我々は通常, 成熟した断端で義足を作製する時に用いられるシリコーンソケットを術直後に使用し, 義肢装着も同時に行う「シリコーンソケットを用いた術直後義肢装着法」Immediate Post-Operative Prosthesis Using Silicone Socket: IPOPSSを行い, シリコーンソケットを外し, 創部の消毒や観察と, 義肢装着によるリハビリを同時に行える方法を経験した. IPOPSSの利点として, 第1にシリコーンソケットを外すことで創部観察が可能で, 創トラブルに早期に対応できることがある. 第2にシリコーンソケットの圧迫力で断端浮腫を予防し, 早期に義足の採型ができることがある. 第3に全身状態等に問題がなければ, 術翌日から立位訓練を行うことが可能な場合もあり, その場合筋力低下を予防でき, 義足歩行ヘスムーズに移行できることがある. それらの結果として, 入院期間の短縮にも優れている方法ではないかと思われた.
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