健康な小児が, 靴を履いた状態で足底にどのような圧力を受けているかを知ることは, 小児の足の発達ばかりでなく, 靴を造る立場からも興味のあるところである。そこで, 圧力は超低圧測定フィルム (富士フィルム・プレスケール) を用いることとし, 市販の子供靴 (商品名: パスターブラウン, 日本製靴) の足底をその厚み (5
mm) だけ深く造って, 測定した。
この方法では, 静止直立時の圧力は小さくて測定出来なかった。10回足踏み状態では, 体重のほぼ13倍の圧力がかかっていた。全体の圧力の高いところは, 踵 (左右), I趾 (左右), 中足骨の内と外 (左) で, 低い所は, 土踏まず (左右), II趾 (左右) であった。左右差の大きい所は, 第1中足骨である。ステップ運動で, 左右の相関が高いのは中足骨とV趾であった。結果を用い主成分分析を行うと, 母趾, 踵, 足底の中央線, 外側で96.3%の寄与率を示していた。
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