医療の質・安全学会誌
Online ISSN : 1882-3254
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ISSN-L : 1881-3658
12 巻, 4 号
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論説
原著
  • 髙島 葉子, 塚本 康子, エルダトン サイモン
    2017 年12 巻4 号 p. 418-
    発行日: 2017年
    公開日: 2024/09/30
    ジャーナル フリー
    目的:本研究の目的は,助産事故後も女性との関係を維持した開業助産師の語りから,助産師が助産事故から現在に至るまでどのように受け止めてきたのかを明らかにし,助産師支援の示唆を得ることである. 対象・方法:開業助産師4名を対象としたライフストーリー研究である.データ収集は,助産事故について詳細に語ってもらった. 結果:今も助産事故を引きずるA氏のライフストーリー,過失を犯した十字架を背負い生きると決意したB氏のライフストーリー,自分の甘さ弱さを認識し,事故の意味を問い続けるC氏のライフストーリー,事故直後から全てを受けとめ対応したD氏のライフストーリーが記述された. 考察:助産事故後も女性との関係を維持した開業助産師は,助産事故が,最善をつくしたものの助産診断や管理に甘さがあったことに起因していると受け止めていた.4名の助産師は有害事象の受け止めや受け入れるプロセスには相違があった.助産師にとって,加害的立場になったことの衝撃は危機的な状況と言え,女性やその夫との関係の維持や関係者の支えを感じ再生していった.事故後の対応として,所属職能団体などの支援体制を具体化するとともに助産師自らも助産事故を想定して,特に事故初期の対応モデルを構築する必要があることが示唆された.
  • 長谷川 大悟, 若山 修一, 巻 直樹, 後藤 亮平, 柳 久子
    2017 年12 巻4 号 p. 436-
    発行日: 2017年
    公開日: 2024/09/30
    ジャーナル フリー
    目的:介護老人保健施設に勤務する職員に対して危険予知トレーニングを実施し,その効果を検証すること. 対象と方法:茨城県内にあるA介護老人保健施設に勤務する非常勤を含む全職員51名を対象とした.平成28年7月25日~30日の6日間のうち1回以上の参加を促し,介護現場のイラストを基にした危険予知トレーニングを60分間実施した.介入1ヶ月前,介入1ヶ月後,介入3ヶ月後において,自記式質問紙(Stanford /Patient Safety Center of Inquiry culture survey)を用いて職員の安全意識を調査した. 結果:51名中43名(84. 3%)が,少なくとも1回トレーニングに参加した.トレーニングに参加し,3回の調査に協力した29名の結果を分析した.反復測定一元配置分散分析により,介入前後の安全意識を比較した結果,「総合スコア」と下位尺度の「自己意識」に有意な改善を認めた. 結論:介護老人保健施設において,危険予知トレーニングの実施することにより,安全に対する意識が向上する可能性が示唆された.
報告
  • 真砂 由紀代, 土屋 八千代
    2017 年12 巻4 号 p. 444-
    発行日: 2017年
    公開日: 2024/09/30
    ジャーナル フリー
    目的:看護職の月経状況の把握,周辺期の看護安全行動,セルフケア行動と看護安全行動との関係を明らかにする. 対象と方法:20~40歳代看護職410名を対象とした自記式質問紙調査.項目は属性,周辺期症状,セルフケア行動及び看護安全行動,エラーの起こりやすさの認識とし,分析は記述統計,関係性の検証は順位相関係数,平均値の差の検定,自由記述は類似項でカテゴリー化した. 結果:分析対象は248名.症状は痛み因子が高く,安全行動は周辺期が有意に低かった.エラーの起こりやすさを41%が認識,集中力との関係が多い.セルフケア行動の〈冷静に物事を考える〉〈意識して慎重に行動する〉と看護安全行動に正の相関を確認した. 結論:月経周辺期は看護安全行動が保ちにくい.セルフケア行動の周辺期対処と安全行動の全てに弱い相関がみられたことから,自己の状況に対処しセルフケア行動をとることが安全性の担保に繋がると考える.
  • 田中 和美, 浅尾 高行, 菊地 麻美, 徳嶺 譲芳, 太田 直哉, 永井 弥生, 荒川 浩一
    2017 年12 巻4 号 p. 454-
    発行日: 2017年
    公開日: 2024/09/30
    ジャーナル フリー
    中心静脈穿刺の致死的合併症を防ぐため,上級医のための超音波ガイド下中心静脈穿刺のシミュレーション・トレーニングを開発した.新しいトレーニング法の特徴は,①受講者が日常臨床で主に行っている穿刺部位での手技向上をトレーニングの目標とする.②穿刺モデルを「解剖学的に正常」なシミュレータと「解剖学的に偏位があり穿刺困難」なシミュレータの二種類用意し,段階を踏んでより高度な技術を習得できるように配慮する.③穿刺の成功・不成功を基準にしたアウトカム・ベースの評価を行う,という点にある. 新しいシミュレーション・トレーニングの考案により,セミナーを希望する診療科が増え,今までトレーニングを行えなかった上級医をハンズオン・セミナーに呼び込むことができるようになった.活動をさらに推進し,合併症率低下につなげたい.
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