医療の質・安全学会誌
Online ISSN : 1882-3254
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ISSN-L : 1881-3658
14 巻, 3 号
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特別寄稿
原著
  • 吉澤 伸介, 稲積 宏誠
    2019 年14 巻3 号 p. 285-298
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/12/28
    ジャーナル フリー
    医療現場ではさまざまなタイプの事故が存在するが,多くの事故は,過去に発生した事故との類似性が高い.過去に発生した事故に関する情報の共有が行われ,それらを有効活用することができれば,将来起こる可能性のある医療事故を未然に防ぐことが可能となるはずである.そこで共有すべき情報源としてインシデントレポートに着目し,そこから事故の原因,結果といった情報を機械的に抽出し,そして事象間の時間的な前後関係を利用しネットワーク図を作成した.このネットワーク図から得られる事故の因果関係を活用し事故のパターン化を行った.パターンを利用することにより発生する事象に対する対策や原因を助言してくれるような現場での活用可能なシステムの構築を目指す.前回までの取り組みはインシデントレポートの内容を把握して重要事象を定義.つぎに自然言語処理技術を用いてインシデントレポートの文脈から重要事象を抽出.そして抽出した事象の時間的な制約関係により原因,結果の特定を行った.この関係から事象間時間軸関係性ネットワーク図を作成した.本研究では,このネットワーク図を有効活用し原因の原因あるいは根本原因または結果の結果そして対策等などをネットワーク図から選出する.選出した因果関係から事故のパターン化を実施する.これにより得られた事故パターンから簡便に原因や対策等の抽出が可能となった.この手法を活用し事故の未然防止につなげるものである.
  • 前原 宏美, 前原 潤一, 宇野木 照代, 藤﨑 資子
    2019 年14 巻3 号 p. 299-305
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/12/28
    ジャーナル フリー
    目的:精神看護学実習で体験した看護学生の感情労働がアサーションと攻撃性の影響をどの程度受けるのかを検討することを目的とした.
    方法:精神看護学実習を終了した看護学生を対象に看護師の感情労働測定尺度(ELIN),Rathus Assertiveness Schedule日本語版(RAS-J),日本版Buss-Perry攻撃性質問紙(BAQ)を使用して質問紙調査を実施した.感情労働がアサーションと攻撃性の影響をどの程度受けるのかを検証するために共分散構造分析を実施した.共分散構造分析は,BAQを独立変数,ELINを従属変数,RAS-Jを媒介変数として設定した.
    結果:共分散構造分析の結果,RAS-Jは,ELINに正の直接効果を示した.BAQはELINに負の直接効果を示した.またBAQはRAS-Jに正の直接効果を示し,ELINに正の間接効果を示した.
    結論:学生の感情労働とアサーションの関係性が示された.また,学生の感情労働とアサーション,攻撃性の関係性が示された.
報告
  • 日比 聡, 友松 裕子, 伊奈 研次, 城川 優子, 南谷 健吾, 壁谷 めぐみ, 湯浅 周
    2019 年14 巻3 号 p. 306-311
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/12/28
    ジャーナル フリー
    名古屋記念病院では,2006年にがんに関する相談窓口として「がん相談支援センター」を開設した.当センターが広く患者に活用されるためには,職員がまず活動内容を熟知して,患者に利用を積極的に薦めていくことが大切である.今回,院内職員に当センターの活動を周知させることを目標に,PDCAサイクルを用いた取り組みを行った.最初に,周知率の現状を把握するため,院内職員を対象にイントラネットを用いてアンケート調査を行った.周知活動を行った後に同じ内容のアンケート調査を2回行い,計3回の周知率を比較した.初回の調査では,がん相談,患者・家族の集いの2項目の周知率は80%以上だったが,がんセカンドオピニオン外来などほかの4項目では39%~55%と低かった.しかしPDCAサイクルを回した後の調査で,回答率と同様にその4項目の院内周知率が有意に上昇した.PDCAサイクルを用いた啓発活動は,より確実な周知効果が期待できることが推測された.
  • 高砂 美和子, 近藤 智子, 幸田 恭治, 古川 裕之
    2019 年14 巻3 号 p. 312-317
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/12/28
    ジャーナル フリー
    目的:医薬品適正使用のための重要な情報の提供とそれに関する業務を一定水準で行うためのツールとして,「TO DO CARD」を作成し,その有用性について検討した.
    方法:TO DO CARDは,災害時の行動指標として使用されている「アクションカード」を参考に,医薬品適正使用に関して問題点等が生じた場合,当該事例に遭遇した薬剤師が作成した.作成したTO DO CARDの行動対象者及び目的の行動について,その傾向を分析した.
    結果・考察:TO DO CARDの行動対象者で最も多かったのは薬剤師であり,76.4%であった.目的の行動については,医薬品の管理に関する事項が54.5%と半数以上を占めていた.TO DO CARDをもとに行動することで,誰でも行うべきことを確実に行うことができ,その結果,医療安全の担保が可能になると考える.さらに,TO DO CARD は「伝える情報」としてだけではなく,「伝わる情報」にするツールとしても機能する可能性がある.
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