手段となり得る.

テクニカルノート
  • 吉水 隆貴, 山岡 慎太朗, 斉藤 三四郎, 三宅 央哲, 水野 哲太郎, 野坂 潮, 石井 啓介, 渡邊 水樹, 佐々木 寛二
    2025 年16 巻8 号 p. 1154-1160
    発行日: 2025/08/20
    公開日: 2025/08/20
    ジャーナル フリー

    はじめに:Unilateral Biportal Endoscopic Spine Surgery(UBE)を用いた腰椎除圧術は片側進入両側除圧術Unilateral Laminotomy for Bilateral Decompression(ULBD)が行われる.しかし,椎間関節の小さい上位腰椎に対してのULBDは進入側の下関節突起の温存が難しい手技である.当院では上位腰椎へUBE除圧を適応するために両側進入対側除圧術Bilateral Contralateral Laminoplasty(BCL)を行っており,手術の実際を報告する.

    技術報告:手術はまず左椎弓間から進入し棘突起基部を骨切除し黄色靭帯の正中部を同定,対側椎弓腹側および外側陥凹の骨切除を行った.右側からの進入に移り同様に対側への骨性除圧を行った.右椎弓間から左半側の,左椎弓間から右半側の黄色靭帯を切除して除圧を完了した.上位腰椎に対しても平均81%(79~87%)の高い椎間関節温存率で除圧を行うことができた.

    結語:BCLでは下関節突起骨折を予防でき,上位腰椎に対して内視鏡下腰椎除圧の適応拡大が可能である.

  • 岩井 宏樹, 瀬川 知秀, 柳澤 和芳, 金子 剛士, 谷口 健太, 古閑 比佐志, 高野 裕一, 稲波 弘彦
    2025 年16 巻8 号 p. 1161-1165
    発行日: 2025/08/20
    公開日: 2025/08/20
    ジャーナル フリー

    はじめに:UBE(Unilateral Biportal Endoscopy)は,近年本邦でも普及が進む脊椎内視鏡手術である.複数ポータル式灌流が特徴で,灌流関連の工夫について紹介する.

    技術報告:①Outflowの確保−UBEはworking portalからの灌流液排出が皮下脂肪の厚みや切開幅に左右され,視野確保には適切な流路の確保が必要である.②灌流圧の調整−出血時やドリル使用時は灌流圧を上げ,通常は低圧で行うことで視野確保と灌流液消費の最適化を図る.③硬膜のリトラクトと癒着剥離−細い内視鏡径により対側の視野が良好であり,灌流圧を利用した硬膜のリトラクトと剥離ができる.④Dural folding−灌流圧上昇により硬膜が折れ込むことがあり,硬膜損傷を防ぐため灌流停止やプローベによる確認が有用である.⑤ドリルの使用−steel burr使用時は骨片が大きく高回転では視野を妨げるため,適切な回転数(約20,000 rpm)で使用する.

    結語:灌流を調整し,手術器具の至適な操作が重要となる.本報告の工夫がUBEの安全性向上に寄与することを期待する.

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