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田中 今日子, 河村 雄行, 田中 秀和, 渡邊 誠一郎
セッションID: 505
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
会議録・要旨集
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核生成現象を明らかにするため、均質核生成の分子動力学シミュレーションを行った。ポテンシャルはKawamuraモデルを用いて水分子の計算を行った。温度は350Kから410K、過飽和度は約5から20程度の範囲で計算を行った。分子動力学シミュレーションにより得られたクラスター分布と核生成理論を比較することで理論の検証を行った。
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小林 憲正, 遠西 寿子, 鈴木 宣成, 金子 竹男, 高野 淑識, 高橋 淳一, 吉田 聡, 斉藤 威, Tsarev Vladimir
セッションID: 506
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
会議録・要旨集
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模擬星間物質に種々の放射線を照射することにより生成するアミノ酸の分析を行い、星間環境におけるアミノ酸生成およびアミノ酸不斉の起源について考察した。一酸化炭素(またはメタノール)・アンモニア・水の混合物に種々の放射線を照射し、生成物を加水分解すると多種のアミノ酸が検出された。照射生成物に円偏光紫外線を照射後、加水分解すると、アミノ酸のエナンチオ過剰が検出された。本結果は地球上の生命の起源への化学進化における星間有機物の重要性を示唆する
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金子 竹男, 坪井 大樹, 鈴木 宣成, 栗原 広成, 小林 憲正, 高野 淑識, 吉田 聡, 矢守 章, 春山 純一
セッションID: 507
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
会議録・要旨集
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星間で生成した有機物が彗星などにより地球に届けられ、地球生物の素材になったというシナリオを検証するためには、地球外有機物の宇宙環境での安定性に加え、彗星や隕石の衝突時の有機物の安定性や、原始地球上での安定性も考慮する必要がある。本研究では模擬星間物質から合成したアミノ酸前駆体の放射線、衝突、熱などに対する安定性を調べ、遊離アミノ酸と比較した。その結果から、星間で生成した「アミノ酸前駆体」を含む複雑有機物は遊離アミノ酸と比較してはるかに宇宙環境や衝突時、熱水環境で安定であることが示された。
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石原 吉明, 平松 良浩, 古本 宗充
セッションID: P301
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
会議録・要旨集
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日本には非常に稠密な地震観測網が展開されており、隕石落下や大火球出現時にしばしば衝撃波により励起されたと思われるシグナルが地震観測網に捉えられている。衝撃波の振幅は、流星体が単位時間あたりに押しのける大気量、すなわち衝突断面積と飛行速度に依存している。簡単の為に球状の流星体を考えれば、振幅の変化は落下速度の変化と流星体直径の減少を表しているといえる。本研究では、宮古火球・神戸隕石・関東大火球について地震観測網に捉えられた衝撃波シグナルの振幅から、アブレーションにより落下中に流星体のサイズが減少して行く様子を推定した。
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中島 健介
セッションID: P302
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
会議録・要旨集
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Hot Jupiter の大気は主星によって強く加熱されており、シリケイト・鉄の凝結・蒸発サイクルが生じる可能性がある。上昇運動で生じる雲が主星からの放射を吸収すれば、地球や木星における雲対流で起っているのと多少とも似た正のフィードバックループが駆動される可能性がある。ここでは、こうした「放射対流不安定」についての単純な線形論を考察する。その結果は、雲における放射相互作用が大気を加熱(冷却)する場合、停滞性(伝播性)の不安定擾乱が存在することを示す。
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武田 隆顕
セッションID: P303
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
会議録・要旨集
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Rubble Pile Model を用いて、天体同士の衝突現象のシミュレーションを行った。最終的なターゲットの質量が減少する場合と増加する場合の境界などについて、衝突速度、衝突角度などへの依存性を調べ、剛体粒子モデルと、柔粒子モデルの比較を行った。また、インパクタが低速で斜めに衝突する場合には、ターゲット天体の周囲に飛び散った破片の再集積によって衛星の形成が起きる。このような衝突、再集積過程の高解像度の計算を行った結果を報告する。
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小林 町恵, 福岡 孝昭, 松崎 浩之
セッションID: P304
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
会議録・要旨集
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南極隕石の落下年代を100個以上測定し、落下頻度の経年変化、ペアリングの問題等を明らかにする目的で、隕石中の
