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石井 徹之, 宮本 英昭, 佐々木 晶, 田近 英一
セッションID: 1431
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
会議録・要旨集
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近年における火星探査によって,火星の中緯度地域において,氷に富んでいると思われる堆積物(氷河堆積物)が流動したような地形が多く発見されている.本研究では,氷河堆積物の温度を自転軸傾斜角の変動や斜面の効果を考慮したモデルにより計算し,氷河堆積物の厚さを仮定することによって(数十m),1次元層流モデルを用いて流動速度を推定する.そして,氷河堆積物の形成年代と流動速度により,氷河堆積物を構成する氷の結晶粒径を制約することを試みる.
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原田 雄司, 日置 幸介
セッションID: 1432
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
会議録・要旨集
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火星における気候摩擦による自転傾斜の永年変動について算出した。その際に、火星内部を地殻・マントル・核からなる三層構造と仮定して、各層の粘性をパラメーターとして取り扱う事により、粘性構造が永年変動に与える影響について検討した。その結果として得られた主な知見は次の二点である。一つは、「有限の粘性の」地殻・「固体の」核を考慮すると、気候摩擦の影響が大きくなるという点である。もう一つは、「不均質な粘性構造の」マントルを考慮すると、気候摩擦が大きな影響を及ぼす可能性が広がるという点である。
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大島 智洋, 栗田 敬
セッションID: 1433
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
会議録・要旨集
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小規模火山であるCeraunius TholusをMOC高解像度画像を用いて観察すると、斜面上に特徴的なクレーターを多数確認できる。それらは径数十mオーダーのクレーターにteardrop型の高まり地形が隣接し、オタマジャクシのような形状に類似していることから、ここでは仮に“Tadpole”craterと呼ぶ。これらの分布や尾の伸びる方向・形態などについて地形的なデータより成因を考察する。 尾の伸びる方向は、概してカルデラから放射状に伸びる傾向がある。尾の形態は、流体の侵食作用を示唆している。それらの成因を地形的なデータより考察する。
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伊藤 紗葵
セッションID: 1434
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
会議録・要旨集
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火星では数億年前まで火山活動が活発であったと言われ、その活動の大半が北半球に集中している。過去の研究として溶岩流の分類や、噴火形態の予想なども行われてきた。しかし画像解像度などの制約や、背景地形の傾斜などに十分なデータが得ることができなかったところを、現在扱える高解像度の画像や高度データを用いることによってより発展した研究が可能となった。本研究では溶岩流の形態に着目し溶岩流の特徴、違いなどをパラメーターの違いによって比較、考察する。
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小林 儀匡, 小河 正基
セッションID: 1435
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
会議録・要旨集
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火星の熱史と火成活動の空間分布の特徴を単一のモデルで説明することを最終目的とし、火成活動・マントル対流結合系モデルを用いた数値実験を行った。まず最初に、粘性率が温度に依存する熱対流の数値実験を行い、火星のリソスフェアは過去数十億年間目立った対流運動していないという事実を再現できるような、粘性率の温度依存性の強さを求めた。その上で火成活動の効果を加え、実際に火星の熱化学的進化のシミュレーションを行った。本発表ではそれらの結果について報告する。
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青井 一紘, 鍵谷 将人, 植戸 秀好, 森岡 昭, 岡野 章一
セッションID: 1436
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
会議録・要旨集
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本発表では国立天文台岡山天体物理観測所において188cm反射望遠鏡と高分散エッシェル型分光器(HIDES)を用いて観測された様々なイオ位相角(地球から見たイオの木星に対する位置角)における木星衛星イオから放出されるナトリウム原子の速度分布を報告するとともに、イオからイオコロナを経て木星磁気圏内へと分布する中でのナトリウム原子の放出速度の空間分布について論ずる。また、これらの分布が示唆するナトリウム原子の放出メカニズムについても、モンテカルロ法を用いた計算機シミュレーションから得られたナトリウム原子の速度分布モデルと比較し考察する予定である。
