本研究の目的は,無動力歩行支援機ACSIVEを活用した歩行練習が,健常者の歩行パターンに及ぼす1時間後の影響を明らかにすることである.対象は,健常成人23名とした.歩行練習は,ACSIVEを装着し,1,000歩の歩行とした.歩行練習の効果は,三次元動作解析装置と床反力を用い,歩行練習前後および1時間後の裸足歩行を計測し,3条件の下肢関節角度と関節モーメントを比較した.歩行時の下肢関節モーメントは,逆動力学モデルを用いて計算した.その結果,ACSIVEを活用した歩行練習は,1時間後においても荷重応答期の股関節最大伸展モーメントを有意に増大し,立脚終期から前遊脚期にかけて股関節屈曲モーメントを有意に減少させた.本研究では,ACSIVEを用いた歩行練習は,反復と課題特異性により後効果を示した.
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