社会学評論
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52 巻, 4 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 友枝 敏雄
    2002 年 52 巻 4 号 p. 484-485
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 「無媒介性の夢」をめぐるノート
    奥村 隆
    2002 年 52 巻 4 号 p. 486-503
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
    「社会」というリアリティが喪失している, という.では, いかなる状況において「社会」はリアルに経験されるのだろうか.そのひとつは, いわば「社会を剥ぎ取られた地点」を経験・想像することを通してであるように思われる.この地点から「社会」を認識・構想することを, これまで多くの論者が行ってきた.われわれは, この地点をどう想像できるだろう.そこから「社会」はどのように認識されるのだろう.
    本稿は, ルソー, ゴフマン, アーレントという3人の論者がそれぞれに描いた「社会を剥ぎ取られた地点」と「社会」への認識を辿るノートである.そこでは, 人と人とのあいだに介在する夾雑物を剥ぎ取った「無媒介性」とも呼ぶべきコミュニケーションに対する, 異なる態度が考察の中心となる.このコミュニケーションを希求しそこから「社会」を批判する態度を出発点としながら, 「同じさ」と「違い」を持つ複数の人間たちが「社会」をどう作るかという課題への対照的な構想を, 本稿は描き出すことになるだろう.
  • John H. Goldthorpeの社会移動論と合理的選択理論
    太郎丸 博
    2002 年 52 巻 4 号 p. 504-521
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2010/04/23
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は, John H. Goldthorpeの問題構成と研究スタイルの検討を通して, 社会階層論とミクロ・マクロ・リンクの関係を明らかにすることである.ミクロ・マクロ・リンクの意味と枠組みを確認した上で, Goldthorpeの問題構成と研究スタイルを検討する.その結果, 以下のような知見がえられる.冷戦下では, マルクス主義と産業主義という2つの歴史主義的な理論を量的なデータ分析から “反証” することがGoldthorpeにとって最も重要な課題であり, そのためにはマクロ社会学がもっとも有効なスタイルであった.そのことが社会移動のミクロなプロセスの軽視につながった.しかし, 冷戦が終結し, マルクス主義も産業主義もその力を失ってしまったため, Goldthorpeにはデータを説明する物語がなくなってしまった.そこで, マルクス主義と産業主義にかわって物語を構築する理論として, 合理的選択理論をGoldthorpeは用いる.彼にとっては, 合理的選択理論はマクロな社会移動のトレンドを説明するためのミクロなプロセスの理論としてもっとも有望なものである.なぜなら, 合理的選択理論は抽象的で匿名的な個人像を仮定するがゆえに, マクロな現象に対して強い説明力を持つことができるのであり, 今のところ合理的選択理論以上にミクロ・マクロ・リンクに成功した理論はないからである.
  • 木本 喜美子
    2002 年 52 巻 4 号 p. 522-540
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
    本稿は, 日本の大手総合スーパーのひとつであるX社におけるインタビュー調査にもとづいて, 労働組織におけるジェンダー関係の再生産過程および変容過程を把握しようとする実証的研究である.労働組織をとらえるさい本稿は, 組織の上からの意思決定が組織構成メンバーに浸透していくまでに介在する上司と部下のコミュニケーション過程を重視し, 下からの応答・交渉関係を把握しようとする.組織を動態的にとらえるためには, フォーマルな側面のみならずインフォーマルな側面にも光を当てる必要があるからである.
    本稿が明らかにしえたのは, 第1に, 人事異動や上司の言動のなかに明らかに男性中心主義が埋め込まれているという事実である.第2に, 労働組織のなかに分離線が引かれており, 上からのマネジメントが届きにくい領域 (「あの人たち」に対する「私たち」という世界) が組織の下部を構成する一般職女性やパートタイマーによって作り出されている.第3には, 女性店長がとるマネジメント・スタイルには, この「私たち」の領域に働きかけていくボトムアップ型という点で共通性がみられる.X社のトップマネジメントが選択した「女性店長づくり」は, 「どうせお飾りだ」という酷評もあったなかで, 労働組織のトップとボトムとの距離を近づけるマネジメント・スタイルの価値を可視化させることによって, ジェンダーに中立的な組織変革へと向かう可能性を生みつつある.
