目的:本研究は,診療報酬制度を活用した薬剤師らによる患者への指導状況とその関連要因を明らかにすることを目的とした.
対象と方法:がん診療病院591施設から集められた2019年診断例の院内がん登録とリンケージされたDPC導入の影響評価に係る調査データを用いた.がん患者指導管理料ハの算定には一定の施設基準を満たす必要がある.そこで同管理料を1件以上算定している施設で,初回治療を開始した18歳以上のがん薬物療法を受けた者のうち,がん告知を受けた者を分析対象とした.算定の関連要因を検討するために,施設を考慮したマルチレベル混合効果モデルロジスティック回帰分析を行った.
結果:481施設(81.4%)の対象患者のうち,26.3%で算定されていた.施設別算定割合の中央値は,28.7%
(四分位範囲12.2~45.1%)であった.非小細胞肺がんと比較し,大腸がんのOdds Ratio(OR)が2.40,胃がんがOR2.04,乳がんがOR1.94,膵臓がんがOR1.93であった.上皮内や限局のがんと比較し,領域リンパ節転移(OR1.79)や遠隔転移(OR1.71)がある者で算定されていた.年齢が高くなるほど,算定されていなかった.
結論:薬物療法を受ける患者の約3割ががん患者指導管理料ハの対象となる指導を受けていた.領域リンパ節転移や遠隔転移がある,大腸等の消化器系がんや乳がんの患者で指導割合が高かった.
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