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谷内 俊範, 金子 竹男, 高野 淑識, 小林 憲正
セッションID: 1437
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
会議録・要旨集
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タイタンは、窒素を主成分とし、副成分にメタンを含む1.5気圧の大気を持ち、また複雑な有機物(tholin)の存在が知られている。探査機ホイヘンスによって、地表における氷の水や液体のメタンの存在が示唆されている。タイタンにおける宇宙線の働きを見るために、メタンと窒素の混合気体に3MeV陽子線を照射した。生成物を加水分解するとアミノ酸が生成した。そのD/L比は1で、同位体を用いた実験からもアミノ酸の無生物的生成が確認された。質量分析から分子量が最大1700で低分子量領域からは14刻みのマススペクトルが得られた。
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玄田 英典, 生駒 大洋
セッションID: 1438
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
会議録・要旨集
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地球の海の起源を解明する際に、D/Hが重要な制約として議論される。しかし、その議論では地球に水をもたらしたソースのD/Hが海の形成時やその後の進化の間に不変であることを前提としている。本講演では、水素に富む原始大気中で海が形成され、その後、大気中の水素が散逸した場合、海のD/Hが2~7倍程度高くなることを示す。初期地球には、相当量の水素分子が存在していたはずである。例えば、金属FeによるH2Oの還元で大量の水素が作られる。また、そもそも原始地球がネビュラ中で形成した場合、水素を多く含むネビュラガス(H2)を重力的に捕獲する。
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石原 吉明, 田中 聡
セッションID: 1439
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
会議録・要旨集
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大火球や隕石落下にともない衝撃波が励起されることが知られている。衝撃波記録は、光学観測データとは独立に落下経路や、流星物質の大きさの推定が可能であり、非常に重要である。2005年3月1日(中部)、3月6日(九州)、3月20日(北関東)の3個の大火球が出現し、3月1日(中部)3月20日(北関東)の2火球について、高感度微小地震観測網の多数の観測点において、衝撃波により励起された地動シグナルが明瞭に記録された。本研究では、上記の2例の火球について、衝撃波シグナルの解析結果について報告する。
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中村 吉宏, 岡田 靖彦, 野村 英子, 浅田 章大, 浦川 聖太郎, 向井 正
セッションID: 1440
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
会議録・要旨集
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ダストの熱放射スペクトルを塵モデルで計算する。モデルは球形粒子と、BPCA粒子(不規則形状塵)を用いた。球形粒子のスペクトルの導出にはMie theoryを用い、BPCA粒子ではDDA codeを用いた。彗星や原始惑星系円盤の観測結果と比較しスペクトル形状からダストの成分や形状、質量を推測する。球形粒子ではサイズが大きくなると波長10μm付近のシリケイトフィーチャーが無くなるが、同質量のBPCA粒子ではフィーチャーは残る。
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野村 英子, 中川 義次
セッションID: 1441
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
会議録・要旨集
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原始惑星系円盤内ダスト粒子のサイズ成長、円盤赤道面への沈殿は、惑星形成に繋がる重要な過程である。一方円盤内には、磁気回転、熱対流不安定性等に起因される、大域的な乱流領域が存在し、ダスト成長・沈殿過程に影響を及ぼすと考えられる。本研究ではダスト合体成長方程式を解くことにより、特にダストサイズ成長・沈殿の時間尺度、ダストサイズの進化に着目し、円盤全体が静的な場合、乱流状態にある場合の原始惑星系円盤内ダスト粒子の成長・沈殿過程について考察した。
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城野 信一
セッションID: 1442
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
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コンドリュール形成モデルの一つ, 「衝撃波加熱モデル」が昨今注目を集めている. このモデルでは, コンドリュール前駆体が衝撃波に突入した際に生じるガスとの摩擦熱で前駆体を熔融させてコンドリュールを作る. コンドリュール前駆体がダスト微粒子のアグリゲイトであったとすると前駆体は衝撃波突入時に破壊されてしまうのではないか? そこでダストアグリゲイトの引張強度を解析的に見積もった. その結果, 衝撃波前面における温度上昇によって焼結が進行し, 焼結の度合が小さい時には引張強度が低下することがわかった.
