脳卒中片麻痺患者において,肩関節亜脱臼はよくみられる合併症の1つである.亜脱臼に対して,肘関節伸展型肩装具でカフ部での強い緊縛に頼らず,整復ができ,自己装着が可能な肩装具を開発し,その効果を検証した.本装具を亜脱臼患者に装着した際の肩峰骨頭間距離を計測した結果,装具非装着時とRSB装着時に有意な差が認められた(
p<0.01).Brunnstrom recovery stageは上肢II手指IVで,著明な高次脳機能障害を認めない患者に本装具を使用し,装着訓練を行い1回の自己装着評価を行ったところ,2〜3分での自己装着が可能となった.以上のことから,本装具は亜脱臼整復可能な肘関節伸展型肩装具であり,自己装着も可能なことが示唆された.
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