日本義肢装具学会誌
Online ISSN : 1884-0566
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26 巻, 1 号
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巻頭言
特集 大腿義足と日常生活動作能力
原著
  • —伸び上がり歩行の特徴と健側下肢との関連性について—
    関川 伸哉
    2010 年 26 巻 1 号 p. 35-42
    発行日: 2010/01/01
    公開日: 2013/04/15
    ジャーナル フリー
    本研究では,大腿切断者の伸び上がり歩行を運動・運動力学的視点から分析し,その特徴と健側下肢へ及ぼす影響について明らかにすることを目的とした.伸び上がり歩行は,主に前額面での左右骨盤の上下動の異常として観察される.そこで,左右の上前腸骨棘のマーカをもとに,前額面での左右の骨盤の上下動の軌跡を示し,左右上前腸骨棘の上下動の差を計算した.その結果,大腿切断者は,健側の立脚中期に左右の骨盤が大幅に上方へ移動し,義足側の立脚中期には健側骨盤のみが上昇することがわかった.また,骨盤が最上方に移動したこの時期,健常者とは逆に骨盤の左右差が最大となる.したがって伸び上がり歩行とは,単脚支持期の際に骨盤が大きく上方に移動する動作であり,なかでも健側単脚支持期に義足側の上方移動が顕著に現れることが明らかとなった.伸び上がり歩行が歩容の異常として著明に観察される理由としては,健常者歩行においては,骨盤が平行に保たれる単脚支持期に,左右差が最大となる全く逆の特徴を示すことが挙げられる.また,健側立脚中期に健側および義足側が伸び上がることにより,立脚期率と歩幅の左右の対称性が崩れ,健側の股・膝および足関節に様々な影響が現れた.
症例報告
  • —親水性ポリウレタンドレッシング(ハイドロサイト)使用の有効性について—
    賀好 宏明, 舌間 秀雄, 大峯 三郎, 狩野 綾子, 岩永 勝, 牧野 健一郎, 蜂須賀 研二
    2010 年 26 巻 1 号 p. 43-45
    発行日: 2010/01/01
    公開日: 2013/04/15
    ジャーナル フリー
    症例は,足部潰瘍により一側下腿切断術を施行された膠原病(強皮症,関節リウマチ)を有する 70 歳代女性患者である.強皮症や痩身(BMI 15.0)に起因すると思われる断端骨突出部の疼痛があり,ソケット修正を繰り返すも疼痛が軽減せず,義足適合に難渋した.荷重に伴う皮膚と軟部組織のずれが疼痛の主因と考え,断端皮膚に親水性ポリウレタンドレッシング(ハイドロサイト)を貼付したところ,疼痛の軽減が図れた.ハイドロサイトは皮膚および軟部組織のずれによる愁訴に有効と考えられた.
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