目的:急性期脊椎硬膜外膿瘍患者の治療,転帰について後ろ向きに検討することである.
対象:2018年1月から2023年3月までに神経症状を呈し当院で治療を行った急性期頚胸椎硬膜外膿瘍の患者12例を対象とした.平均年齢は62歳(39~85歳).発症高位は頚椎6例,胸椎6例だった.
結果:頚椎6例全例(100%)に神経症状を認め,四肢麻痺3例,上肢運動障害2例,上肢しびれ1例だった.胸椎6例中4例(77%)に神経症状を認め2例は両下肢完全麻痺,2例は両下肢重度不全麻痺だった.頚椎で3例,胸椎で5例が歩行不能だった.緊急手術は7例(頚椎3例,胸椎4例)に施行され頚椎1例に前方固定術,6例は後方除圧術が施行された.胸椎の3例に後日後方固定術が追加された.最終経過観察時,入院時独歩不能の8例のうち,頚椎の3例中2例は独歩可能となったが,胸椎の5例はいずれも独歩不可能だった.
結論:重度の神経障害を呈している場合は早期に外科的治療を考慮すべきである.しかし今回,早期の外科的介入により頚椎発症は比較的神経障害の予後は良好だったが,胸椎発症では良好とは言えなかった.
抄録全体を表示