本論文はネオ機能主義社会学の基本構造の解読を試みるものである。ネオ機能主義社会学者は、第一に、パーソンズの理論前提的議論を継承しながら、社会体系の水準において理論前提的問題 (行為-秩序問題) を提起し、戦後社会学第二期に登場した社会学理論化の理論前提を解説してきた。結果、彼/彼女らは、一連の理論前提的議論から、それらの理論化の還元・融合による一次元化を指摘し、自らの理論化においては多彩なマイクローマクロ・リンクを可能にする多次元的社会学理論化を提唱している。
ネオ機能主義社会学者は、第二に、自らの理論前提的議論 (一般化されたディスコース) を特定化しながら、リサーチ・プログラムを編成し、経験的具体的な社会秩序分析に志向してきた。彼/彼女らは、規範的マクロ社会学を主軸にしながらも、行為問題、条件的物質的要因を自らの理論化に組み入れ、多次元的な規範秩序分析を展開している。
ネオ機能主義社会学は、戦後社会学第三期「マイクローマクロ・リンク」時代における有力な社会学理論化の一つとして台頭してきている。
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