【目的】新生児特定集中治療室では,ハイリスクな注射薬がシリンジポンプで精密かつ持続的に投薬されており,シリンジと輸液チューブの連結部分からの注射薬の薬液漏れは,患者に重大な影響を及ぼす.そのため目視による監視が行われているが,漏れた薬液は透明で微量のために発見し難くかった.今回,色の退色によって薬液漏れを検出することができる薬液漏れ検出紙 (以下,検出紙) を開発し,その臨床使用を行った.
【方法】検出紙は,アスコルビン酸を染み込ませた薄紙と,ポビドンヨードを染み込ませた薄紙を乾かし,それらを重ねて綴じることで作製した.
【結果】開発した検出紙は0.1mLの液量でも約10秒で退色を始め,感度も良好であった.
【考察】漏れた薬液が検出紙に染み込むと,アスコルビン酸とポビドンヨードが反応して,ポビドンヨードの色が退色する.これはアスコルビン酸の還元作用によって,ポビドンヨードの色が退色する反応を利用したものである.
この検出紙の退色によって,薬液漏れを容易に発見できるようになった.
酸化作用を有する4%酢酸液を検出紙に滴下した実験でも,検出紙の色は退色した.この実験結果から,臨床で使用される注射薬の薬液漏れに対して,検出紙は退色すると考える.
検出紙の作製は,安全な薬品と日常的な材料を用いて,安価で簡便にでき,臨床使用でも有用であった.
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