Liverpool Care Pathway 日本語版(LCP-J)が一般病棟の看取りのケアを改善するか検討した.2014年7月~2015年6月にLCP-J の導入と看護師に緩和ケア教育を行った.主要評価項目は緩和ケアの実践と困難感の変化,副次的評価項目は死亡48時間以内の診療内容とした.介入前後ともに回答を得た19人の看護師の回答を解析した.看取りの実践は有意に改善し(3.00点から3.52点; p=0.042),症状緩和の困難感も有意に改善した(3.56から3.10点; p=0.015).LCP-J は9人の死亡がん患者(40%)に使用し,使用しなかった患者との間で治療や検査の実施に差はなかった.一般病棟でのLCP-J の導入は看取りのケアの実践の改善につながる可能性が示唆された.医療者への負担も考慮し,より有用な看取りのチェックリストと教育プログラムの開発が必要である.