  • 阪神大震災の意味するもの
    岩崎 信彦
    2002 年 52 巻 4 号 p. 541-557
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
    1995年1月17日に発生した兵庫県南部地震は, 人々がまったく予測していなかったなかで, 大都市を直撃した.防災の備えが不十分であったので, その分, 日常性のなかにあった都市社会の成り立ちが, 被害, 避難生活, 復興過程の諸事象を通じて赤裸々に表れていった.
    ミクロからマクロに至る震災事象を解明しながら, まず, ベックの「リスク社会」の観点から見た阪神大震災の特質を考察する.家屋倒壊と死亡被害の甚大性と偏り, そして, それが神戸市による都市経営の推進と地域社会の階級的な分解によってもたらされたことを考察する.そこには行政主体のリスク認識の歪みと欠落があり, また, 住民のあいだにリスク認識の一般的欠落があった.
    次に, 都市経営の問題性とボランティア団体の市民活動の発展に注目し, その意義を市民社会という概念の構成論を通じて解明する.「市民社会 (burgerliche Gesellschaft) 」=「都市」は, 近代において「ブルジョワ社会」へと転変し, 「国家」「資本主義経済」と「市民社会 (civil society) 」へと分離する.「市民社会 (civil society) 」を社会の「再帰的/自己内省的 (reflexive) 」な主体ととらえることによって, 被災地に発展している市民活動が志向する新しい市民社会の可能性に言及される.
  • マクロ-ミクロモデルをこえて
    樋口 直人
    2002 年 52 巻 4 号 p. 558-572
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
    本稿ではブラジルから日本への出稼ぎの事例を素材として, 国際移民におけるマクロ-ミクロリンクを検討する.マクロな労働力需給の不均衡とミクロな行為者の動機を国際移民の説明変数とするアプローチは, 以下の2つの理由により現実の説明として不十分である. (1) 労働力需給の不均衡から予測されるほどには移民が発生しない一方で, 特定の地域から多数の移民が生じる要因も説明できない. (2) ブラジルから日本への出稼ぎ現象は, マクロな構造変動によって生じたが, その後マクロ要因からは相当程度独立した人の流れを生み出した.こうした現実を説明するには, メゾレベルを重視する移住システム論の導入が有効性を発揮する.マクロな機会はミクロな行為者に直接認知されるのではなく, メゾである移住システムの媒介を経て初めて, マクロな構造的条件がミクロな行為を生み出す.今後の方向として, マクロ-メゾ-ミクロという3項を明示的に取り込んだモデルを彫琢し, メゾレベルのバリエーションに着目することで現実の多様性を解明することができるのではないか.
  • 赤井 正二
    2002 年 52 巻 4 号 p. 573-577
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 情報写像の媒介的論理
    正村 俊之
    2002 年 52 巻 4 号 p. 578-581
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 嘉目 克彦
    2002 年 52 巻 4 号 p. 582-583
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 中河 伸俊
    2002 年 52 巻 4 号 p. 584-585
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 林 芳樹
    2002 年 52 巻 4 号 p. 585-587
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 中西 祐子
    2002 年 52 巻 4 号 p. 587-589
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 辻 勝次
    2002 年 52 巻 4 号 p. 589-590
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 礒田 朋子
    2002 年 52 巻 4 号 p. 591-592
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 萬成 博
    2002 年 52 巻 4 号 p. 593-594
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 貝沼 洵
    2002 年 52 巻 4 号 p. 594-597
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 成基
    2002 年 52 巻 4 号 p. 597-599
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
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