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浅田 章大, 浦川 聖太郎, 岡田 靖彦, 中村 吉宏, 野村 英子, 向井 正
セッションID: 1443
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
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近年の観測結果から、彗星のダストトレイルには、mmサイズの非球形ダストが存在している。本研究では、ダストトレイルに含まれるようなmmサイズの不規則形状集合ダストについて、光学特性を理論的に推定する。シリケートやカーボンを構成鉱物として考え、集合ダストを構成する個々の粒子をsub-mmサイズとする。その結果、レイトレーシング(光線追跡法)が適用できる。集合ダストの光学特性を求め、さらに、吸収と放射の平衡状態を考えることにより、mmサイズの集合ダストの平衡温度を導出した。
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伊藤 一洋, 土`山 明
セッションID: 1444
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
会議録・要旨集
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我々は凝縮に伴う同位体質量分別の挙動を知ることを最終目的として、金属鉄の凝縮実験を行っている。アルミナあるいはムライトの一端閉じ管の底に金属鉄粉末を入れ、真空凝縮蒸発炉の最高温部で蒸発させ、炉の温度勾配に沿った容器壁に鉄蒸気を再凝縮させることによって、様々な温度で凝縮物を得た。それをSEM/EDXで観察・分析すると温度の関数として金属鉄粒子の形態変化が確認できた。形態と結晶構造との関係などを調べることにより、このような形態変化がどのようにして形成されたのか議論したい。
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山本 征生, 中村 智樹, 野口 高明, 岡崎 隆司
セッションID: 1445
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
会議録・要旨集
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水質変質は含水微惑星内で最初に起こったと反応であると考えられており、微惑星物質に与える影響を知ることは、太陽系初期の物質進化過程を解明する上で重要である。本研究ではNingqiang炭素質コンドライトを水質変質させ、鉱物、希ガス組成の変化を調べた級A水質変質の初期段階において無水珪酸塩が含水珪酸塩に変化し、原始成分希ガスの大部分が失われることがわかった。
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中村 貴裕, 杉浦 直治, 木村 眞, 宮崎 明子
セッションID: 1446
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
会議録・要旨集
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本研究では、従来のcorundum抽出法である化学処理を用いずに、カソードルミネッセンス法によって始源的炭素質コンドライトであるAcfer094のmatrixから効率的にsolar起源のcorundumとcorundum-hiboniteを発見する事ができました。発見した粒子の中のcorundumのみからなるaggregateの存在を説明するためには、ブラウン運動やダストの沈降や乱流による効果では説明できずに、より大きな相対速度をうむプロセスが必要である事がわかりました。
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佐伯 和人
セッションID: 1447
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
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顕微鏡下で岩石を加熱熔融して状態を観察できる加熱ステージを開発した。市販の加熱ステージに対して本研究のステージが勝っている点は,雰囲気制御ができる点と,透過照明で観察ができる点である.惑星内部と同じ酸化還元雰囲気が再現できることで,金属鉄を含む試料で実験をすることが可能となる.加熱ステージシステムの概要と珪酸塩メルトの物性測定を中心とした惑星地質学研究への応用例を紹介する。
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豊田 英里, 松山 浩子, 浦川 聖太郎, 木村 真二, 大朝 由美子, 伊藤 洋一, 佐藤 文衛, 向井 正
セッションID: 1448
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
会議録・要旨集
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我々は、連星系における惑星形成の理解を目的として、2003年度から岡山天体物理観測所の高分散分光器HIDESを用いて、実視連星系の系外惑星探査を行なってきた。これまでに、連星系をなす19天体について1~2ヶ月に1回程度のペースで視線速度変化をモニターし、変化量が大きい天体を3天体同定した。これらについては、2004年度秋季講演会でも経過を報告したが、その後も継続した観測を行ない、計2年分のデータを取得するに至った。今回は、これら全データを用いて視線速度変化の原因、2年以下の周期性の有無等について議論する。
