社会学評論
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49 巻, 2 号
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  • 社会学的人間観の歴史的形成過程
    菊谷 和宏
    1998 年49 巻2 号 p. 172-187
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
    本稿は, コントからデュルケームへの社会学的実証主義の系譜の背後に隠れ, これまで我が国では顧みられることの少なかった, トクヴィルからデュルケームへの社会思想の深化の系譜をたどりながら, 我々が今日当たり前のものとして用いている社会学的人間観が, どのように形成されてきたか, その一つの過程を描き出すものである。
    その際, 一八四八年二月革命とドレフュス事件という近代フランス史上の二つの, 時代を画する社会的事件を取り扱い, これらの歴史的事象が社会科学的認識の形成に与えたインパクトを明らかにしつつ議論を進める。
    その結論として, 我々の人間観 (の少なくとも一部) が, 歴史的に形成された, 超越性 (一般・普遍性) と世俗性 (個別・具体性) という相対する二つの認識視角を, その矛盾を内包しつつかろうじて融合させることによって成り立っていること, またそのような融合にはこれを支える一つの「権威」が不可欠であることが明らかとなり, またこのような人間観の分析は「コントからデュルケームへ」ではなく「トクヴィルからデュルケームへ」の社会認識の深化の過程を追うことによって有効に行われうるという可能性が提示される。
    またさらに, このような人間観の形成過程が, 同時に, 今日的な意味における社会観の形成過程でもあることも明らかとなろう。
  • 佐藤 嘉倫
    1998 年49 巻2 号 p. 188-205
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は, 合理的選択理論に対する批判を分類し, それぞれの批判の論理構造を検討し, 受け入れるべき批判を明らかにすることである。 批判は次のように分類される。 (1-a) 選好の文化依存性の指摘, (1-b) プロスペクト理論, (2-a) 合理性仮定の経験的妥当性に対する批判, (2-b) 共有知識仮定に対する批判, (3-a) 経験的事象の説明可能性に対する批判, (3-b) 複数均衡の存在に対する批判, (3-c) 社会現象は行為から成り立つとは限らないという批判。
    これらの批判のうち, (1-a) から (2-b) までは, 合理的選択理論の仮定に関する批判である。これらの批判は, 経験科学理論に対する批判として意味がないわけではないが, 理論の説明力を無視して仮定の妥当性のみを問うならば, 生産的ではなくなる。 (3-a) の批判は, 合理的選択理論の説明力に対する批判であり, 重要である。 (3-b) の批判に対しては合理的選択理論は適切に対処できる。 (3-c) の批判は, 合理的選択理論よりも優れた説明力を持つ理論を提示していないので, 現状では受け入れるわけにはいかない。 以上の批判の検討から, (3-a) の批判に適切に対処することが, 合理的選択理論をより豊かな社会学理論にするメイン・ルートであると結論される。
  • コードの歴史的記述分析とその含意
    荻野 達史
    1998 年49 巻2 号 p. 206-220
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2010/04/23
    ジャーナル フリー
    社会運動の文化とホスト社会の文化との関係性について, 理論的に言及する研究は近年多く見られるが, その分析方法のレベルで定型的な様式が存在するわけではない。そこで本稿では, 集合行為フレームの動員潜在力に関する理論的考察を導入としつつ, 実際に事例研究を行い, 一つの分析方法を提示することに照準している。まず, 理論的作業を通して, 二つの分析課題を抽出した。第一に, 集合行為フレームを構成するコードの社会的一般性を検討すること。第二に, 集合行為フレームが, 他の文化的領域において意味付与される, すなわち〈接合〉 (articulation) される可能性について, フレームの内的構成および外的な文化的文脈の両面から検討することである。これらの課題は, 焦点となるコードの生成と一般化を, そして関連的な言説領域の内的分化とその動態を, 歴史的に記述する作業において果たされるものである。次に, 事例研究では, 「いじめ」問題に関わる集合行為フレームを取り上げた。その中で使用されている, 「母親」カテゴリーに付帯するコードが特に注目されるべきことを示した上で, そのコードの一般化が「主婦」言説領域で生じたことを明らかにした。また, 同じく「主婦」言説の内的な布置状況から, その一部が当該の集合行為フレームを吸引する可能性があることも検討した。以上の作業を通して, 本研究は社会運動論における文化分析のありうべき焦点や方法を具体的に示したものである。
  • 区画整理住民運動による「まちづくり」を事例に
    今西 一男
    1998 年49 巻2 号 p. 221-237
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2010/04/23
    ジャーナル フリー
    At present, there is the argument that the residential movements have changed from “negative” movement to “creative” movement. But the detail of “creative” movement is not examined enough.
