Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
5 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
原著
  • 新幡 智子, 小松 浩子
    2010 年5 巻1 号 p. 101-113
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/05/12
    ジャーナル フリー
    【目的】全国のホスピス・緩和ケア病棟におけるがん性疼痛緩和ケアを目的とした看護師によるマッサージの活用状況と, その活用に影響を及ぼす関連要因を明らかにする. 【方法】全国の緩和ケア病棟承認施設に従事し, 臨床経験が2年以上の看護師989名を対象に, 研究者が作成した質問紙調査を行った. 【成績】有効回答数は606名で, その95.7%は日々の看護ケアとしてマッサージを取り入れ, 気持ち良さや不安の軽減などの効果を認識していた. ロジスティック回帰分析の結果, 積極的なマッサージの活用には, 「がん看護の臨床経験年数」が長く(OR: 2.51, 95%CI: 1.20~4.80), 「マッサージに関するアセスメント能力」が高い(OR: 1.18, 95%CI: 1.09~1.27)ことが有意に影響を及ぼしていた. 【結論】より有効なマッサージの活用を行うには, 臨床で培った経験知を活かし, アセスメント能力を向上させる必要がある. Palliat Care Res 2010; 5(1): 101-113
  • 大柄根 いづみ, 斎藤 真理, 縄田 修一, 菊地 正恵, 浦崎 多恵, 岩崎 有紀, 庄司 邦枝, 橋本 真也
    2010 年5 巻1 号 p. 114-126
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/06/02
    ジャーナル フリー
    【目的】入院患者のための麻薬自己管理システムを構築し, その有用性を検討した. 【方法】院内医療スタッフへのアンケート結果をふまえ, 多職種によるワーキンググループで麻薬自己管理の患者条件と方法を定めた. 対象は, (1)内服薬自己管理アセスメント適合, (2)麻薬自己管理アセスメント適合, (3)医師の同意あり, (4)患者の希望あり, の4条件を満たした患者とした. また, 自己管理を実施した患者および医療スタッフにアンケートを行った. 【結果】2008年4月より12カ月間に内外用の麻薬施用の入院患者は100名おり, 麻薬自己管理可能患者は26名, そのうち患者希望で実施したのは20名であった. 自己管理中(平均15.0日間)に紛失, 盗難, 誤服用はなかった. 実施患者の94%は, 手元に薬があって安心, 困ったことはないと答えた. スタッフは75%が自己管理を継続すべきと答えた. 【結語】当システムは病棟での安全で適切な麻薬自己管理実施に有用と示唆された. Palliat Care Res 2010; 5(1): 114-126
  • 馬場 玲子, 笹原 朋代, 北岡 和代, 梅内 美保子, 木澤 義之
    2010 年5 巻1 号 p. 127-136
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    【目的】緩和ケア認定看護師の職務満足度およびバーンアウトの実態, バーンアウトの関連要因探索を目的として質問紙調査を行った.【方法】2005年に緩和ケア認定看護師を対象とし, 看護師の職務満足度とバーンアウトの実態および, 個人特性をたずねる項目からなる調査票を郵送した. ロジスティック回帰分析を用いてバーンアウトとその関連要因を抽出した.【結果】171名に送付し, 137名から回答を得た(回収率81.1%). 職務満足度の各下位尺度平均点は, 職業的地位32.6±6.5, 看護師間相互の影響26.4±6.7, 専門職としての自律17.5±5.2, 医師と看護師の関係8.6±3.6. 看護管理28.5±8.5, 給料24.0±7.8, 看護業務13.2±5.4, 合計点150.6±29.8であった. 70名の緩和ケア認定看護師(51%)がバーンアウトの兆候を示した. ロジスティック回帰分析の結果, 勤務施設ががん専門施設 (OR=34.67,95%CI: 2.90-414.29)であることなど9つの変数がバーンアウトしやすいことに有意に関連していた.【結論】緩和ケア認定看護師が十分な活動をしていくために, 勤務施設を考慮した教育や支援の必要性が示唆される. Palliat Care Res 2010; 5(1):127-136
短報
  • 佐藤 恭子, 安藤 孝, 西 智弘, 狩野 真由美, 石黒 浩史, 宮森 正
    2010 年5 巻1 号 p. 201-205
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/05/24
    ジャーナル フリー
    舌下投与は痛みを伴わないため, 内服不能で他の投与経路確保が困難な終末期患者に有用な方法である. われわれは, がん性疼痛に対するブプレノルフィン(0.1~0.2mg/回), フェンタニル(0.05~0.2mg/回)注射剤舌下投与, および不眠時のミダゾラム(0.1mg・kg‾¹)注射剤舌下投与の有効性と安全性について検討した. 3剤は口腔内よりすみやかに吸収され, 約90%の症例に効果があった. 眠気, 嘔気のほか, 嚥下障害を有する例で痰の増加がみられた以外は, 特に大きな副作用はなかった. 注射剤の舌下投与は, 緩和ケアにおける代替投与経路として患者のQOLのために有用な手段である. Palliat Care Res 2010; 5(1): 201-205
症例報告
  • 谷村 紀代子, 野村 浩英, 藤井 一美, 恩田 誠二, 光信 正夫
    2010 年5 巻1 号 p. 301-307
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    【目的】フェンタニル貼付剤(FP)からオピオイドローテーション(OR)を行い, 換算量より少ない投与量で除痛した(経口モルヒネ: フェンタニル=100: 1). そこで, FPからORする場合の投与量について検討した.【方法】FPからORを行った症例のオピオイド投与量について後向きに調査した.【結果】対象となった14症例のOR後の平均投与量は換算量の76%であった. 11症例(79%)で換算量より少なく, 換算量より多かった症例は3症例(21%)のみであった. FPの投与量が75μg/hr以下である症例(n=5)では, OR後の投与量が換算量の101%であるのに対し, FP 75μg/hrを超える症例(n=9)では63%であった.【結論】がん性疼痛に対しFP 75μg/hrを超えても除痛できない症例はORを考える必要があり, その投与量は約60%に減量して開始するのが安全であると考える. もちろん減量しても痛みの変動に注意し, レスキューを用意し, 退薬症状にも注意が必要である. Palliat Care Res 2010; 5(1): 301-307
  • 本間 英之, 千原 明, 山田 理恵
    2010 年5 巻1 号 p. 308-313
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/05/18
    ジャーナル フリー
    終末期がん患者の神経障害性疼痛に対してガバペンチンを投与後, ミオクローヌスを認め, 中止後すみやかに改善した2症例を経験した. 患者1: 70歳代, 女性. 子宮肉腫, 腰椎浸潤. 左下肢の疼痛にガバペンチン200mg/日を投与. 4カ月後, 増量し400mg/日投与としたところ, 増量3日後より左上肢に周期の早い攣縮が出現し, ミオクローヌスと診断した. ガバペンチン投与を中止し, 2日後に回復した. 患者2: 80歳代, 男性. 左腎細胞がん. 下肢の疼痛に対しガバペンチン200mg/日を投与. 開始翌日より広範囲の攣縮を認め, ミオクローヌスと診断. 中止翌日にほぼ改善した. ミオクローヌスはガバペンチンのまれな副作用ではあるが, 終末期がん患者では, 低用量でも発症する可能性が示唆された. また, ミオクローヌスの発症にガバペンチンが寄与する程度は多様と推測されるが, 症状改善にはガバペンチンの投与中止が重要であり, 中止後は早期の改善が期待できる. Palliat Care Res 2010; 5(1): 308-313
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