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木村 真二, 藤田 健太, 石隈 慎一郎, 白岩 真弥, 豊田 英里, 浦川 聖太郎, 佐藤 文衛, 伊藤 洋一, 時政 典孝, 向井 正
セッションID: 1449
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
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1995年に初めて我々の太陽以外の恒星の周りを回る惑星、太陽系外惑星が発見されて以来、その数は現在までに160個に達している。太陽系外惑星の検出方法はいくつかあるが代表的なものとしては、ドップラーシフト法とトランジット法がある。我々はすばる望遠鏡でのドップラーシフト法による観測から視線速度に変化の見られる天体を、西はりま60cm望遠鏡を用いて観測し、トランジットの検出を試みている。今回は、西はりまでの観測においてトランジット検出に十分な測光精度を得られたことを報告し、さらにいくつかの天体の観測・解析結果を示す。
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山城 かすみ, 井田 茂
セッションID: 1450
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
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M型星(低質量星)の周りのHabitable Zone付近における地球型 惑星の形成について、微惑星から惑星までの集積過程をN体計算した。M型星はG型星に比べてluminosityが低いのでHabitable Zoneは0.1AU付近に位置し、そのような中心星に近い場所での地球型惑星形成の振る舞いはG型星のHabitable Zoneにおける場合とは大きく異なる。
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大朝 由美子, 菊地 信弘
セッションID: 1451
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
会議録・要旨集
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地球大気の化学平衡及び放射対流平衡計算を行い、酸素量及び太陽光度に応じた進化段階の異なる地球型惑星の大気モデルを作成し、進化に伴う様々な状況下での地球型惑星についての全球赤外放射スペクトルと自転に伴う光度変化を求めた。これに基づき、生命を持つ系外地球型惑星の探査のケーススタディーとして、地球大気の化学進化とそれに伴う赤外スペクトルの特徴について調べた。
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和田 桂一, 小久保 英一郎, 牧野 淳一郎
セッションID: 1452
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
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「巨大衝突仮説」の拠り所の一つとなっているのが、CanupらによるSPH法を用いた一連の数値実験である。しかし、これらの計算には有効空間分解能が円盤の半径程度しかないという深刻な問題がある。今回、我々は高精度の3次元Euler-Mesh数値流体コードを用いて、巨大衝突仮説の再検証を行った。しかし、衝突で形成される円盤から予想される月質量は数日のタイムスケールで急激に減少し、このモデルでは現在の月を形成することは極めて困難であることがわかった。これを避けるためには、円盤内で圧力がほとんど効かないという状態方程式に従う必要がある。
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佐藤 広幸, 栗田 敬, 増山 梓
セッションID: 1501
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
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Marineris渓谷周辺に見られる大規模な地滑りは,地球の陸上における地すべりに比べると落差に比べて先端到達距離が異常に長い.何が移動距離の超過を招いているのか,という点に注目し,本研究ではDEM(Desclete Element Model)を用いて,重力,粒子数をパラメタとして振った数値シュミレーションを行った.今回はその途中経過を説明し,火星の地すべり解析における問題点の整理を行う.
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小高 正嗣, 北守 太一, 杉山 耕一朗, 中島 健介, 高橋 芳幸, 石渡 正樹, 林 祥介
セッションID: 1502
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
会議録・要旨集
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大気主成分が凝結する火星大気湿潤対流のための定式化の検討を行った. CO
2 の過飽和度が小さい場合, または凝結の時間スケールが音速で決まる時間スケールに比べ長い場合には, 連続の式を修正した準圧縮方程式系を用いることが可能である. この定式化に基づく非静力学モデルを新たに開発し, 定常な熱強制を与えた場合の火星大気湿潤対流の様子を調べた.
