社会学評論
Online ISSN : 1884-2755
Print ISSN : 0021-5414
ISSN-L : 0021-5414
41 巻, 3 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 社会主義運動仮説と新しい社会運動仮説を対象として
    大野 道夫
    1990 年 41 巻 3 号 p. 234-247
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
    本稿では六〇年代末の「青年の異議申立」にたいし、心理歴史的分析を中心とした事例研究をおこなった。
    そしてまず「異議申立」の仮説には、政治的セクトを中心とし、「異議申立」を社会主義運動の一環とする社会主義運動仮説と、ノンセクトを中心とし、新しい社会運動の初期形態とする新しい社会運動仮説とが存在することを示した。
    そして次に、東京大学を対象に心理歴史的分析を中心とした事例研究をおこない、社会主義運動仮説のほうが新しい社会運動仮説より説明力があること、またその理由としては当時の政治的危機にあった日本社会の、脱工業化の進展状況があげられること、を示した。
    このように日本の「異議申立」は、主に社会主義運動としておこなわれたが、一部の大学で「テクニズム」に対する批判など、新しい社会運動の初期形態も先駆的に示した、ということができる。
  • 東京・山谷地域を事例として
    西澤 晃彦
    1990 年 41 巻 3 号 p. 248-260
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
    日本の大都市においては、旦雇い労働者が集まり仕事口を得る場、「寄せ場」が形成されている。そしてまた彼ら-「寄せ場労働者」は、都市社会において排除の対象とされている。この論文では、東京の寄せ場・山谷に集う寄せ場労働者の寄せ場における社会生活の記述が目指される。その際、彼らの社会あるいは「集まり」の状態を、寄せ場労働者の社会関係を規制する規範から生じた一つの「社会秩序」として把握を試みる。さらには、そのような社会秩序の下での寄せ場労働者相互の関係、そして寄せ場を取り巻く外部社会との関係の中で彼らが見いだすアイデンティティについて述べられる。即ち、居住集団としての寄せ場・山谷における道徳秩序とそこでの寄せ場労働者のアイテンティティの内容が、具体的な社会関係の諸相の解釈を通じて導き出されるのである。
  • 「適塾」門下生の歴史・科学社会学的分析
    北嶋 守
    1990 年 41 巻 3 号 p. 261-276
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
    本研究のテーマは、西洋科学技術導入期における蘭学者の役割行動の分析である。従来、この分野は、科学史、教育史及び洋学史の研究フィールドであったが、我々は、歴史・科学社会学の視点から、蘭学者の活動に関する制度論的分析を行った。具体的サンプルとしては、緒方洪庵の「適塾」門下生を取り上げ、彼らの退塾後の行動について、地位・役割・社会構造といった社会学の基本的分析概念で捉えると共に、蘭学者は、新しい地位を獲得または形成したのか、さらにそれらは「新しい制度」として確立されたのか、といった仮説についての検証を行った。
    主要な知見としては、蘭学者たちは、特に「軍事的役割行動」の実践によって「近代的公的地位」を獲得・形成したが、それらは「新しい独立した制度」の確立には至らず、その行動の多くは伝統的制度へ回帰した、という結論を得た。
  • 佐藤 成基
    1990 年 41 巻 3 号 p. 277-290
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
    パーソンズの提起した「秩序問題」の現代社会学上の展開を、ルーマンとギデンズの理論との関連で論じながら、彼らが共にパーソンズの「価値偏重」を批判し「再生産論」を提唱していることに注目する。再生産論においては、秩序問題は、単に無秩序との対比として考えられるのではなく、時間的な連続性の中で行われる人間の「実践」による、絶えざる秩序の更新過程としてとらえられる。また、社会は根本的に「パラドックス」あるいは「矛盾」をはらんでいるので、社会秩序は本来はありえないものであるにもかかわらず、我々の社会生活が実践されるなかで暫定的に成立しているにすぎないと考える。ルーマン、ギデンズは、そのような「再生産」の仕組みをそれぞれイデアールな面とレアールな面から分析している。再生産論は単純な秩序/無秩序二分法は無効であることを明らかにするが、他方で秩序問題の核心である社会の安定性と非安定性との区別を無化してしまう傾向がある。再生産論を安定性と非安定性の多様なありかたを分析する枠組みとして用いる必要がある。
  • 武笠 俊一
    1990 年 41 巻 3 号 p. 291-304
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
    時間論には、いろいろなアプローチがありうるが、本稿では時間計測の歴史に焦点をあてることによって、その計測技術の飛躍と近代社会の成立との関連を論じてみたい。近代以前の社会において、時計には時刻を知るためのものと時間の量を計るもの、二つのタイプがあった。ところが、ともに時間をはかる器具でありながら、この二つの時計は互換性をほとんど持っていなかった。しかし、近代の初頭において振り子が機械時計の調速部に採用されると、時間計測の精度は飛躍的に向上し、二つの時計は一つに統合されてゆく。「時計の統合」にいたってはじめて時間計測の普遍性が確立される。それは、近代科学、工業技術の発達の基礎となったばかりでなく、近代人の時間意識を作りかえ、複雑きわまりない近代的社会システムの形成を可能にしたのである.
  • 新幹線公害対策の日仏比較を事例として
    舩橋 晴俊
    1990 年 41 巻 3 号 p. 305-319
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
    社会計画の組織過程を分析することによって、社会計画の成功や失敗のメカニズムを解明することが可能である。社会制御は、社会体制、基本制度、個別計画の三つの水準で同時平行的に進行するが、上位のメタ制御システムが設定する枠組みの中で、下位水準の制御システムが作動している。複数の水準の制御努力の相互関係は、主体-システム関係の原理的把握に立脚して解明すべきであり、そのためには、クロジエ=フリードベルグの提唱する「戦略分析」の視角が有効である。「上位水準のメタ制御システムは下位水準の制御システムにおける制御の成否を傾向的に条件づけている」「メタ制御システムは下位の制御システムにおける制御努力を完全には決定しない」という二つの公準を作業仮説としながら、日本とフランスの新幹線建設過程を検討し、これらの公準に、より具体的な内容を与える。それを通して社会制御の成否にとって、「合理性の背理」のメカニズムと諸主体の保持する「価値合理性」が重要であることが見い出される。
  • 笠原 清志
    1990 年 41 巻 3 号 p. 320-322
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 日本型モデルの含意
    原田 勝弘
    1990 年 41 巻 3 号 p. 322-323
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 生活環境主義の立場から
    三上 勝也
    1990 年 41 巻 3 号 p. 324-325
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 秋元 律郎
    1990 年 41 巻 3 号 p. 326-328
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 沖縄生活史研究
    波平 勇夫
    1990 年 41 巻 3 号 p. 328-329
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 山本 剛郎
    1990 年 41 巻 3 号 p. 330-331
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 米村 昭二
    1990 年 41 巻 3 号 p. 332-333
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 皆川 勇一
    1990 年 41 巻 3 号 p. 334-335
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 空間・都市・文化
    友枝 敏雄
    1990 年 41 巻 3 号 p. 335-337
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 鹿又 伸夫
    1990 年 41 巻 3 号 p. 337-338
    発行日: 1990/12/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
feedback
Top