社会学評論
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38 巻, 3 号
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  • -相互行為プロセスへのパースペクティブ-
    岩城 千早
    1987 年38 巻3 号 p. 306-320,395
    発行日: 1987/12/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    本稿は、G・H・ミードの仕事を捉え、その意義を理解していくため、その手掛かりとして、彼の「社会的行動主義」に焦点をあて、そこに彼独自の視点を探る試みである。ミードはシンボリック・インタラクショニスト等によって最も積極的に言及され、「自己」の問題に深く取り組んだ研究者として主にクローズアップされてきた、その一方でまた、彼の「社会的行動主義」が、ワトソンの「客観的に観察可能な行動」のみを扱うという方法論に対して、「客観的に観察不可能なもの-心的なもの」を強調し、観察可能なものを通してそこに到ることを主張する方法論的アプローチとして一般に知られてきた。この重要性を指摘し、「社会的行動主義者としてのミード」を強調する向きも、昨今では自己論議の一方に見ることができる。だが、こうしたミードの主張が彼の仕事をどのように性格づけるものであるのか、という問題は未だ議論の余地を残しているように思われる。社会的行動主義によって、ミードは、観察不可能な領域を擁護したという点で、個人の内的経験に深く踏み込んでいったのでもなければ、また観察可能なものを通してのアプローチを主張したという点で、心理学の自然科学化志向に根ざすワトソンの客観的観察可能性の要求を引き継いだのでもない。「ワトソンの行動主義よりも適切な行動主義」を展開しようとするミードの論理を辿るならば、社会的行動主義は、われわれの相互行為のプロセスをテーマ化するミード固有のパースペクティブとして浮かび上がって来る。
  • 岡原 正幸
    1987 年38 巻3 号 p. 321-335,394
    発行日: 1987/12/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    感情経験が、「自然に湧き上る」「不可避的」「非意図的」な個人現象であり人間の生来的な生理機構によって形成されるのだという知識は、日常生活者の常識である。だが、人類学や社会史の知見はこの常識がひとつの「神話」にすぎないことを示している。
    感情経験の社会学的理解を「神話」との関連で整理すると、「神話」を前提あるいは受容する「神話肯定型」 (ヴェーバー、デーヴィス、ケムパー) と、感情形成過程を非生理学的に把握し、「神話」を否定する「神話否定型」の二つがある。後者はさらに、感情の脱生理化の根拠を、社会規範に求める「規範型」 (ゴフマン、ホッホシルト) と、個人の意識的主体性に求める「主体型」 (ホッホシルト、ショット) に分類される。「規範型」と「主体型」は、神話否定を遂行する感情モデルとしての意義を有するものの、如何にして目常生活者が感情経験の自明性を生きるのかを主題化しえない (「神話」それ自体の非主題化) 。そこで、「神話否定型」の第三の道として、エスノメソドロジーのコンセプトを応用した「現実構成型」が構想される。つまり、感情語使用による状況の規範的カテゴリー化を感情経験の内実と捉え、現実構成一般の自明性の内に感情経験の自明性を包含させる感情理解である。
    端緒についたばかりの感情社会学の意義は、「社会的なるもの」としての感情を究明することと同時に、現代社会分析への有効な視角を提供することである。
  • 金子 勇
    1987 年38 巻3 号 p. 336-350,393
    発行日: 1987/12/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    本研究の対象は都市に居住する高齢者の社会的ネットワークである。それは、都市構造、高齢者の生活意識、生活の質、特性などの観点からさまざまな相違を示す。通説として、「老いと孤独」というテーマが設定されがちであるけれども、正確な実態を把握しない限り、その種の議論はあまり意味がない。
    したがって、本研究では、高齢化する地方都市の代表として小樽市と久留米市とを選定し、詳細な高齢者ネットワークを調査し、計量的な分析を実施した。主要な知見としては、高齢者が血縁、住縁、関心縁のそれぞれでかなりな日常的ネットワークを保有していること、とりわけ血縁ネットワークは豊かであり、他の二軸とは独立的に機能していること、住縁ネットワークからコミュニティの展望が期待されること、また住縁指標と「生きがい」指標との間には強い関連が存在すること、その結果「老いと孤独」の命題は一般的には成立しないこと、住縁のなかの近隣関係の質と量とは高齢者の新しい生活基地として今後有効に作用すること、などが得られた。
    将来的に、政策的視点から「高齢化」にアプローチする場合でも、年金、保険、医療などの制度部門だけではなく、そして家族と福祉の研究分野からだけではなく、もっと地域の側からの研究が必要になると思われるが、本研究で獲得された諸データはそれにも有益であろう。
  • -三陸沿岸一漁村の事例-
    佐藤 利明
    1987 年38 巻3 号 p. 351-367,393
    発行日: 1987/12/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    戦後の日本漁業は、昭和三〇年代に多数の漁業賃労働者を創出しつつ著しく発展した。しかし、四〇年代以降、二〇〇カイリ規制や沿岸漁業資源の悪化などによって漁業生産は厳しい状況下に置かれ、漁村の解体化が進行したといわれる。ところが、この戦後日本漁村の解体過程の社会学的分析・解明は十分になされているとはいいがたい。本稿はこの研究の間隙を埋めるべく、漁業生産の基軸を漁船漁業から養殖業へと移行するとともにその過程で漁業賃労働者を輩出してきた一沿岸漁村を事例に、村落の社会構造が漁業生産の展開にどのように規定されて変容してきたのか考察するものである。
    以下では、漁業賃労働者=漁船乗組み者世帯として村落に定住した「戦後分家」の成立の背景・要因、「戦後分家」の性格とそれが村落の自治的統合機能へ及ぼした影響、以上を分析の中心に据えて考察することにする。
  • 伊藤 隆
    1987 年38 巻3 号 p. 368-377,392
    発行日: 1987/12/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • -移住から自立への歩み-
    米山 俊直
    1987 年38 巻3 号 p. 380-381
    発行日: 1987/12/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • 松下 武志
    1987 年38 巻3 号 p. 381-383
    発行日: 1987/12/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • -構造分析批判-
    安野 早己
    1987 年38 巻3 号 p. 383-385
    発行日: 1987/12/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • 黒崎 八洲次良
    1987 年38 巻3 号 p. 385-388
    発行日: 1987/12/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • 下田 直春
    1987 年38 巻3 号 p. 388-390
    発行日: 1987/12/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • -現代社会を知る-
    橋本 和孝
    1987 年38 巻3 号 p. 390
    発行日: 1987/12/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
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