目的:本研究の目的は,助産事故後も女性との関係を維持した開業助産師の語りから,助産師が助産事故から現在に至るまでどのように受け止めてきたのかを明らかにし,助産師支援の示唆を得ることである.
対象・方法:開業助産師4名を対象としたライフストーリー研究である.データ収集は,助産事故について詳細に語ってもらった.
結果:今も助産事故を引きずるA氏のライフストーリー,過失を犯した十字架を背負い生きると決意したB氏のライフストーリー,自分の甘さ弱さを認識し,事故の意味を問い続けるC氏のライフストーリー,事故直後から全てを受けとめ対応したD氏のライフストーリーが記述された.
考察:助産事故後も女性との関係を維持した開業助産師は,助産事故が,最善をつくしたものの助産診断や管理に甘さがあったことに起因していると受け止めていた.4名の助産師は有害事象の受け止めや受け入れるプロセスには相違があった.助産師にとって,加害的立場になったことの衝撃は危機的な状況と言え,女性やその夫との関係の維持や関係者の支えを感じ再生していった.事故後の対応として,所属職能団体などの支援体制を具体化するとともに助産師自らも助産事故を想定して,特に事故初期の対応モデルを構築する必要があることが示唆された.
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