社会学評論
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37 巻, 4 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 「民族の復活」に直面して
    吉野 耕作
    1987 年 37 巻 4 号 p. 392-407,505
    発行日: 1987/03/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    近代社会学の予測に反して民族の復活、活性化が世界各地で起こったが、その理由、背景を説明するために、民族の概念・理論の洗い直しをめぐり激しい論争が展開されてきた。しかしながら、同論争は必ずしも建設的な成果をあげている訳ではない。分析次元の違いを認識することなく相互批判を繰返す結果、議論が?み合わない形で進んできた。本稿では、民族をめぐる論争の三つの異なる分析次元を判別し、各次元で対立する視点を論理整合的に組み合わせることにより論争の流れを批判的に整理する。具体的には、<原初主義-境界主義>、<表出主義-手段主義>、<永続主義-近代主義>の三つの対立視点の対にまとめ、また諸視点間の適合性を明らかにすることにより、多元的な諸理論を整理する枠組を提示する。その過程で「民族の復活」をめぐる議論に内在する弱点を幾つか発見することになるが、そのひとつは、民族の絆の耐久性を説明する上で時・空のいずれか一方の次元に固執するために説明を不十分に終わらせている点にある。本稿では、この根本的と思われる論点に限定した上で、両説明方法の補完性、結び付きを示す視角を「伝統の創造」の過程に求め、論点の補充を行う。
  • 藤村 正之
    1987 年 37 巻 4 号 p. 408-425,504
    発行日: 1987/03/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    本稿は、福祉政策研究における組織理論導入の試みとして、生活保護政策をとりあげ、その政策決定システムにおける組織連関を事例に即して検討することを課題とする。
    まず、生活保護政策をシステムモデルとしてとらえ、政策決定システム、政策実施システム、異議申立てシステムの三つの行為システムと、生活保護法を主プログラムとする制度システムから構成されることをしめす。
    ついで、生活保護の政策決定システムの組織連関をあきらかにするために、生活保護基準のなかの生活扶助基準と老齢加算の二つの事例をとりあげ考察する。その際、組織連関関係をうみだす基盤としての資源の稀少性問題と価値・規範の共有・対立問題、および厚生省がとった戦略が注目される。
    本稿は政治社会学的あるいは官僚制・行政社会学的視角からの社会福祉研究でもある。
  • 推進力と抵抗力の拮抗関係
    田中 豊治
    1987 年 37 巻 4 号 p. 426-442,503
    発行日: 1987/03/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    本論は、本誌前稿 (「行政官僚制における組織変革の過程分析」 (34-1) の続編であり、主として地方自治体の行政組織が現代のドラスティックな内外環境条件の変化を、どのようにして組織の動的均衡の維持や安定化に結びつけているか、その、状況への適合過程としての組織変革のメカニズムを構造的に解明する。とりわけ、組織が新しい変革モデルの導入に成功しているにもかかわらず、間もなく遅延や中断や復活へと追い込まれていく理由や、そこに相拮抗し作用している変革主体と変革力要因 (推進力と抵抗力) とが、各変革段階に応じて少しずつ転移・変容している現実態を指摘し、変革の成否は、この多元的重層構造化された力動的発展過程に生ずる争点 (行為主体、問題発生、コンフリクト解消等) を如何に克服し得たかによることを検討する。さらに推進力として変革動機、変革能力、変革状況という三要因を抽出し、変革パフォーマンスとしての「変革的有効性」という新しい概念を提示してその積極的意義を強調する。また抵抗力のアポリアとしての官僚制構造のもつ社会性 (社会制度としての官僚制) についても考察を進める。
  • 地域社会の変貌と住民間関係
    文屋 俊子
    1987 年 37 巻 4 号 p. 443-460,502
    発行日: 1987/03/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    地域を単位とする近隣関係については、先行研究が乏しく、ある程度探索的なものとならざるを得ない。本稿で取扱った大都市周辺地域は、都市の膨張過程において都市人口の流入をうけ、都市化が進行した地域である.こうした地域では、地付住民と来住民との混住が地域社会レベルでのさまざまの問題を起こしていることが多く、近隣関係を取扱う上で地付-来住間の関係に注目しないわけにはいかない。このため地域社会の統合、いいかえれば地付住民と来住民の融和が問題とされるのであり、どういった場合に統合促進され、また阻害されるのか、これをふたつの集団の人口流入による規模の変化との関係でとらえようとするのがここでの目的である。
    調査は、東京五〇キロ圏に位置する千葉県市原市の一町会の範域において実施した。まず、この地域における社会過程としての都市化の特徴をとらえるために、旧村の部落会を中心とする相互扶助システムの変貌過程についてコミュニティ史的観点からの事例研究をおこなった。近隣関係の標準化調査は、調査規模の関係で、この町会の中心部を占める二町内の一二四世帯を対象におこなった。
    本論にはいるまえに、都市化をめぐる概念について検討する。
  • 田原 音和
    1987 年 37 巻 4 号 p. 461-468
    発行日: 1987/03/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • 杉 政孝
    1987 年 37 巻 4 号 p. 469-473
    発行日: 1987/03/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • 柳井 道夫
    1987 年 37 巻 4 号 p. 474-475
    発行日: 1987/03/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • 鎌田 哲宏
    1987 年 37 巻 4 号 p. 476-477
    発行日: 1987/03/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • 山中 一郎
    1987 年 37 巻 4 号 p. 477-479
    発行日: 1987/03/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • --岩手県志和地区の発展過程--
    星 永俊
    1987 年 37 巻 4 号 p. 479-481
    発行日: 1987/03/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
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