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光田 千紘, 横畠 徳太, 倉本 圭
セッションID: 1503
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
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初期の火星はCO
2氷雲の散乱温室効果によって温暖湿潤であった可能性が提案されているが, 雲は強い赤外加熱を受け蒸発する可能性がある. 本研究では温暖なCO
2-H
2O大気における雲の安定性を雲粒の質量収支より検討した. 結果, 大気圧が1気圧以上の場合, 凝結核面数密度が~1010 m-2であれば雲が安定に存在でき, さらに雲の粒径変化と凝結率の負のフィードバックが温暖な気候を安定化させる可能性を示唆した.
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田中 今日子, 山本 哲生, 渡邊 誠一郎, 中島 健介
セッションID: 1504
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
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雲の被雲率や雲水量は大気中のエネルギー輸送を通じて地表面温度に大きく影響する. 雲による地表面環境へのフィードバック機構を明らかにするためには,まず雲の環境に対する依存性を明らかにすることが重要である.本研究ではいくつかの単純な仮定のもとで雲の被雲率とや雲水量を解析的に表現できる雲モデルを構築した.我々の結果は雲粒,及び雨は大気の上昇流により作られるが,雲の被雲率や雲水量は上昇流だけでは決まらず,むしろ下降流領域に流れ出した雲粒が水平方向に張り出すことにより決定することを示す.
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中島 健介, 石渡 正樹, 竹広 真一, 林 祥介
セッションID: 1505
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
会議録・要旨集
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タイタンの大気の対流雲の様相と大気地面間のメタン循環における位置づけを、簡単な雲物理過程を含む流体力学数値モデルを用いて調べる。モデルには放射冷却と地面からの熱とメタンの供給を与えて長時間の数値実験を行う。その結果、下層の湿度の観測値を説明するには、タイタンの地面は相当に乾燥していること、その場合でも雲活動は活発であるが、下層で大部分の雨が蒸発し、地面への降水量は少ないこと、等がわかった。
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中神 雄一, 倉本 圭
セッションID: 1506
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
会議録・要旨集
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原始タイタンは土星系 subnebula 起源の H
2 を捕獲し, 数百気圧に達する原始 H
2 大気をを保持していた可能性がある. この原始大気は subnebula の消失に伴い, 大気上端の圧力が低下するにしたがって流出したはずである。本研究では太陽風モデルと同様の流体数値モデルを構築し大気の流出を解いた. 大気の上端で subnebula の密度を一桁落した時には数百年でほぼ全ての大気が消失する大気流出が起こり得る. このような大規模な流出が, 残存する大気の組成に与える影響についても検討を行う.
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倉橋 映里香, 木多 紀子, 永原 裕子, 森下 祐一
セッションID: 2101
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
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普通コンドライトと炭素質コンドライトにおいて,コンドリュールの化学組成,酸素同位体組成等に多様性が見られる.
26Al形成年代測定により,両コンドライトのコンドリュールは初期太陽系において同時期に形成したことがわかっており,上記の多様性は形成環境の違いを示唆している可能性が高い.そこで,コンドリュールの組織,組成,累帯構造,金属鉄において系統的な比較を行い,コンドリュール形成環境の相違を検討する.
