社会学評論
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40 巻 , 3 号
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  • 石田 浩
    1989 年 40 巻 3 号 p. 252-266
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    産業主義のテーゼは産業社会における社会経済的資源の配分過程が同質化することと、業績主義的原理の重要性が産業化の進行とともに進展することを予想した。本研究のテーマはこの産業主義のテーゼを念頭に置き、学歴と社会経済的地位達成過程に関する日米英国際比較研究を行うことにある。学歴取得過程に関してみると、生得的要因は現代日本、アメリカ、イギリス社会において依然として根強い影響力をもっていることが指摘された。コーホート分析では、生得的要因の高卒、Oレベル学歴へ与える影響力は産業主義のテーゼが予期したように減少傾向にあるが、高等教育機関レベルの教育機会は逆に閉鎖性が増大する傾向にあることが判明した。
    社会経済的地位達成過程に目を移すと、コーホート分析による趨勢は、産業主義のテーゼの予期するように学歴 (業績主義的原理) が出身背景 (属性主義的原理) に比べて相対的重要性を増大する傾向が日米英三国に読み取れる。しかし、社会経済的資源の配分過程が日米英三国において同質的であるという仮説は分析結果から支持されたとは言い難い。社会経済的地位達成過程における学歴の出身背景に対する優位性は、アメリカにおいて最も顕著に見られ、日本はイギリスよりも学歴の相対的重要性は低い。さらに学歴の社会経済的効用にも日米英三国の間にかなりの違いが見られる。これらの結果によれば、産業社会における社会経済的地位の配分過程は、各国独自の教育制度と労働市場の構造に大きく影響されており、必ずしも同質的なパターンを生み出すとは限らないことが推察される。
  • 坂本 佳鶴恵
    1989 年 40 巻 3 号 p. 267-280
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    構造機能主義に代表される従来の理論は、その社会決定論的な人間観が批判されてきた。これに対して、社会に対する個人の主体性を取りこんだ理論として、個人の意味解釈能力に着目した解釈的パラダイムが注目を集めたが、主体性を理論化するという課題設定自体に問題があるために、社会非決定論としては明確な理論を提示できていない。しかし、主体性問題とは別に、規範と行為のより現実的な記述にとっては勿論、規範の変更や変動を検討するうえで、行為が規範に一義的に決定されない側面、行為が規範の存在に影響を及ぼす側面を理論化することが不可欠である。従来の行為論は、規範と行為とを直結させていたが、そこには、状況における規範の使用 (状況定義) という媒介項が看過されている。解釈的パラダイムの記述にみられる行為の状況定義機能に着目することによつて、我々は、状況における規範の使用を左右し、普遍的な規範の共有を確認する相互作用のモデル化に踏み出すことになる。後者の問題には、反省作用の機能の仕方や状況的な相互作用における集団の現れ方など、不均質な社会を前提とした相互作用分析が必要となろう。
  • 早川 洋行
    1989 年 40 巻 3 号 p. 281-294
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
    本稿は、『資本論』商品論における貨幣生成論の解釈である。まず「『経済学批判要綱』への序説」でマルクスが主張した方法を確定し、そこから『資本論』の商品論を読み解く。明らかになるのは、商品論の各部分が個体-類体、現実-意識の二つの軸でとらえられるパラダイムのなかに整理されるということである。そこから貨幣生成論を解釈する視座が生まれる。その視座から、価値形態論と交換過程論に別れて論じられている彼の貨幣生成論を統一的に再考する。それによって、彼の、労働生産物から商品、商品から貨幣への論理を導く。そして最終的に、彼の貨幣生成の論理に内在する前提と特徴を明らかにし、「貨幣とは商品である」という命題の証明が成功しているか否かを結論する。
  • 小高 良友
    1989 年 40 巻 3 号 p. 295-309
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    逸脱の研究者として著名なベッカーは、『アウトサイダーズ』公刊までに、専門職を中心にした職業研究を主体とする多数の業績を発表してきた。本稿では、それら作品群と『アウトサイダーズ』との関連を手がかりにして、『アウトサイダーズ』に描かれた逸脱研究論をベッカーが生み出しえた理由の一端が考察された。
