医療の質・安全学会誌
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17 巻, 1 号
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総説
  • 奥山 絢子, 武村 雪絵
    2022 年17 巻1 号 p. 3-15
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/10/31
    ジャーナル フリー
    測定は質改善の中心となる概念である.しかし,看護ケアのモニタリングにおけるコア要素の概念化や実証的な検証はあまり注目されていなかった.本研究では,看護ケアの質のデータベースを確立するための理論的基礎を提供するため,看護ケアのモニタリングにおける要素をIrvineらの提唱したNursing Role Effectiveness Model(Irvine, D, 1998)に基づいて明らかにすることを目的とした.2018年4月までに公表された文献を対象にPubMed,CINAHL,コクランデータベース,関連する雑誌と引用文献を調査した.18の研究が選定され,抽出された要素を看護役割効果モデルに基づいて3つに分類した.看護師への研修(構造),患者のアセスメント,迅速な治療提供の準備,患者との信頼関係構築とニーズや選好の把握,コミュニケーションとチームワーク(プロセス),患者安全と合併症予防(アウトカム)は3分の1以上の研究で挙げられた.また,複数のステイクホルダーの参加が,指標の選定において重要であることが分かった.
報告
  • 松村 由美, 長島 久, 鳥谷部 真一, 戸田 由美子, 田口 由美子, 小松 康宏, 相馬 孝博
    2022 年17 巻1 号 p. 16-23
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/10/31
    ジャーナル フリー
    国立大学附属病院医療安全管理協議会は,医療安全教育の質向上を目指した活動を行っている.2020年,同協議会教育委員会において,国立大学附属病院を対象に,コロナ禍での医療安全職員研修に関する現状について調査し,将来の職員教育のあり方について意見を求めた.2020年度の研修会の開催状況は前年度の状況と変わらないという回答が全体の7割程度であるが,全ての病院が開催方法に変化があると回答しており,オンデマンド型のオンライン研修の活用が9割以上を占めた.オンデマンド型のオンライン研修は,短時間のコンテンツを組み合わせたマイクロラーニングと親和性が高く,被教育者が自らの目標設定に応じて,自主的,自発的に参加することを促す.成人教育あるいは生涯教育の観点から,マイクロラーニングを取り入れることは好ましく,コロナ禍によって,新しい教育方法への変更が推進された.今後は,教育コンテンツの共通利用も考えていきたい.
  • 滝沢 牧子, 田中 和美, 大石 裕子, 岸 美紀子, 小松 康宏
    2022 年17 巻1 号 p. 24-31
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/10/31
    ジャーナル フリー
    本学では,2018年度より医学科4年生を対象として,医療安全のための多職種チームのコミュニケーションスキルを学ぶ講義と演習を組み合わせた授業を実施してきた.2020年度は,COVID-19の影響により,すべてオンライン授業への切り替えを余儀なくされた.オンライン講義に加えて,オンライン演習として,病院の受診から退院までの間に患者がどのような経験をするかというペイシェント・ジャーニー(Patient Journey)の視点を取り入れて院内の多職種の連携を学ぶグループ課題を設定した.さらに,診療に関連して発生しうる医療安全上のイベントをグループ毎に設定し,チームスキルを活用して多職種で医療事故発生を未然に防止するシナリオを作成し,発表した.オンラインという制限のある中で患者中心性や多職種間のコミュニケーションスキルに関する卒前医療安全教育の取り組み事例として報告する.
  • 越取 雄策, 高取 充祥, 平尾 百合子
    2022 年17 巻1 号 p. 32-38
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/10/31
    ジャーナル フリー
    本研究では,パームスタンプ法を用いた視覚的介入ならびに,皮膚常在菌の湧出を抑え一過性菌の除去に有効な『手洗い方法』が,業務中の手洗い技術改善に与える効果について検討した.中規模病院の看護職者20人を対象にパームスタンプ法を用いた手指汚染の可視化による介入を3回実施し,手洗い前・後の細菌コロニーを比較した.2回目は協力者別にパームスタンプ結果画像を返却すると共に,本研究の『手洗い方法』を提示した.介入前の【無関心期】は細菌コロニー数の有意な減少を認めなかったが,介入後の【準備期】【実行期】では有意に減少していた.一過性菌は全時期において有意に減少し,皮膚常在菌は【実行期】のみ有意な減少がみられた.パームスタンプ法による視覚的介入と本研究が推奨する『手洗い方法』は,一過性菌の除去のみならず皮膚常在菌の湧出を抑える効果があり,業務中の調査時における手洗い技術改善に効果がみられた.
  • 佐藤 暢夫, 野村 岳志
    2022 年17 巻1 号 p. 39-47
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/10/31
    ジャーナル フリー
    大学病院,地域医療支援病院計149施設を対象に中心静脈カテーテル挿入・管理方法に関する現状調査(24項目)を行い,47施設より回答があった. 中心静脈カテーテルの挿入・抜去報告システムについては10施設が挿入・抜去ともあり,5施設が挿入のみありとの回答であった.中心静脈カテーテル挿入に関する資格システムは16施設がありとの回答であった.中心静脈カテーテル挿入手技の標準化における超音波装置の利用はプレスキャンのみが6施設,リアルタイム超音波ガイド下穿刺法は21施設との回答であった.また,2017年医療事故調査・支援センター発信の医療事故の再発防止に向けた提言第1号内の提言項目実施状況は36施設で5割以上実施できている一方,11施設で2割以下の実施との回答であった. 提言実施のための課題としては人的資源の確保が32施設,資金確保が25施設,トレーニング資器材の調達が29施設で必要との回答であった.その他,提言内容について医師への周知,提言実施のための協力者の必要性が挙げられた.
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