日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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15 巻, 3 号
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教育講演Ⅱ
教育講演Ⅳ
  • 高橋 典明
    原稿種別: 教育講演
    2006 年 15 巻 3 号 p. 303-307
    発行日: 2006/04/28
    公開日: 2017/11/10
    ジャーナル フリー

    近年,薬剤による肺障害の報告が増加している.なかには重症で呼吸不全を呈する例もあり,呼吸管理を担う者にとってもその知識を身につけておく必要がある.薬剤性肺障害の診断は,すべての薬剤は肺障害を起こす可能性があることを常に念頭におくことから始まり,治療の基本は早期の確定診断,疑しい薬剤の中止,副腎皮質ステロイド投与である.そしてその診断と治療のためには,いくつかの基礎的知識が必要であると思われ解説した.

教育講演Ⅴ
  • 長濱 あかし
    原稿種別: 教育講演
    2006 年 15 巻 3 号 p. 308-312
    発行日: 2006/04/28
    公開日: 2017/11/10
    ジャーナル フリー

    訪問看護ステーションにおける慢性呼吸不全患者は,赤ちゃんからお年寄りまで,疾患も肺疾患・胸郭疾患・神経筋疾患・呼吸中枢障害などで,在宅酸素療法や人工呼吸療法に使用される機器も多様である.訪問看護師の役割は,①病状の悪化予防と悪化時の早期発見対応,②安全な機器管理の実施,確認,③日常生活状況の確認と対応・介護者の負担軽減である.在宅において,安心して生活ができることをサポートする必要がある.また,療養者を支えるチームの調整役としても期待される.

教育講演Ⅶ
教育講演Ⅸ
  • ―新しい職業性肺疾患に遭遇した産業医の経験―
    長南 達也
    原稿種別: 教育講演
    2006 年 15 巻 3 号 p. 317-318
    発行日: 2006/04/28
    公開日: 2017/11/10
    ジャーナル フリー

    産業衛生分野での呼吸管理上の問題にはじん肺や職業性喘息に加えて,健康増進法の施行を契機とした職場の喫煙対策の重要性が増している.私どもはIT素材工場の産業医としての経験から,従来知られていなかった物質(インジウム化合物)によると考えられる肺障害を見出した経緯,職場環境改善の効果,またそれと表裏の関係にある職場での喫煙対策の現状を報告する.

教育講演Ⅺ
  • ―閉塞型睡眠時無呼吸の関与―
    磯野 史朗
    原稿種別: 教育講演
    2006 年 15 巻 3 号 p. 319-322
    発行日: 2006/04/28
    公開日: 2017/11/10
    ジャーナル フリー

    乳幼児突然死症候群(SIDS)は,1歳以下の乳児が予期せず突然死亡し,その原因について病歴や死亡したときの状況,さらには病理解剖によっても明らかでない場合に診断される疾患である.近年の大規模な疫学的調査によりいくつかの危険因子が明らかとなり,それらの因子を乳児の環境から排除する国際的なキャンペーンの拡大により,先進国でのSIDSの発生率は大きく減少した.しかし,依然として多くの国では乳児の死亡原因の1~3位を占める重要な疾患である.最近の病態生理学的研究から閉塞型睡眠時無呼吸(OSA)がSIDS発症に関与することが強く示唆されている1).本稿では,どのようなメカニズムがOSAがSIDS発症につながる可能性があるのか,私見を含めて文献的考察を行う.

教育講演Ⅻ
緊急ワークショップ
  • 石原 享介, 佐藤 誠
    原稿種別: ワークショップ
    2006 年 15 巻 3 号 p. 326-327
    発行日: 2006/04/28
    公開日: 2017/11/10
    ジャーナル フリー
  • 山口 征吾
    原稿種別: ワークショップ
    2006 年 15 巻 3 号 p. 328-333
    発行日: 2006/04/28
    公開日: 2017/11/10
    ジャーナル フリー

    直後の状況:病院機能は大きく低下したが,外傷を中心とする患者が多数来院,酸素濃縮機の使えなくなった患者も多かった.入院患者の大部分を屋外へ避難させた.数日後:大部分の患者を転院させた.安全な部屋を簡易病室にした.救護活動:避難所の巡回や予防接種を行い,救護所を設置した.問題点:情報処理,患者の搬送,連携など今後の課題が残った.

  • 岩島 明
    原稿種別: ワークショップ
    2006 年 15 巻 3 号 p. 334-338
    発行日: 2006/04/28
    公開日: 2017/11/10
    ジャーナル フリー

    新潟県中越震災で「被災しつつも診療が継続でき」「被災病院からの患者に対応した病院」としての立場で果たした診療の役割を述べ,さらに災害時のネットワークおよび医療資源の再分配について振り返る.さらに,縦割りの組織の弊害を受けないような災害時在宅酸素療法のネットワーク構築の提案について述べる.

