社会学評論
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34 巻, 4 号
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  • 野口 裕二
    1984 年 34 巻 4 号 p. 402-420
    発行日: 1984/03/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
    地域システムを円滑に作動させるための主要な装置として<参加>に期待が寄せられている。同時に、ある地域システムの<参加型>への変容可能性の測定という課題が検討をせまられている。
    これまで、<参加>の具体化と活性化を試みる事例に取材した諸研究は、<参加>と親和的な意識類型や人間像について多くの報告を重ねてきた。しかし、それらの多くは両者の相関関係に言及するのみで<参加>メカニズムの因果的把握にいたっておらず、したがって、それらは<参加型地域システム>の形成可能性の測定という課題には必ずしも対応していない。
    こうした課題に応えるためには、まず第一に参加主体の視点にもとついて<参加>メカニズムに関するモデル構成をはかることから出発する必要がある。その際に、<参加>を地域問題処理のための可能な選択肢のひとつと措定し、対立する選択肢との緊張関係のなかで参加主体が最終的な選択に至るまでの過程をモデル化し、さらに、その過程の各段階ごとに属性変数の影響力を因果的に把握してゆくことが不可欠の前提作業となる。
    調査データによれば、居住年数、年齢、地域特性等の諸変数と、自助・互助・公助の三分類の問題処理方法との関連が確認され、これらの属性変数の影響のしかたが選択過程の段階ごとに異なることが示唆されている。
  • urban sociology に関する一考察
    藤田 弘夫
    1984 年 34 巻 4 号 p. 421-436
    発行日: 1984/03/31
    公開日: 2010/04/23
    ジャーナル フリー
    シカゴ学派以来の伝統をもつ urban sociology には、「国家」との関連で “都市” を分析していこうとする視角が希薄である。それでは、urban sociology のこのような特徴は何に由来するのだろうか。
    本稿はこうした観点から、urban sociology の「国家」との関連におけるこのような学問的性格が何よりも、実際のアメリカの都市での住民の社会生活を研究するなかから生み出されたものであることを明らかにしたい。そこには、他の先進工業国では例を見ない「分権的」な国家形態と〈ホーム・ルール制〉に象徴されるアメリカの都市が創り出す独自の社会的現実があった。アメリカの都市のもつ “自律的” 性格は近年急速に崩れてきているとはいえ、今日なお都市の住民生活の基本的形態をなしている。つまり、国家との関係における urban sociology のこの独特の性格は何よりも、アメリカの都市における住民生活を反映したものなのである。このことは、urban sociology の影響のもとにわが国で成立した「都市社会学」の研究を進めるにあたって、努めて留意しなければならない点となっている。
  • 有賀喜左衛門とレヴィ=ストロースの交換理論を比較して
    佐藤 康行
    1984 年 34 巻 4 号 p. 437-451
    発行日: 1984/03/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
    従来の構造主義研究は、レヴィ=ストロースをはじめとする西欧の構造主義を紹介、解説するなかで、構造主義の認識論をめぐる議論に集中したきらいがあった。他面では、構造主義に関わる実証的検討も等閑に付されてきたといわなければならない。その意味において、かかる実証研究のなかで構造主義の新たな研究対象と方法を発掘すること、および、先達の成果のなかに構造主義の展開につながる新しい要因を確認することの二つの作業が重要である。
    そこで、本稿においては、こうした作業のうち後者の問題を取り上げ、レヴィ=ストロースの交換理論を踏まえて有賀喜左衛門の交換理論を把握することを試みた。その結果として、次のことが明らかにされたといえるだろう。
    (1) 有賀の「全体的給付論」は、人々の主体的な営為をいわゆる「現象レベル」において、人々の意識を通して把握しようとしている。
    (2) 有賀が提示した「小農的ユイ」は、「互酬性」の交換形態であると考えられる。
    (3) 有賀が提示した「本家末家的ユイ」は、カール・ポランニーのいう「再分配 (redistribution) 」の交換形態の一つであると考えられる。
    有賀の交換理論は、従来「全体的給付論」としてのみとらえられ、交換の形態と論理については本格的に問題にされることが少なかった。その点において、本稿は有賀の交換理論の再解釈をめざしているといえよう。
  • 10年ごとにみる変化と実態
    小谷 朋弘
    1984 年 34 巻 4 号 p. 456-459
    発行日: 1984/03/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 天野 正子
    1984 年 34 巻 4 号 p. 459-462
    発行日: 1984/03/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 統合の危機と組織論的アプローチ
    浦野 和彦
    1984 年 34 巻 4 号 p. 462-465
    発行日: 1984/03/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 社会学教育委員会
    1984 年 34 巻 4 号 p. 466-473
    発行日: 1984/03/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • Reuben Hill
    1984 年 34 巻 4 号 p. 493-503
    発行日: 1984/03/31
    公開日: 2010/01/29
    ジャーナル フリー
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