社会学評論
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43 巻, 3 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 伊賀 光屋
    1992 年43 巻3 号 p. 266-284,373
    発行日: 1992/12/31
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
    第三世界のインフォーマルセクターと先進国のインフォーマル経済は従来、相互に関連づけられずに研究されてきた。それらを統一して理解するために、インフォーマライゼイションの諸形態を、世界システムのなかの中心と周辺の諸階層の諸戦略およびそれらの妥協として捉える枠組を提示し、様々な実証例を比較・分類した。その中で、特にフォーマルセクターと有機的に結びついた小規模生産組織に着目した。そして、それらが中心部の内包的蓄積体制の危機を乗り越えるための新しい有機的に結合した蓄積体制をめざす、国際的な産業再編の中で中心的な役割を演じつつあることを論じた。しかし、この世界的規模での柔軟な硬直化は、柔軟な特化論者の言うような、一方的な小企業化やハイロードではなく、分散しながら大企業によって結合された新しい収奪のシステムに他ならないというのが私の主張である。
  • 神戸市真野地区の「まちづくり」運動の事例
    今野 裕昭
    1992 年43 巻3 号 p. 285-303,373
    発行日: 1992/12/31
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
    住民意識論の中では、従来、住民意識と住民個々人の属性との関係が実証的に研究されてきているが、住民意識類型間の移行の問題についてはまだ充分に解明されていない。都市コミュニティ形成に関する、個人の側からの行動レベルでの参加メカニズムは、動態的プロセスが明らかにされてこなかった。他方、近年、資源動員論に依拠した研究がいくつかでてきている。そこでは、参加行動に影響を与える要因として、社会関係的要因の重要性が主張されているが、本論文は、社会関係的要因とコミュニティ形成運動への参加行動との間に、当人のコミュニティ形成に関わる住民意識 (コミュニティ意識) が介在することを、真野での事例研究の中から明らかにする。まず、真野におけるコミュニティ形成のイッシューとして、「まちづくり」事業計画への個別対応をとりあげ、積極的対応と消極的対応の諸事例が、家族周期、職業、持ち家・借家の構造的要因に規定されていることを明らかにした。ついで、社会関係的要因の規定性を確かめたうえで、構造的三条件が同一でしかも対応が異なる典型的な二事例を詳細に分析する中から、両者のコミュニティ意識が異なること、積極的対応ができるコミュニティ意識は、地域の友人ネットワークの保持と地域団体での活動の中から生じてくることを明らかにした。この分析から、大都市下町の真野では、「地域共同体」意識の一部も、コミュニティ形成に積極的に関わっていることが明らかになった。
  • ハーバーマス「コミュニケーション的行為」概念に関する試論
    石井 幸夫
    1992 年43 巻3 号 p. 304-318,373
    発行日: 1992/12/31
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
    社会学基礎論としての行為論は、今世紀、意味を基礎概念として把握し、意味的に統一されてある行為の、その統一の有様を解明することを課題としてきた。かかる行為論にとって、後期ヴィトゲンシュタインが意味/行為に関して示唆した知見は、新たな問題領野の存在を開示する、極めて重大な意義を持つものであった。その知見とは、極めて圧縮して表現すれば、意味/行為の可能性の中心にはある種の無限が存する、というものであった。一切の経験は有限性によって特徴付けられ、その経験に意味/行為は現れているが、この現れが可能であるのは、経験の有限性のうちに還元され得ない可能性を意味/行為がそのうちに蔵しているからなのである。ここに行為論の解明すべき新たな問題が屹立する。無限なるものによって有限なるものが可能となるとはいかなることなのか。有限なる全体性を拒絶する意味/行為の無限性を決して無化することなく、他方で我々に現象する意味/行為の自明性を説明すること、これこそ現在の社会学の基礎的課題であり、そしてまさにハーバーマスが自らに課した課題なのである。ハーバーマスの行為論、すなわち「コミュニケーション的行為」に関する理論は、ある一面において確かに、無限と有限を架橋することを目指している。本稿は、意味/行為の無限性とは何か解明し、ついで無限性と有限性とを架橋する装置として、コミュニケーション的行為概念を再構成する。
  • 伊藤 美登里
    1992 年43 巻3 号 p. 319-332,372
    発行日: 1992/12/31
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
