社会学評論
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46 巻, 3 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 法則定立科学からプログラム解明科学へ
    吉田 民人
    1995 年 46 巻 3 号 p. 274-294
    発行日: 1995/12/30
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 当事者からみた
    左古 輝人
    1995 年 46 巻 3 号 p. 295-309
    発行日: 1995/12/30
    公開日: 2010/04/23
    ジャーナル フリー
    共同生活の秩序は, 秩序を実践する当事者によって自覚・認識されているか否かに応じて二通りに区別され得る。当事者自身によって自覚され, 客体として認識されている秩序を〈規則〉, 当事者と共同生活を共にしない者によってしか認識されない, 当事者の身体動静が事実上示している秩序を〈規則性〉と呼ぶことができる。本稿は, 秩序は〈規則性〉から〈規則〉へと発展するというヴェーバー, サムナーが共有する見解に基づきながら, それらふたつの秩序の関係を, 事実上の身体動静から「行為」への発展という視点から解読し直す。この作業によって, 〈規則性〉から〈規則〉への秩序の発展が, 「行為」の発展と平行関係にあることが示される。それに伴い, 〈規則〉と「行為」が相互依存的に強化し合うメカニズム, そして〈規則〉の再 =〈規則性〉化が考察される。
  • 厚東 洋輔
    1995 年 46 巻 3 号 p. 310-326
    発行日: 1995/12/30
    公開日: 2010/04/23
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は, ヴェーバーの業績を用いて近代官僚制の類型学を展開することにあるが, その際, 官僚制の一枚岩的イメージを打破するために, 近代官僚制の孕む多様性と変異可能性が強調されている。議論は以下の九つの主張よりなる。(1) 官僚制は妥当根拠と組織の二つの視角から規定できる。合法支配と単一支配という二つの特性の重なりとして近代官僚制は定義される。 (2) 合法支配は法重視↔規律重視という二極よりなる。 (3) 単一支配は集権的↔ディスクレッション的という二極よりなる。 (4) 合法支配と単一支配の二軸を組み合わせると近代官僚制に関する四類型が構成される。 (5) 法重視+集権的よりなるタイプ→官職-官僚制 (例 : 大陸型) 。(6) 規律重視+ディスクレッション的よりなるタイプ→プロフェッション-官僚制 (例 : アングロサクソン型)。 (7) 規律重視+集権的よりなるタイプ→天職-官僚制 (例 : 人民投票指導者民主制) 。 (8) 法重視+ディスクレッション的よりなるタイプ→権限-官僚制 (例 : 日本型)。 (9) 近代官僚制の典型は〈官職-官僚制〉ではなく〈プロフェッション-官僚制〉に求めるべき。〈プロフェッション-官僚制〉が「技術的・ 形式的に最も合理的な支配装置」だからである!そう考えた方が, ヴェーバーの社会主義批判及び近代イメージにより整合的になるし, また社会主義諸国での官僚制批判の理由付けにも良く合致するようになる。
  • タイ東北部農村社会における宗教伝統を事例に
    櫻井 義秀
    1995 年 46 巻 3 号 p. 327-347
    発行日: 1995/12/30
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
    本稿は, 東北タイ村落社会の宗教伝統を慣習的宗教実践と措定し, それを支える社会的条件の変化を指摘することで, 社会変動期における宗教変容を明らかにしたい。慣習的宗教実践を理念型に据えた戦略的利点と分析の手順は以下の通りである。第一に, 慣習的宗教実践を社会関係が内在化された行為として捉えることで, そのシンボリズムの分析は埋め込まれた社会構造の分析と連関する。例えば, タンバイアは東北タイの農村宗教を分析した際, 互酬的な表象の布置と現実の村落や隣接世代間の互酬的社会関係に機能的な連関を見た。しかし, 本論ではあくまでも文化と社会構造の相対的自律性を前提にそれぞれの構造を分析する。文化が規範性を帯びるのは, 現実の生活過程の諸事実に対して妥当性構造を維持する限りにおいてである。その限定された社会的コンテキストを, 具体的な生活構造, 民俗的 (エミック) 知識を通して明らかにすることで, 機能主義的宗教変動論を乗り越えたいと思う。第二に, 慣習的宗教実践が変容する条件を, 1) 儀礼行為自体の変化, 2) 宗教実践が含み込む意味のレリヴァンスが社会的コンテキストと齟齬をきたす, 3) 宗教実践を身体化する共同体の解体と仮定し, 宗教実践の持続・変容の要因を特定化したい。使用するデータは, 東北タイ, ウドンタニー県西部の一農業村落において, 1992, 3年, 筆者が実施した 103 戸の全数面接調査と事例研究から得ている。