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上椙 真之, 赤木 剛, 関谷 実, 中村 智樹
セッションID: 2102
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
会議録・要旨集
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隕石の主要構成要素である球粒物質、コンドリュールの形成過程および熱源に関しては、100年以上も議論が続いているにもかかわらず未だに解明されていない。本発表ではコンドリュールが複数複合している構造を持つ複合コンドリュールについて、その形成条件からコンドリュールの形成環境を調べた結果について報告する
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保田 誠司, 中本 泰史
セッションID: 2103
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
会議録・要旨集
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コンドリュール形成の有力なモデルである衝撃波加熱モデルでは、ダストはガス摩擦による加熱を受けるため表面から溶融しはじめる(部分的溶融)事が考えられる。Kato et al. (2005)はこのことに着目しダスト溶融部のガス流による剥ぎ取りを考慮した研究を行った。本研究では、上記の研究で仮定された部分溶融状態が実現するかを熱伝導方程式を数値的に解くことで調べた。その結果、部分的溶融状態が実現する事、また複数の構造が混在するコンドリュールが見られないという条件のもとで約1mm以上のダストでは剥ぎ取りが重要である事がわかった。
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三浦 均, 中本 泰史
セッションID: 2104
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
会議録・要旨集
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コンドリュールの3次元形状測定により,コンドリュールは完全な球ではなく,球からわずかにずれた形状のものが多く存在することが分かってきた.一方,衝撃波加熱モデルの場合,融解したダスト粒子は高速ガス流の中にさらされ,ガス動圧やコンドリュール自身の回転によって変形することが期待される.我々は,高速ガス流にさらされた融解ダストのダイナミクスを3次元数値流体計算を行なうことにより明らかにした.
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中島 瑠美, 土’山 明, 佐伯 和人
セッションID: 2105
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
会議録・要旨集
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X線CT装置を用いた3次元構造の研究から、コンドリュール中に少量(3 vol.%以下)であるが普遍的な空隙の存在が確認されており、この空隙もコンドリュールを構成する重要な要素であると考えることができる。本研究では、コンドリュール中の空隙の生成条件を明らかにするためにその再現実験を1atm下で行った。X線CT装置を用いて3次元構造の観察をおこない、画像処理の後、空隙率、空隙の連結度、数密度、3次元形状、サイズ分布を求めた。出発物質の部分溶融度によって分布パターンが異なり、溶融度の低いサンプルは指数分布、高いサンプルはべき分布を示した。
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小林 憲正, 鈴木 宣成, 谷内 俊範, 金子 竹男, 吉田 聡, 高野 淑識
セッションID: 2106
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
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模擬星間物質に陽子線または重粒子線を照射した時に生成する有機物のキャラクタリゼーションを行い,その生命の誕生における役割について考察した。メタノール・アンモニア・水の混合物を室温(液体)あるいは77K(固体)で重粒子線照射した場合,生成物の分子量はともに約2300で,加水分解するとほぼ同じエネルギー収率でアミノ酸を与えた。このことは,星間空間で宇宙線の作用により生じる有機物が極めて複雑な構造を有し,生体有機物の前駆体を含むことを示唆する。
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土山 明, 野口 高明, 中村 智樹, 中野 司, 上杉 健太朗
セッションID: 2201
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
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マイクロトモグラフィーにより超炭素質微隕石の3次元構造を明らかにした。CT撮影はSPring-8のBL47XUにおいて、FeのK吸収端直前直後のエネルギーを含む複数の単色光を用いておこなった(画素サイズ:0.195ミクロン)。含水超炭素質微隕石では、炭素質物質に富む部分がマグネタイトに富むコアを包み込んでいる。無水超炭素質微隕石はポーラスで、炭素質物質はおそらくおそらくこの部分に含まれている。Fe吸収端を利用したFe濃度差分CT像からは、大きな結晶はポーラスな部分に比べて、Feに乏しいことがわかった。
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岡崎 隆秀, 土`山 明, 矢野 創, 中野 司, 上杉 健太郎, 野口 高明, 奥平 恭子, McDonnell J.A.M.