    近代市民社会において人間は、理念をかかげ、理念に導かれながら現状を批判し、社会を変革してきた。K・マンハイムは、この理念のことを「ユートピア」と定義づける。彼は、近代の始まりにおいては存在を全く超越していたユートピアが、時代を下るにつれ次第に現実へ接近していく過程を分析し、「ユートピアの消失」という事態に対して警告を発した。しかしこの「ユートピアの消失」は、当時の思想状況の主たる趨勢であっただけでなく、彼の認識論的前提に由来する当然の帰結でもあったのではないだろうか。
    そこで、本稿では、マンハイムの理論において、なぜ「ユートピア」が消失せざるをえなかったのかを、後に自らのユートピア論を展開していったH・マルクーゼやA・ヘラーによるマンハイム批判を手掛かりに、彼の「存在」という真理概念を検討・批判するという形で論ずることにする。そして、ユートピアが存在するには「存在」と「当為」との緊張関係が必要であり、これがマンハイムの理論には欠けていること、そのために彼においては時間も同質的にしか体験できないことを示す。最後に、彼以降のユートピア論の動向について触れる。すなわち、ユートピア主義復活の兆候としてJ・N・シュクラールを取り上げ、続いてヘラーのユートピア論を、マンハイムにおいてうまく解決されえなかった問題を彼女がいかに展開しているかという点も含めながら、紹介することにする。
  • 日本社会学会・社会学教育委員会
    1992 年43 巻3 号 p. 333-346
    発行日: 1992/12/31
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
  • 吉田理論・三部作を論ず
    橋爪 大三郎
    1992 年43 巻3 号 p. 347-354
    発行日: 1992/12/31
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
    戦後日本の理論社会学シーンを、文字通りリードしてきた一人である吉田民人氏が、まとまった著作をこれまで公刊していなかったのは意外である。そんな吉田氏の論集が、一九九〇年から翌年にかけて、相次いで出版された。これで、吉田氏の主要な論文ほぼすべてを誰もが容易に読めることになり、学界の財産となったことを大いに喜びたい。吉田民人氏が学界内でどれほど大きな地位を占めているかについて、いまさら私がのべるまでもない。ここではまず、今回まとまったかたちで読めるようになった氏の著作これを便宜上、三部作とよぶことにする-をひととおり概観しよう。そのうえで、その論理構成に即して、主だった論点について私の見解をのべることにしたい。これは、吉田氏の全業績 (しばしば「吉田理論」とよばれている) を評価するという作業に似てくるかもしれないが、そうした評価は後世の人びとにゆだねるべきことだ。私はただ、同時代の研究者としての吉田氏に対し、率直に自分の疑問をいくつか尋ねたいだけである。
  • 竹内 真澄
    1992 年43 巻3 号 p. 355-356
    発行日: 1992/12/31
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
  • 百瀬宏・小倉充夫編現代国家と移民労働者
    梶田 孝道
    1992 年43 巻3 号 p. 357-358
    発行日: 1992/12/31
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
  • 丹波篠山にみる近代教育と生活世界
    江原 武一
    1992 年43 巻3 号 p. 359-360
    発行日: 1992/12/31
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
  • 中野 秀一郎
    1992 年43 巻3 号 p. 361-362
    発行日: 1992/12/31
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
  • 駒井 洋
    1992 年43 巻3 号 p. 363-364
    発行日: 1992/12/31
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
  • 篠崎 正美
    1992 年43 巻3 号 p. 364-366
    発行日: 1992/12/31
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
  • 片桐 新自
    1992 年43 巻3 号 p. 366-368
    発行日: 1992/12/31
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
  • 内田 隆三
    1992 年43 巻3 号 p. 368-370
    発行日: 1992/12/31
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
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