  • ―HOTプロバイダーの役割(新潟県中越地震)―
    大山 幸雄, 伊藤 史, 今井 弘子, 酒井 章, 大橋 悦夫, 大谷 昌伸, 菅原 重光
    原稿種別: ワークショップ
    2006 年 15 巻 3 号 p. 339-344
    発行日: 2006/04/28
    公開日: 2017/11/10
    ジャーナル フリー

    平成16年10月23日夕刻発生した新潟県中越地震は震度7の強震に加え,その後断続的に大きな余震が多数続き被害が甚大となった.在宅酸素療法患者(以下HOT患者)をフォローする酸素供給会社はただちに緊急体制を布き,患者の安否確認を行うとともに,その状況に応じた酸素ボンベのすみやかな供給および関係先への連絡を実施した.大規模な災害の場合,現地は通常の機能を果たすのが困難な状態に陥るため,近隣からの速やかかつ組織的な応援協力体制が必要になる.われわれは,阪神・淡路大震災を契機に災害発生時の初動,指揮命令系統,酸素供給機器の備蓄方法等について組織を挙げて取り組んできた.本稿では新潟県中越地震における緊急対応,特にHOT患者への対応と今後の課題について,酸素供給業者の立場から報告する.

  • ―在宅酸素療法患者の安否確認とその対応マニュアルの作成と地域に適した対策を―
    山本 昌司
    原稿種別: ワークショップ
    2006 年 15 巻 3 号 p. 345-347
    発行日: 2006/04/28
    公開日: 2017/11/10
    ジャーナル フリー

    平成7年1月17日に起こった阪神・淡路大震災は,われわれ医療機関に働く者,特に在宅医療に携わる者にとって数多くの教訓を残した.震災当時のHOT患者は29名(内,気管切開によるHMV 1名)おり,安否確認と酸素の供給,職員による自宅訪問,避難所の往診・訪問,ボランティアによる患者訪問,来院患者からの情報提供,地域開業医との情報交換,酸素納入業者への依頼などの役割が大きかった.<br>今後の対策はどのようにすべきか,当院の経験から患者データの整理(個人情報保護法の問題はあるが),酸素供給方法の問題,行政機関への働きかけ,マスメディアへの対応,地域医療機関との連携,ネットワーク作りなど,いつ災害が起こってもおかしくない現在,日常的にこれらのことを気にかけておく必要性を提案する.

  • 石井 昌生
    原稿種別: ワークショップ
    2006 年 15 巻 3 号 p. 348-350
    発行日: 2006/04/28
    公開日: 2017/11/10
    ジャーナル フリー

    大震災時保健所の役割を東灘保健所での経験を基にまとめた.早く現場に行き刻々と変わる状況に対応するため,保健所が中心になり,福祉事務所・医師会・歯科医師会・薬剤師会やボランティアの活用を図った.自分の住む町を守る心,平時の心構え,小学校区の大切さ,保健福祉の統合への必然性が理解できた.

  • ―宮城県北部地震での教訓―
    米谷 則美
    原稿種別: ワークショップ
    2006 年 15 巻 3 号 p. 351-356
    発行日: 2006/04/28
    公開日: 2017/11/10
    ジャーナル フリー

    平成15年7月26日,宮城県北部を震源とするマグニチュード6.4,最大震度6強の直下型地震が発生した.震源地に近く壊滅的な被害を受けた鹿島台町立病院と地域基幹病院である古川市立病院との間の医療情報の交換は,人海戦術に頼らざるをえなかった.今回の事象を振り返り,地震災害時の望ましい情報通信網のありかたについて考察した.

ランチョンセミナーⅢ
  • 一ノ瀬 正和
    原稿種別: ランチョンセミナー
    2006 年 15 巻 3 号 p. 357-363
    発行日: 2006/04/28
    公開日: 2017/11/10
    ジャーナル フリー

    気管支喘息の本態が気道の慢性炎症であり,その炎症には多彩な細胞が関与することが明らかとなってきた.そういった浸潤炎症細胞や構築細胞に広く作用点をもつ吸入ステロイドは喘息治療の第一選択薬である.吸入ステロイドでコントロールが不十分な患者には,長時間作用型β2刺激薬をはじめとしたAdd-on薬の併用が有効である.治療の目標は患者の日常生活が健常人と変わらないようにすることであり,こういった管理目標を第一評価項目とした薬剤トライアルも行われている.

