自然歩行中のフットプリントにて, 内側縦アーチが保持され, 踏切期の圧が第II・III中足骨頭に集中している23足を対象に, 足底挿板が足部内在屈筋力に及ぼす影響について検討した. 研究に用いた足底挿板は, ベース足板にエムソール5mm舟状骨パッドを設置したものを使用し, 足部内在屈筋力は, 母趾MTP関節屈曲力と第IV趾MTP関節屈曲力を計測した. 足部内在母趾屈筋力は, 非挿入時平均1.11±0.37N/kg, 挿入時平均1.59±0.42N/kgとなり (有意差0.1%), 足底挿板による筋力の増大が認められた. 足部内在趾屈筋力は, 非挿入時平均0.53±0.22N/kg, 挿入時平均0.78±0.29N/kgとなり (有意差0.1%), 足底挿板による筋力の増大が認められた. 足底挿板には, 過去の報告に見られる足底圧の分散効果や静的アライメントの矯正効果に加え, 足部内在屈筋力の増大による動的荷重緩衝効果の存在も無視できない要因の一つと考えられた.
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