    In this paper, we tried to explain about “Community Planning” as “creative” movement. We analysed “Community Planning” by the residential movements of land readjustment.
    A general survey of the residential movements of land readjustment leads us to believe that the movements have not changed into “creative” movement. And we conducted two case studies at NISHIMIZUE DISTRICT in Edogawa Ward, Tokyo and FUJIMICHO DISTRICT in Hiratsuka City, Kanagawa. At NISHIMIZUE DISTRICT, any alternative proposals for space control were not presented by the movements, because a great deal of private rights were claimed. At FUJIMICHO DISTRICT, there is a sign of “creative” movement. The movement construct universal publicity. In this study, we understood that universal publicity is constructed as the advanced concept of critical publicity.
  • 秋山 憲治
    1998 年49 巻2 号 p. 238-254
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2010/01/29
    ジャーナル フリー
    1980 年代初頭以降, 労働者協同組合, ボランティア活動, シルバー人材センターなどの働き方, すなわち “新しい労働” が日本社会に定着してきた。
    これについては, 協同組合運動, 高齢者の生活, 女性の活動, 社会福祉, オルタナティブ運動などの観点から, 多くの研究が行われてきた。 労働という観点からの代表的な所説では, 労働者協同組合, 有償相互扶助活動, シルバー人材センターを, 雇用や自営の労働に対置している。また, ボランティア活動と家事労働を, 職業労働一般に対置している。しかし, 雇用や自営の労働ないし職業労働一般との比較も, 労働としての包括的な把握も十分ではない。
    そこで小論は, 雇用や自営の職業, 職業労働を視野に入れて “新しい労働” を理論的にとらえることを目指している。その際, 労働成果の潜在的な消費者の範囲が, “新しい労働” をとらえる鍵になる。潜在的な消費者の範囲を規定するものは, 労働の社会的有用性であり, この有用性には四つの意味がある。それぞれの労働に内在する社会的有用性の論理をふまえて各種の労働を位置づけると, 各種の “新しい労働” のなかで, 雇用や自営の労働と連続した労働と, 断絶した労働という相違が明確になる。これが, 職業労働と非職業労働とを再考する手がかりになる。
  • 類型論の射程と限界
    山田 信行
    1998 年49 巻2 号 p. 255-269
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2010/01/29
    ジャーナル フリー
    本稿では, 国家が提示する政策における差異の根拠について, 福祉国家を素材として理論的に検討し, 主としてスコッチポルたちが提唱する「国家-中心アプローチ」に対して批判を試みる。そのためにまず, 福祉国家 (形成) における具体的な「差異」を確認したうえで, 福祉国家を含めた資本主義国家の政策形成のプロセスを, 階級をはじめとする社会関係からのインプット, 国家成員によるインプットされた利害関心の政策への媒介あるいは変換, 媒介された利害関心の政策としてのアウトプットとして把握する。次に, 資本主義国家の構造的種差性として国家成員が必ずしも階級には還元されない独自の利害関心を持つことを確認する作業を通じて, アウトプットに依拠して政策の類型化あるいは差異化を行うことは理論的に限界があることを明らかにする。最後に, 冒頭で確認した福祉国家における「差異」の発生に関して, 提示した新たな枠組に基づいて簡単な概観を試みる。
  • 西南戦争をめぐる報道からの考察
    加藤 裕治
    1998 年49 巻2 号 p. 270-285
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
    本稿は明治初期に活躍した二人の新聞記者, 成島柳北と福地源一郎の西南戦争をめぐる報道態度と (新聞) 報道言説に着目し, 「中立的 (ニュートラル) な視点」に基づいて事実を伝達すると想定されている「客観的報道言説」が, 「文学的定型 (物語) に基づく言説」を拒絶する地点で可能になったことを指摘する。その上で, そうした報道言説に含まれているパラドックスの可能性と隠蔽の問題を, タックマンによる「枠組」の概念に基づきながら検討し, こうした「中立的な視点に基づく事実によって出来事を知らせること」を指向しつつ誕生した「客観的報道言説」が, 実際には不可能であることを指摘する。
