社会学評論
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48 巻, 1 号
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  • 三隅 一人
    1997 年 48 巻 1 号 p. 2-16
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
    本稿は階層別のサポート供給率の分布パターンを説明するために, 人びとがサポートを供給しようとするときの需要認知に集団単位の選別化が働き, それが集計的にサポート供給率の階層差パターンを生みだす仕組みをモデル化する.集団は自助能力水準によって階層化されていると仮定し, 供給対象の選別は「選択志向」としてモデルに組み込まれる。認知条件によって絞りこまれた17タイプの選択志向のうち, 2タイプは階層差を生じず, 7タイプは無条件的に上位集団ほど供給率が高い比例的な分布パターンを生む。残りの8タイプでは分布パターンが階層形態と階層間格差に依存する。そこでピラミッド型とダイヤモンド型の2つの典型的な階層形態のもとで調べてみると, 下位集団ほど供給率が高い逆比例パターンと中位集団ほど供給率が高いDパターンはどちらの階層形態のもとでも出現しうるが, 中位集団ほど供給率が低いKパターンはダイヤモンド型でのみ, しかも他集団のサポート需要を優先的に認知する「異類」タイプの選択志向においてのみ出現しうること, 等が確かめられた。
  • 室井 研二
    1997 年 48 巻 1 号 p. 18-31
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
    従来, 理論と実践は対立概念として想定されてきたといえるが, 今日では実践それ自体が理論的な主題とされる場合も多い。本稿では「実践」の理論的含意を主にA.ギデンズの学説に即して考察する。最初に, 意味学派的用法の「実践」が, マルクス主義的用法とは異なったやり方で, 近代認識論に対する方法論的な対抗を意図した概念であることを指摘し, その内容をやや敷衍して解説する。ギデンズの「実践」もそのような意味学派の知見に依拠し, 社会研究の方法論的再考を志向するものであるが, 同時にそれ自体が日常的な人間行為のモデルとしての側面も備えている。それ故, 次に, そのモデルの内実について検討する。主眼とされるのは意識的な対象化に先行するいわば社会内属的な次元での「理解」の様態や準拠基盤であるが, その大要を主に時間と空間といった観点に引きつけて整理した。最後に, 人間行為に対するそのような着眼の背後には, 社会的現状認識や望むべき社会構築のあり方に関するギデンズ独自の価値観が投影されており, 近代批判としての視角が意図されていることを指摘する。他の批判理論との比較を通して, その特徴と可能性について検討した。
  • 圓田 浩二
    1997 年 48 巻 1 号 p. 32-46
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
    人は誰でも, 美というものにかかわって生きている。ある人はバッハの音楽を聴くと無上の喜びを覚え, ある人はルノワールの絵画を見ると心がなごむという。別の人ならば, 夜空の星の輝きにひかれるかもしれないし, 野山に咲く花が好きでよく散策に出かけるというかもしれない。また日本人は夕焼けに美しさを感じる民族であると言われている。これらの人々がバッハの音楽やルノワールの絵画, 星や花という対象に見いだし, 日本人が夕焼けに感じているのは美である。本稿では, これまで社会学では顧みられてこなかった美の問題を, 身体という観点からメディアとしてとらえることによって考察している。その足がかりとなるのは, ルーマンの芸術のメディア論である。そして美は, 準拠するシステムと対象との関係を創り上げるメディア (媒体) として把握される。美は快を付与することによって対象との関係を産み出す, 一般的なメディアである。美のメディア論が展開される上で生じてきた諸問題は, 感情-身体レベルに依拠する美と, そこから自律した美という枠組みを中心に展開されている。そして最後に, メディアとしての美という観点から, ダイエットの事例の分析を試みている。
  • 非西洋社会の都市化における「帰属的機能組織」の生成と変容
    魯 富子
    1997 年 48 巻 1 号 p. 47-61
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は, 韓国の都市化に伴う同姓組織の形態と機能の変化を把握することによって, 同姓結合の今日的意義を明らかにすることにある。韓国の都市では, 都市化の進展に伴って, (1) 宗親会における上層ネットワークを軸とする「包括的な同姓結合」だけでなく, (2) 同姓下部組織における同姓個人に心理的安堵感を与える「分節的な同姓結合」もまた新たに生じて, 今日この二つの水準の同姓結合がみられる。このような同姓結合の今日的意義として, 不安定な韓国都市化を背景にした, 同姓への「帰属意識」を指摘することができる。本稿は, 同姓組織の意味を「帰属的機能組織」として捉え, この概念が, 非西洋社会における都市化を解明する上で有効であろうと考える。
  • 『明治前期身分法大全』を通して
    嘉本 伊都子
    1997 年 48 巻 1 号 p. 62-82
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
    本稿は, 近代日本の搖籃期における「国際結婚」を『明治前期身分法大全』を通して分析する。明治政府は, ナポレオン法典を模しながら, 明治6年に内外人民婚姻条規を制定した。国籍法, 帰化法制定よりも実に四半世紀も早く国際結婚に関する法律を定めたことになる。「外国人の婿養子」が「日本人タルノ分限」を得ることを許した規定は, 世界でも稀であった。分限とは, 「家」の成員になることによって得られる社会的地位を指す。
    ナポレオン法典と内外人民婚姻条規との相違を, 婚姻によって, 妻の国籍は夫に従い, その結果父の国籍が子に伝わる西洋型の「父系血統優先主義」と「分限主義」とに分けて考察する。さらに, 「国際結婚」の歴史的実態に密着した分析枠組みを提案する。国籍法制定以前の考察期間における「国際結婚」の分析は, 夫あるいは妻の国籍別で分類するよりも, 婚姻形態と「分限」の得失に着目した以下のカテゴリーを利用したほうが, 有益であると考える。
    (a) 日本人女性と外国人男性の組み合わせで日本人女性が「婚嫁」する場合
    (b) 日本人女性と外国人男性の組み合わせで外国人男性が「婿養子」となる場合
    (c) 日本人男性と外国人女性の組み合わせで外国人女性が「婚嫁」する場合
    (d) 日本人男性と外国人女性の組み合わせで日本人男性が「婿養子」となる場合
    上記のような歴史社会学的類型を用いて, 分限主義時代の「国際結婚」の特徴を明らかにする。
  • 中野 秀一郎
    1997 年 48 巻 1 号 p. 83-85
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
  • 伊藤 智樹
    1997 年 48 巻 1 号 p. 85-86
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
  • 松本 康
    1997 年 48 巻 1 号 p. 87-88
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
  • 渡辺 聰子
    1997 年 48 巻 1 号 p. 88-90
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
  • 京谷 栄二
    1997 年 48 巻 1 号 p. 90-91
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
  • 河村 望
    1997 年 48 巻 1 号 p. 92-93
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
  • 村井 久二
    1997 年 48 巻 1 号 p. 94-95
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
  • 米村 千代
    1997 年 48 巻 1 号 p. 96-98
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
  • 直井 道子
    1997 年 48 巻 1 号 p. 98-99
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
  • 金子 勇
    1997 年 48 巻 1 号 p. 99-101
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2009/10/13
    ジャーナル フリー
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