26Alを測定している。測定法として、超低バックグラウンドγ線測定(微少試料に適用)とAMS(比較的大きな試料に適用)による測定の2つの方法で行っている。ここでは、両測定法を説明するとともに、両法間の測定値の整合性についても報告する。
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杉原 孝充
セッションID: P305
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
会議録・要旨集
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最近のリモートセンシングデータによる月地殻構造についての理解とApolloなどによるサンプルリターンミッションによるデータに理解を統合し、月の地殻生成過程と月の初期進化過程を理解する方法を考察する。
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上辻 勝也, 佐々木 晋一, 車田 真実, 佐藤 岳志, 墻内 千尋
セッションID: P306
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
会議録・要旨集
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電子顕微鏡中での加熱実験という手法より、シリケイト粒子表面に金属が存在した場合の高温での挙動について調べた。シリケイト(SiO2)粒子表面上にAl clusterを蒸着した粒子を真空中加熱するとAlの融点以上で表面反応が著しくなり、AlはAl2O3結晶に変化し、SiO2粒子はSiOへと還元された。更に温度を上昇すると前回のSiO粒子の実験と同様にSiO組成による蒸発が見られた。Mgシリケイトについての類似実験の結果も示す予定である。
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車田 真実, 佐藤 岳志, 上辻 勝也, 小池 千代枝, 墻内 千尋
セッションID: P307
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
会議録・要旨集
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ガス中蒸発法により気相からdelta-alumina粒子の創製を行ない、遠赤外領域から可視紫外領域までの吸収スペクトルを測定した。またdelta-alumina粒子を空気中で加熱し、安定相への転移温度を中間赤外吸収スペクトルの変化及びDSCピークより決定した。delta-aluminaは1050℃でtheta-alumina、1200℃でalpha-aluminaに転移した。さらに、AlとCrの混合粉末を酸素雰囲気中で蒸発させることによりアルミナ粒子にクロム元素をドープすることに成功した。ドープされたアルミナはtheta-aluminaでありスペクトルが大きく変化することを見出した。
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中村 昭子
セッションID: P308
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
会議録・要旨集
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月や小惑星などの太陽系小天体では,散乱光が後方に強いことが知られており,これは,表面のレゴリス層によってshadow-hiding と coherent backscatteringという2つのメカニズムが働くためであると考えられている.これらのメカニズムは,粒子層でなくとも粗い表面では働くとされている.そこで,衝突破片表面の粗さを調べ,粒子サイズや空隙率の異なる粉体層の場合と比較する.また,後方光散乱強度を調べて,小惑星の観測結果との比較を行い,小惑星表面状態について議論をする.
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和田 浩二, 千秋 博紀, 松井 孝典
セッションID: P309
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
会議録・要旨集
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我々は、粉体粒子間の固着力を導入した離散要素法(DEM)によって高い空隙率をもった粉体層をつくり、それへの衝突の数値シミュレーションを試みた。シミュレーション結果をもとに、クレーター形成における空隙率の影響について議論する。
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春山 純一
セッションID: P310
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
会議録・要旨集
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月の地質ユニットの噴出年代の推定には、クレータの崩壊度の情報が有用である。2006年度打ち上げ予定の月探査周回衛星SELENEには、二本の光学系により、月面解像度10mの隙間ないステレオ視データを取得する地形カメラが搭載される。地形カメラにより、これまでより詳細な月のクレータの崩壊度の調査が可能になると考えられる。これまでの試験結果等を踏まえ、地形カメラによって、月のクレータの崩壊度についてどのようにアプローチができ、またその際の問題や課題はどのようなものかを論ずる。
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門野 敏彦, 杉田 精司, 松井 孝典
セッションID: P311
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
会議録・要旨集
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東京大学の15Jガラスレーザーを使ってシート状の飛翔体を加速する装置を開発した。レーザー強度の関数として飛翔体速度を計測した。また、これを用いてエンスタタイト結晶のユゴニオ状態方程式データを取得した。
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岡田 達明, 長谷部 信行, 加藤 學, Grande Manuel, Dunkin Sarah K., Muinonen Karri, d ...
