日本義肢装具学会誌
Online ISSN : 1884-0566
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26 巻, 3 号
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巻頭言
特 集  疾患別の車いす処方・選び方―オーダーメイド車いすを中心に―
原著
  • 奥田 正彦, 今北 豊彦, 中矢 賀章, 福井 有朋
    2010 年 26 巻 3 号 p. 187-194
    発行日: 2010/07/01
    公開日: 2013/06/19
    ジャーナル フリー
    義足膝継手において,立脚相制御の安定性は重要な機能である.近年では,立脚相の動的安定機構を特徴とした義足膝継手が注目されている.そこで,立脚相制御に油圧を利用することにより,インテリジェント義足膝継手に高い立脚安定性とイールディング機構を付加したので報告する.まず,立脚相制御のためにロータリ式油圧ダンパとリンク式油圧切換機構を開発した.つぎに,油圧ダンパの単体試験から,油圧抵抗が膝の角速度に比例することを示した.歩行試験では,義足と健足を交互に振りだしながら,坂や階段を下りられるようになることを確認した.このときの計測結果から,新しいインテリジェント義足膝継手の有効性と今後の課題について検討した.
  • 大窪 伸太郎
    2010 年 26 巻 3 号 p. 195-201
    発行日: 2010/07/01
    公開日: 2013/06/19
    ジャーナル フリー
    運動中の足部形状変化は,下肢の三次元挙動に伴って起こり,足底板のフィッティングを大きく左右すると考えられている.しかし,いずれの先行研究も我々の知る限り二次元的な検討にとどまっている.そこで,荷重条件の変化が足部の三次元的な形状変化に及ぼす影響について調査した.用いた手法は,三次元足形測定装置にて,座位および立位時の足部形状を測定し,足の骨格特徴点上に貼付したマーカーの三次元的な変位および,足長や足幅などの基本寸法を両測定肢位間で比較し,考察を行った.被験者は健常な成人男性5足と成人女性4足とした.その結果,座位から立位の姿勢変化に伴って,足長や足幅が増大するほか,本手法では,内側縦アーチは内側へ変位しながら低下する事象など,先行研究では未報告の形状変化を確認した.
症例報告
  • 原 良昭, 服部 託夢, 柴田 八衣子, 溝部 二十四, 深澤 喜啓, 岡本 真規子, 陳 隆明, 松原 裕幸, 赤澤 康史
    2010 年 26 巻 3 号 p. 202-205
    発行日: 2010/07/01
    公開日: 2013/06/19
    ジャーナル フリー
    筋電義手使用時に断端袋を使用すると皮膚表面と表面電極が接触できず筋電位の導出ができなくなり,その結果,電動ハンドの開閉が制御できなくなる.そのため,筋電義手使用者は断端袋を使用しないか,断端袋に表面電極用の穴を開けて使用している.我々は,断端袋使用時でも水道水や汗で断端袋を湿らすことで電動ハンドが制御可能となった症例を確認したので報告する.また,本症例報告では,断端袋を湿らすことで電動ハンドの開閉が使用者の意思によって制御できることを示すために,断端袋を使用して前腕筋電義手を装着させたときの表面電極の出力信号を測定し,断端袋を湿らせると筋電位が導出できることを確認した.
  • 笠井 史人, 水間 正澄, 佐藤 新介, 渡辺 英靖, 和田 真一, 飯島 伸介, 國吉 泉, 吉澤 則幸
    2010 年 26 巻 3 号 p. 206-209
    発行日: 2010/07/01
    公開日: 2013/06/19
    ジャーナル フリー
    症例は21歳男性,AVMによる脳出血,右片麻痺・失語症.若年発症や失語症による精神的ダメージが大きく,生きがいであるギターを演奏するためにスプリントと肩装具を作製した.訓練により演奏できるようになっただけではなく,回復停止したはずの麻痺手に改善がみられたため,上肢装具装着ギター演奏による片麻痺上肢機能訓練は,脳の可塑性に効果的と推測された.音によるフィードバックが得られ,運動学習に効果的な速度・課題のバリエーションもつけることができた.補装具と音楽療法の組み合わせによる本法は,楽しみながら効果を実感でき,高いモチベーションで訓練量を稼ぐことができるため,有効な上肢機能訓練法のひとつとして期待される.
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