航空写真の同時補正について, 被写点間で生ずるくい違いに最小自乗法を応用する研究を行った。それぞれの被写点とそれに対応する写真からの光線との関係を決める新たな条件式が考案され, その関係式に基づき全被写点の最確値が同時に求まる数学的展開が妥当で, 計算可能な方法に誘導された。特に正規方程式の係数行列の構成について, 制限された計算機容量内の効率の意味からも, また計算機の演算時間の節約の意味からも, むだを最小にするよう丹念に考察された。正規方程式の系数行列を都合の良い帯状の形に縮少させる試みが観測方程式の順序を変えることにより実現された。
この一連の手法はThe Autometric Corporation of the Raytheon Company, for the U.S.Army Engineering Topographic Laboratoriesにより用意された近似垂直写真の凝似Dataを使用して検査された。
1つのstripに5枚の写真で5つのstripと1つのstripに10枚の写真で3つのstripとの2つの形のBlockが想定され, これら完全数学的に計算された写真上の像の座標, と被写点の座標とに, 任意の標準偏差をもつ正規分布に従った誤差を与えることにより得られた座標値が実際の演算のDataとして使用された。なお, 基準点としてはblockのそれぞれの角に一点ずつ, 合計4点使用された。
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