    ベッカーは、専門職を中心とする職業研究の研究者であると同時に、専門職 (者) 的性格と逸脱 (者) 的性格を兼ね備えたダンス・ミュージシャンでもあったがゆえに、専門職 (者) と逸脱 (者) との類似性に気づく一方、専門職者のなす逸脱がもつ研究上の意義にも気づいて、専門職を中心とした自他の職業研究成果や職業体験を転化させた『アウトサイダーズ』の逸脱研究を生み出しえたとおもわれる。
  • 長谷 正人
    1989 年 40 巻 3 号 p. 310-324
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
    ダブル・バインドは、日常的コミュニヶーションに現れる論理的パラドックスの問題として哲学的に考察されてきた、しかし、ダブル・バインドは同時に関係性とシステムについての問題でもある。このパースペクティヴからみたとき、ダプル・バインドは社会学的問題となる。システム論からみたダブル・バインド状況は次のようなものである。システムのあるレベルでポジティヴ・フィードバックが起こり、システムに変化の可能性が生じている。それにもかかわらず、もう一つ上のレベルでネガティヴ・フィードバックが起こり変化への動きを内に孕んだままシステムは安定してしまうのである。このようなダブル・バインド状況からの解放は、ポジティヴ・フィードバックに対する抑制を解き、システム全体にポジティヴ・フィードバックを引き起こすことになる。ダプル・バインドへのこのようなアプローチは、社会システムが硬直化した秩序状態にあるとき、これをどう変化させればよいか、という問題にも示唆を与えるだろう。
  • 脇田 健一
    1989 年 40 巻 3 号 p. 325-339
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    戦後漁業政策は、低金利の融資により、沿岸漁業での漁船・漁業機器を発達させてきた。これらは、生産性や操業時の安全性を向上させた半面、資源の乱獲を招く一因となった。最近、資源管理型漁業の必要性が叫ばれているのはこのような文脈においてである。
    しかしながら、沿岸漁村においては、資源管理は、本質的には漁家自身によって主体的に為されなければならない。そのばあいの、資源管理は、現実には、漁村・漁家による漁場管理となって現れる。
    そこで、本稿ではまず、三重県志摩地方の一沿岸漁村を事例に、そこでの地先漁場の伝統的管理の実態を明らかにする。また、それらの管理と実際の操業との間に、技術革新により緊張が生じた過程を明らかにする、そして、最終的に、両者の分析を通して、伝統的漁場管理の背後にあって、操業上の権利にかかわる価値観や観念を抽出する。この伝統的な管理は、操業時における漁家相互間の慣習的な用益上の配慮として現れ、漁家間の競合を抑制してきた。その配慮とは、具体的には、ある漁家が、漁場内の特定のポイントや場所で操業することで、そこに用益上の “優先権” や “独占権” が生じ、他の漁家は、その権利を認めることで成立する。本稿では、この伝統的管理における、操業 (労働投下) と権利の関係を、これまで漁村研究で用いられてきた総有概念とは異なる、また別の所有概念の発想と関わらせて分析する。
  • 孝本 貢
    1989 年 40 巻 3 号 p. 343-344
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • 内田 司
    1989 年 40 巻 3 号 p. 344-346
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • 佐久間 孝正
    1989 年 40 巻 3 号 p. 346-348
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • 清野 正義
    1989 年 40 巻 3 号 p. 349-350
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2010/05/07
    ジャーナル フリー
  • 森川 眞規雄
    1989 年 40 巻 3 号 p. 351-352
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
  • 國信 潤子
    1989 年 40 巻 3 号 p. 352-354
    発行日: 1989/12/31
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
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