  • 雑誌の言説における社会的物語
    谷本 奈穂
    1998 年49 巻2 号 p. 286-301
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
    従来, 研究対象として無視されがちであった恋愛に関する言説を分析し, 恋愛の社会的物語を明らかにする。また分析素材として雑誌記事を採り上げるが, その方法として, 個々の記事を社会的物語の「断片」と捉え, それらを一つの物語として「復元」するというやり方を提案する。また, その際には物語記号論と物語論を援用する。分析の結果, 見えてきた現代的恋愛モデルは, (1) プロセスが肥大し結末は延期された, (2) 享楽的で苦しみを最小化している, というものである。更に, このモデルを生み出し, また受け入れる読者 (若者) の心性は, 以下のような側面を持つと解釈できる。 (1) 結果よりプロセスを大事にする。 (2) 仲間内でシェルターの中に閉じこもる。 (3) 最終決定を避けようとする。
  • 土場 学
    1998 年49 巻2 号 p. 302-317
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2010/04/23
    ジャーナル フリー
    女性研究と男性研究を統合するものとしてジェンダー研究というアイデンティティが確立しつつある。しかし, この女性研究と男性研究がどのような意味でジェンダー研究として統合できるかということは今のところ曖昧なままにされている。
    しかしながら, 女性/男性研究 (運動) を誘導する「解放のパラダイム」の基本的論理を明らかにすることによって, それらの関係を簡潔に整理することができる。すなわち, この解放のパラダイムは, 大きく三つのタイプ-ジェンダー統一化のパラダイム, ジェンダー分断化のパラダイム, ジェンダー相対化のパラダイム-に分類することができる。そして, まず, ジェンダー統一化のパラダイムのもとでは, 女性/男性研究は, それぞれそのパラダイムのレベルで統一化されることで, それぞれのアイデンティティで閉じるよりは, ジェンダー研究というアイデンティティを確立しうる。 また, ジェンダー分断化のパラダイムのもとでは, それぞれそのパラダイムのレベルで分断化されることで, それぞれのアイデンティティで閉じ, ジェンダー研究というアイデンティティは確立しえない。さらに, ジェンダー相対化のパラダイムのもとでは, それぞれそのパラダイムのレベルで相対化されることで, それぞれのアイデンティティで閉じることも, ジェンダー研究というアイデンティティを確立することもできない。
    また系譜的に見ると, 「ジェンダーからの解放」のパラダイムは, ジェンダー統一化のパラダイムのもとで自立化し, ジェンダー分断化のパラダイムのもとで自閉化し, ジェンダー相対化のパラダイムのもとで自壊化するという否定弁証法的なダイナミズムを展開してきた。そして今やそれは, その解放の理念の出発点に立ち戻ったと見なすべきであろう。
  • 沢田 善太郎
    1998 年49 巻2 号 p. 318-324
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 富永 健一
    1998 年49 巻2 号 p. 325-328
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 古城 利明
    1998 年49 巻2 号 p. 329-330
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 片瀬 一男
    1998 年49 巻2 号 p. 331-332
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 原田 豊
    1998 年49 巻2 号 p. 332-334
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 庄司 興吉
    1998 年49 巻2 号 p. 334-336
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 竹内 洋
    1998 年49 巻2 号 p. 336-337
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 友枝 敏雄
    1998 年49 巻2 号 p. 337-339
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 西原 和久
    1998 年49 巻2 号 p. 339-343
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 三浦 典子
    1998 年49 巻2 号 p. 343-345
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 米村 昭二
    1998 年49 巻2 号 p. 345-347
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
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