海洋における物質の拡散状を調べることは非常に難しい。水平拡散状のを知る最適方法は航空写真を用いることである。そこで, 筆者等は広島湾と相模湾において染料雲の航空写真を撮影し, その面積を円の面積として次式を用い渦動拡散係数算出した。
K=(
ri2-
r2i-1)/4(
ti-
ti-1)
だだし,
ri染料雲の半径,
ti時間 (秒)
その結果次のようなことが明らかになった。
1.染料雲の面積はある範囲までは時間と共に増加する。
2.染料雲面積の増加率は拡散のスケールに相関する。
3.個々の渦動拡散係数は短時間内では大きな変化を示すが, 長時間の平均渦動拡散係数は流速に関連するものと思われる。この後者の平均渦動拡散係数は近似的7×10
2~17×10
2cm・sec
-1となる。
この調査の結果による2~3の問題点について上げると, 航空写真上で染料雲と海面の境界を検出するのと同様, その垂直的拡散も検出する必要がある。また航空写真上の染料雲濃度と海中における染料雲濃度の関係についても末解決で劾, 今後角鞅し鮒ればならない問題である。
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