セッションID: 2202
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
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1992年から93年にかけて、地球低周回軌道を飛んだEuReCaに搭載されたエアロジェルによって回収されたサンプル3つに対して、SPring-8 (BL47XU) でX線CT撮影を行い、定量的なCT像を得た(有効空間分解能:約1μm)。各サンプルに対して鉄のK吸収端の直上・直下のエネルギーで撮影し、その2つの画像の差分像を作ることでサンプル中の鉄の分布を調べた(差分法)。さらに衝突痕および、凝縮したエアロジェル、捕獲したサンプル分布の3次元構造を抽出した。本研究は今後のStardust サンプルへの応用が可能である。
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三浦 保範
セッションID: 2203
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
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球粒の詳細な形成過程の解明に必要な実際の炭素球粒の試料の回収と主なバルクの組成や組織の研究を4種類の地球・隕石・人工衝突試料で解明した。衝突 炭素(約90%)球粒は、共存元素などの検討から、ターゲット岩石の衝突蒸発起源と考えられる。古生代ペルム紀末期の地質境界の赤色粘土層から回収された炭素球粒は、衝突したターゲット物質Tから主に供給されている。秋吉台地下掘削試料赤褐色層にみられる炭素球粒状物質は、衝突位置から離れて微量元素を含むと説明できる。
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千秋 博紀, 松井 孝典
セッションID: 2204
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
会議録・要旨集
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原始太陽系円盤内で形成された微惑星の、熱的、構造的進化を求める数値コードを開発し、様々なパラメタセットでの計算を行った。このモデルでは、熱源としての単寿命放射性核種、浸透流による金属とシリケイトの分離、微惑星内部で焼結が進み空隙率が変化する効果を考慮されている。本講演では、我々のモデルによって得られた微惑星中のコアの形成条件を、微惑星のサイズ、初期組成、集積時間が与える影響に注目して議論する予定である。
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小久保 英一郎, 小南 淳子, 井田 茂
セッションID: 2205
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
会議録・要旨集
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地球型惑星形成の最終段階を、多数の多体シミュレーションを行なうことによって統計的に明らかにする。寡占的成長により形成された原始惑星系を初期条件とし、初期条件を系統的に変化させて、形成される地球型惑星系の構造の初期条件依存性を調べる。原始惑星系から形成される地球型惑星系の統計的性質を定量的に示し、簡単な形成モデルを提示する。
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町田 亮介, 阿部 豊
セッションID: 2206
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
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最近の研究 (Chiang & Goldreich, 1997; Chiang et al., 2002) によると、微惑星形成段階では原始太陽系円盤は光学的に厚いため、地球型惑星形成領域においても氷が存在可能な低温に保たれることが示唆される。このとき、地球型惑星形成領域において氷を主成分とした微惑星が形成されるはずである。本研究では、これらの氷微惑星の進化を考え、微惑星からどの程度の量の水が地球型惑星に供給されるのかについて検討する。
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樋山 克明, 倉本 圭
セッションID: 2301
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
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ガリレオ衛星の原材料物質は酸化的な化学組成になっていた可能性があり,コアやマントルの組成にはこれらの酸化的物質が考えられる.本研究では酸化的な物質を考慮に入れたイオの組成と熱的状態について考察した.酸化的な原材料物質を考えると,イオの地殻に MgSO
4 が大量に存在するモデルが得られた.木星系 subnebula 内での平衡を考えたときの原材料物質としての MgSO
4の存在条件と,イオ内部の温度構造を考えたときの構成物質としての MgSO
4 の存在条件を検討する.
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木村 淳, 栗田 敬
セッションID: 2302
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
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木星の衛星ガニメデは,太陽系でただひとつ大規模な固有磁場を持った衛星であり,金属コアでのダイナモ運動が固有磁場の起源と考えられている.しかしガニメデが現在もコアにおいてダイナモを駆動できるだけの熱的状態にあるかどうかは明らかではない.また衛星エウロパの岩石コアもガニメデのそれと同程度のサイズを持つが,ダイナモ起源の固有磁場は確認されていない.本研究ではガニメデ内部の熱史シミュレーションを行い,内部各層の量比を慣性能率の範囲でパラメータとして金属コアがダイナモを駆動できる内部構造条件を調べた.
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堀 久美子, 吉田 茂生
セッションID: 2303
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
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近年のMHDダイナモ計算によって解決できていない問題の一つに,小スケール磁場から大スケール磁場がどのように生成するかという問題がある.通常は,誘導起電力を局所瞬間α効果で近似し,解釈される.しかし,この近似が適切かは実は明らかでない.そこで私たちは,ある定常流れによるダイナモ問題で,誘導起電力の振る舞いを調べた.その結果,地球のコアでは,局所瞬間α効果でなく,誘電気電力の非局所的で時間遅れをもった効果が重要であり,この効果によって局所瞬間近似によるものより強い磁場が生成されることがわかった.
