人工呼吸
Online ISSN : 2436-3103
Print ISSN : 0910-9927
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原著
  • 石原 敦司, 吉眞 孝, 森 輝樹, 細川 貴弘, 都竹 晃文, 鈴木 純, 浅野 文祐, 野田 俊之
    2021 年 38 巻 1 号 p. 69-75
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/07/26
    ジャーナル フリー

    新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease-2019:COVID-19)で入院した中等症以上の患者(21例)に対し退院基準を満たした際の30秒椅子立ち上がり検査(30-seconds Chair Stand Test:CS-30)による労作時低酸素血症(ΔSpO2=安静時SpO2と労作時最低SpO2の差≧4%)と呼吸困難(Δ修正Borg Scale=安静時修正Borg Scaleと労作時最大修正Borg Scaleの差≧5)に関し後方視的に検討した。室内気で安静時SpO2は中央値97.0%、CS-30実施時の最低SpO2は中央値92.0%で有意差(P<0.01)を認めた。安静時の修正Borg Scaleは中央値0.5、CS-30実施時の最大修正Borg Scaleは中央値5.0で有意差(P<0.01)を認めた。CS-30実施時の低酸素血症は13例(62%)、呼吸困難は12例(57%)に認めた。CS-30実施時のΔSpO2とΔ修正Borg Scaleには有意な正の相関(ρ=0.66、P<0.01)を認めた。COVID-19患者において退院基準を満たした際のCS-30は労作時低酸素血症・呼吸困難の評価として有用であり、簡便に遠隔で行える評価法であることが示唆された。今後はコロナ後症候群(post-COVID-19 syndrome)として起こる労作時症状の評価を目的とし、より早期のリハビリ介入も考慮すべきである。

呼吸管理の工夫
  • 松本 昇, 錦戸 知喜, 竹内 宗之
    2021 年 38 巻 1 号 p. 76-81
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/07/26
    ジャーナル フリー

     スピーチバルブ(speaking valve:SV)は気管切開チューブに装着することで発声の経験(声量の増加)やコミュニケーション能力の獲得が期待できるだけでなく、成人では唾液の誤嚥防止効果が示されているが、小児では積極的に使用されていない。今回、過去に単純気管切開を行い在宅人工呼吸器装着となり、その後徐々に呼吸器の離脱が可能となった小児3例(3~9歳)を対象に、離脱中にSVの装着を試みた。またSV装着中の気道内圧をサンプリングチューブと圧トランスデューサーを用いて評価した。今回調べた3症例では、安静呼気時に2~10cmH2Oの圧上昇を認めた。また発声量の増加以外にも気道分泌物の減少、吸引回数の低下などの副次的な効果を認め、有害事象は認めなかった。SV装着は在宅人工呼吸器を使用中の小児においても検討することが可能であり、リスクのある小児でSV装着を試す場合、気道内圧測定法を併用することでより安全に実施することができる可能性がある

症例報告
  • 大田 進, 木村 友之, 松永 智宏, 森 麻衣子, 宮下 亮一, 小谷 透, 相良 博典
    2021 年 38 巻 1 号 p. 82-86
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/07/26
    ジャーナル フリー

    症例:63歳男性。急性膵炎のため他院に入院していた。膵炎は軽快していたが肺炎、急性呼吸促迫症候群(acute respiratory distress syndrome:ARDS)を併発し重篤な呼吸不全を認めたため精査加療目的で当院へ転院した。転院後より抗菌薬およびステロイドの投与を中心とした治療を行うとともに、気管挿管人工呼吸管理とした。その後も呼吸不全が進行し第6病日に静脈-静脈体外式膜型人工肺(veno-venous extracorporeal membrane oxygenation:V-V ECMO)を導入した。ECMO管理下での治療で病状は改善傾向にあったが、経過中に胸部X線およびCTで著明な胸水貯留像を認めた。胸水穿刺の結果より血胸と診断した。ECMO管理下でのドレナージ治療はリスクが高いと判断し第20病日にECMOを離脱した。その後にドレナージ治療を行い血胸は改善した。

    結語:本症例はECMO管理中に重篤な特発性の血胸を併発するも、ECMOを離脱しドレナージ治療を行うことで救命および社会復帰することができた。

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