  • 野辺 政雄
    1995 年 46 巻 3 号 p. 348-364
    発行日: 1995/12/30
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
    岡山市における人口の社会増加の大部分は, 岡山県内の市町村からの流入超過であった。本稿の課題は, (1) 流入者の出身地の人口規模は, その人が岡山市の社会階層上の地位達成にどのような効果を与えているか, (2) 流入者は, 岡山市の社会階層におけるどの地位を占めるかを, 解明することである。岡山市に住む60歳未満の既婚女性を対象に調査を実施し, 次の3つの知見を得た! (1) 出身地の人口規模が大きいほど, 流入者は学歴と夫の職業威信スコアで高かった。そして, 出身地の人口規模は, 流入者の夫の職業に直接的な効果を及ぼしていたけれども, 本人の学歴に対する効果はそうではなかった。 (2) 人口規模の最も大きい中・大都市出身の流入者は, 学歴という階層変数で岡山市の上層階層を形成するのに対し, 人口規模の最も小さい町村出身の流入者は, 夫の職業という階層変数でその下層階層を構成する傾向があった。ただし, 岡山市よりも人口規模の小さい小都市出身の流入者は, 岡山市出身者と, いずれの階層変数でも違いはなかった。これは, 小都市で10代の一番長い期間をすごした人々のうち, 教育・職業アスピレーションで特に高かった人々が岡山市へ流入したからであると, 説明できる。 (3) 大都市での調査結果から帰納された, 都市流入と社会移動に関する仮説が, 日本の県庁都市でも部分的に妥当することを, 以上の結果は示している。
  • 『都市社会学のフロンティア』3巻を読んで
    稲上 毅
    1995 年 46 巻 3 号 p. 365-371
    発行日: 1995/12/30
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
    中心が崩れ落ち, 周辺への意志が増幅されている。ディシプリンが曖昧でそれだけ個人芸に頼りがちな社会学がこの時代のモメンタムから自由でいられるわけもなかった。いくつかの「イズム」が虚空に舞い, 個体性のドキュメンテーションに拍車がかかった。いたるところで音信不通と立枯れが生じた。日本に限ったことではないが, この四半世紀ほどのうちに浮き彫りにされた現代的な風景である。病理ばかりが封印されているわけではないだろうこの中心喪失とパラレルな断片化 (Fragmentation) は, いったいどこまで進むのか。
    そんな捉えどころのない思いに駆られていたとき, 『都市社会学のフロンティア』 (全3巻) に出会った。何人かの友人が寄稿していることも手伝って, 一遍に喉の乾きを覚えた。それがいけなかった。まったくの門外漢であることも忘れて書評まで引き受けることになってしまった。それでも, 私の大きな期待は, 壁頭におかれた倉沢進の「都市社会学のフロンティア」を読んで一層膨らんだ。彼を含む「第 2世代」の「ミクロな世界がその主題であった」都市社会学を超えて, 「都市そのものの発展を説明する巨視的な新しい理論図式がいまや都市社会学に課せられており」, その課題を担って立つだろう「都市社会学の第3 世代のマニフェスト」が本シリーズにほかならない, と明記されていたからである。
  • 金子 勇, 森岡 清志
    1995 年 46 巻 3 号 p. 372-375
    発行日: 1995/12/30
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 盛山 和夫
    1995 年 46 巻 3 号 p. 376-377
    発行日: 1995/12/30
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 海野 道郎
    1995 年 46 巻 3 号 p. 377-379
    発行日: 1995/12/30
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 勝又 正直
    1995 年 46 巻 3 号 p. 379-381
    発行日: 1995/12/30
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 古城 利明
    1995 年 46 巻 3 号 p. 381-382
    発行日: 1995/12/30
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 46 巻 3 号 p. 382
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/01/29
    ジャーナル フリー
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