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生駒 大洋, ギオ トリスタン
セッションID: 2304
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
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太陽系の巨大氷惑星(天王星と海王星)の熱進化を議論する。既存の熱進化モデルは、初期条件として惑星が非常に低温であることを要求している。これは集積モデルと矛盾する。その原因の一つは、初期の惑星内部の温度分布を非常に単純化していることである。そこで、集積時に氷惑星に供給される熱を考慮して熱進化モデルを再構築した。
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奥地 拓生, シュウ ジンフウ, マオ ホー, ヘムレイ ラッセル
セッションID: 2305
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
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水素分子を水分子とのモル比で1:1まで含むことができる、新種の氷、"filled ice"について発表する。この氷は高圧力下でのみ安定であるが、その安定領域は幅広く、氷衛星内部から巨大惑星の深層にまで及ぶ。そのダイアモンドアンビルセルを用いた合成と、高圧その場NMRによる、水素分子運動の解析について述べる。
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小嶋 稔
セッションID: 2306
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
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コンドライト、エコンドライト、SNC隕石、月、地球の酸素同位体比データのBootstrap法による統計的考察から、これらの試料の酸素同位体比のバラツキはは、大局的に見て共通の母集団(ネブラ)からのランダム・サンプリングによると結論される。したがって地球と太陽は同じ酸素同位体比を持つ事が推測される。
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木村 宏, 山本 哲生, 千貝 健, コロコロバ ルッドゥミラ
セッションID: 3101
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
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彗星塵の形成進化を考慮して彗星塵の形状・物質をモデル化し、そのモデルから期待される光散乱・吸収・輻射特性と観測結果とを比較する。変成を受けていない彗星塵は、非結晶質ケイ酸塩コア・有機物マントルのサブミクロン粒子からなるD=2-3のフラクタル凝集体とモデル化する。可視光から赤外線波長領域における彗星塵の光散乱・吸収・輻射特性をこのモデルを用いて調べると、すべての観測結果をよく説明できることがわかった。
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猿楽 祐樹, 石黒 正晃, 三浦 直也, 臼井 文彦, 上野 宗孝
セッションID: 3102
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
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これまで彗星のコマ中のダストの光散乱特性についての研究は広く行われてきたが、彗星ダストトレイルを可視光で検出するのは難しく、ダストトレイル粒子の光散乱特性は明らかにされていない。 我々は2002年9月9日から2004年9月9日にかけて、東京大学木曽観測所1.05mシュミット望遠鏡、ハワイ大学2.24m望遠鏡を用いてエンケ彗星を観測した。 今回の観測から得られたエンケ彗星のダストトレイル粒子(1cm)の散乱位相関数は、彗星コマのダスト(数~数十μm)よりも彗星核の散乱位相関数に近いものであった。
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河北 秀世
セッションID: 3103
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
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渡部 潤一
セッションID: 3201
発行日: 2005年
公開日: 2006/07/24
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ディープ・インパクトにむけ、われわれは地上観測ネットワークを構築し、各地の天文台で様々な観測に当たった。国立天文台三鷹キャンパス50cm、岡山天体物理観測所50cm、東京大学木曽観測所105cmシュミット望遠鏡、西はりま天文台2m望遠鏡、小川村天文台60cm望遠鏡、また悪天候を鑑みて急遽、石垣島天文台予定地近くでの観測を行った。また台湾中央大学と共同でルーリン天文台1m望遠鏡において偏光撮像観測を、すばる望遠鏡では主に中間赤外線撮像および分光観測を、ケック望遠鏡では近赤外分光観測を行った。本講演では、これらの観測結果の概要を報告する。
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