セッションID: P312
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
会議録・要旨集
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日欧協力で行う水星探査計画「ベピ・コロンボ(Bepi Colombo)」での水星表面全域の主要元素組成、放射性元素存在度をX線およびγ線分光観測によって調べることを提案しており、その科学目標のと現在検討している観測機器の概要を紹介する。X線分光計(MIXS)はX線検出器に、GaAs検出器とASIC化した読み出し回路を合体させた新規開発の検出器を用いる。γ線分光計(MANGA)は高いエネルギー分解能の実現を狙って、小型小電力タイプのスターリング冷凍機を実装してGe検出器を用いることを提案中である。
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関口 朋彦, 高遠 徳尚, 宮坂 正大, ブディ デルマワン, 渡部 潤一
セッションID: P313
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
会議録・要旨集
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不活動彗星核C/2002CE10の可視・近赤外線・中間赤外線(BVRIJHKNQバンド)での多色測光観測および分光観測を行った。解析の結果、可視太陽光反射特性では彗星核や遠方小惑星に多いD型に分類された。また熱放射の測定によってアルベドは0.02と求まり、太陽系天体の中でももっとも暗い天体であった。近赤外線のKバンドの分光結果においてH2O氷の吸収は見られず、可視の分光観測において顕著な分子輝線は検出されず、彗星コマをまとわない、これまでで活動度のもっとも小さい彗星核であった。C/2002CE10は小惑星に極めて近い性質を持つ彗星核であることがわかった。彗星と小惑星の進化とつながりを知る上で貴重な天体である。
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玄田 英典
セッションID: P314
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
会議録・要旨集
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惑星形成直後における太陽紫外線の吸収による大気の流体的散逸に注目をする。従来の研究は、時間項を落とした流体方程式から定常解を求める方法が主流であった。しかし、複数の気体成分、紫外吸収の波長依存、赤外放射冷却等々を考慮すると、従来の方法では限界がある。そこで、原点にもどり、時間発展の流体方程式を直接数値計算し、定常解を求める計算コードを開発した。講演ではその初歩的な計算結果も発表する。
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茅原 弘毅, 小池 千代枝, 土山 明
セッションID: P315
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
会議録・要旨集
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天然と合成の試料を用いて、斜長石の赤外吸収スペクトルを測定した。 試料の化学組成に依存する系統的なスペクトルの変化が認められた。 赤外線天体観測データとの比較により、酸素星の星周環境におけるダストの形成プロセスを議論する。
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谷内 俊範, 古池 敏行, 金子 竹男, 高野 淑識, 宮川 伸, 矢守 章, 小林 憲正
セッションID: P316
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
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土星最大の衛星であるタイタンは、大気中に主成分の窒素・メタンの他、様々な炭化水素やニトリル及び複雑な有機物からなるミスト(tholin)が存在することが知られている。本研究ではタイタン地表でのエネルギーとして最も重要と考えられる宇宙線の、タイタンの化学進化における効果を調べるため、メタン・窒素の混合ガスへの高エネルギー陽子線の照射を行い、その生成物の分析を行った。宇宙線により生成した複雑なtholinと彗星などからの水の相互作用で、アミノ酸が生成することが示唆された。
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原田 雄司, 栗田 敬
セッションID: P317
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
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エウロパの非同期回転による粘弾性変形の計算を行なった。その計算に基づいて回転周期と氷殻の粘性の解を調べた。これらの解は既存の制約を満足し、リニアメントの方位と調和的な潮汐応力場を説明し得る。解の範囲は回転周期について100万年から1億年、氷殻の粘性について10
21Pa.sから10
23Pa.sであった。
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斎藤 靖之, 吉田 信介, 田中 智, 水谷 仁
セッションID: P318
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
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レゴリスの熱物性は、月や小惑星のような高真空の環境下において、ほぼ温度と空隙率の二つの状態によって支配されているとみなすことが出来る。レゴリスの粒径が一定であると仮定し、月レゴリスの熱モデルを作り、表面温度の時間依存性と深さ方向の温度プロファイルを計算した。その結果、この輻射の寄与を取り入れた場合、深さ数cmでの温度が約250 Kから最大で300 Kまで変化する可能性があることがわかった。本研究ではレーダー観測による表面温度の測定結果が、どのようなレゴリスの状態を反映しているものかを議論する。
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平岡 賢介, 中村 昭子
セッションID: P319
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
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過去に行った模擬凍土層へのクレーター形成の実験的研究結果として、質量岩石含有率50%までは岩石含有率の増加とともに形成されるクレーターの体積が小さくなることが示されている。二次クレーターは、衝突速度が低速でかつ衝突物も小さいために小規模となり、ターゲットの強度が支配的な衝突過程である。そこで、室内実験の結果が適応できると考えられる。本研究では、Mars Odysseyによる熱外中性子の輻射の観測によって得られた火星表面の水氷の分布と、火星二次クレーターのサイズ頻度分布が調和的であるかどうかを調べ、二次クレーターのサイズ頻度分布が水氷の分布の指標となるかを議論する。
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大朝 由美子, 菊地 信弘
セッションID: P320
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
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将来想定される系外地球型惑星探査のケーススタディとして、雲の全球分布を含む大気大循環モデルを利用した、放射対流平衡計算及び大気放射伝達計算によって、原始_から_現在における様々な状況下での地球型惑星についての全球赤外放射スペクトルを求め、それらのスペクトルの違いなどから、生命存在の兆候となる大気微量成分の観測可能性について検討する。
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寺元 啓介, 矢野 創
セッションID: P321
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
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本研究は地上で行われている弾性波探査の小惑星への転用を考え、小惑星レゴリス物質を模擬した粉粒体中の弾性波に対する基本的な挙動を理解することを目的としている。今回、平均粒径が40 μmから220 μmのガラスビーズの模擬レゴリス中で音速を測定したところ粒径に依存することがわかった。この結果は同様の測定を小惑星上で行うことで粒径分布が見える可能性を示唆している。
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野田 寛大, 花田 英夫
セッションID: P322
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
会議録・要旨集
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国立天文台RISE推進室ではSELENEの次のミッションとして月面天測望遠鏡を提案している。写真天頂儀を月面に置き、星の軌跡を撮像することにより月の回転を測り、月の内部構造を推定することが目標である。月面では熱環境が厳しいためこれまで実験等で熱の解析を行ってきた。本講演では前回の発表に引き続き計算機による熱解析の結果を発表する。
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中村 吉宏, 浅田 章大, 浦川 聖太郎, 岡田 靖彦, 野村 英子, 向井 正
セッションID: P323
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
会議録・要旨集
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彗星のダストに含まれるシリケイトのスペクトルを解析することで種類、状態、ダストのサイズを推測できる。ダストは球形粒子であると仮定されるが、ここでは不規則形状のダストのスペクトルがどのように寄与するのかを解析した。不規則な形状の粒子にはフラクタル粒子を用いた。解析の手法は、球形粒子にはMie theoryを、フラクタル粒子にはDDA codeを用いた。粒径が小さいと球形粒子、フラクタル粒子ともピークが見られるが、粒径が大きくなると球形粒子ではピークが見えなくなるが、フラクタル粒子でははっきりとしたピークが見られた。
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野村 英子, 浅田 章大, 浦川 聖太郎, 岡田 靖彦, 中村 吉宏, 向井 正
セッションID: P324
発行日: 2004年
公開日: 2004/12/21
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原始惑星系円盤の温度構造は、円盤内ダストによる中心星からの放射の吸収、再放射により決定される。従って、円盤構造ひいては円盤内惑星形成は、円盤内ダストの性質に依存する。本研究では、円盤内ダストの形状が円盤の温度構造、SEDに及ぼす影響を調べた。その結果、ダストサイズが 3μmのとき、不規則形状ダストから成る円盤は球形ダストの場合に比べ、特に円盤上層部でより高温となった。これに伴い、前者の放射フラックスは後者のものより強い値が得られた。これは、不規則形状ダストは中心星からの放射をより効率的に吸収する為である。
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