ランチョンセミナーⅤ
  • ―耐性菌抑制のための適正抗菌薬療法のあり方を含めて―
    渡辺 彰
    原稿種別: ランチョンセミナー
    2006 年 15 巻 3 号 p. 364-369
    発行日: 2006/04/28
    公開日: 2017/11/10
    ジャーナル フリー

    薬剤耐性菌抑制を目的とした病院内採用抗菌薬数削減は逆効果のことが多く,最近の各種ガイドラインでは品目数を揃えながら1剤当たりの使用量を抑えること,不要・長期間の投与を抑えること,等の適正使用を薦めている.重症感染症例では高用量・短期間の抗菌薬投与が望ましいが,その際の選択薬には,従来からのカルバペネム薬に並んで注射用ニューキノロン薬の有用性が高く,交差耐性の少ないこの2系統を上手に使用したい.

ランチョンセミナーⅩ
  • ―急性憎悪は防げるか―
    山谷 睦雄
    原稿種別: ランチョンセミナー
    2006 年 15 巻 3 号 p. 370-375
    発行日: 2006/04/28
    公開日: 2017/11/10
    ジャーナル フリー

    気道ウイルス感染は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の急性憎悪を引き起こす.COPDは遺伝子多型性が発症に関与し,ライノウイルスは気道上皮細胞や炎症性細胞の炎症性物質合成やヒスタミン放出,好酸球活性化,肺炎球菌の気道上皮細胞接着促進などを引き起こす.喀痰調整薬などは,ライノウイルスの感染受容体の減少などを介して感染を抑制する.喀痰調整薬はCOPD患者の風邪の回数および急性憎悪の回数を減少させる.

ランチョンセミナーⅫ
イブニングセミナーⅠ
イブニングセミナーⅣ
  • ―たばこに関する取り組み―
    永井 厚志, 西村 正治
    原稿種別: イブニングセミナー
    2006 年 15 巻 3 号 p. 390-391
    発行日: 2006/04/28
    公開日: 2017/11/10
    ジャーナル フリー
  • 山本 蒔子
    原稿種別: イブニングセミナー
    2006 年 15 巻 3 号 p. 392-396
    発行日: 2006/04/28
    公開日: 2017/11/10
    ジャーナル フリー

    東北大学病院が全館禁煙を開始するに当たり,喫煙者の禁煙支援のため禁煙外来を開設した.紹介された患者の大半は重篤な疾患に罹患していた.主にニコチン置換療法を行った.2003年6月~2005年3月までの受診者は男性61名,女性27名の88名であり,禁煙成功者は男性で73%,女性で46%であった.今まで禁煙指導をされないまま,喫煙関連疾患に次々と罹患した例もあり,医師の積極的な禁煙指導が必要と思われた.

  • 坪井 永保
    原稿種別: イブニングセミナー
    2006 年 15 巻 3 号 p. 397-401
    発行日: 2006/04/28
    公開日: 2017/11/10
    ジャーナル フリー

    1985年に在宅酸素療法(HOT)が保険適応になってから,今年で21年を迎える.現在,わが国でHOTを行っている患者は約10万人と推定されており,年々増え続けている.

    HOT導入の際には,患者および家族に対する教育が必須である.HOT導入時の教育項目には,①HOTの意義,②機器の取り扱い,③酸素吸入流量,吸入時間,④火気の取り扱い,⑤緊急時の連絡法などがある.HOT患者が喫煙するということは,原疾患の憎悪につながるばかりでなく火災事故の危険性があるため厳禁である.禁煙の守れない患者には,HOTの導入を見送らなければならない場合もある.患者教育のなかでも禁煙指導は非常に重要である.

    1999年の米国のJohns Hopkins大学の調査ではHOT患者の4割以上が喫煙者であり,同大学病院では1990~1997年に21人のHOT患者が在宅での酸素吸入中の喫煙による火傷で入院したと報告している.

    わが国においても,HOTを行っている患者の喫煙による火災の報告が散見される.

    HOT患者の喫煙による火災事故を防ぐには,導入時の患者教育が重要である.本講演では,患者教育の際に用いる酸素の支燃性実験の結果や,安全に使用するためのポイントを紹介する.

  • 川根 博司
    原稿種別: イブニングセミナー
    2006 年 15 巻 3 号 p. 402-405
    発行日: 2006/04/28
    公開日: 2017/11/10
    ジャーナル フリー

    1997年に日本呼吸器学会が国内の学会として初めて「喫煙に関する勧告」を出した.それに引き続いて,他の多くの学会からも喫煙対策や禁煙などに関する提言・宣言が発表された.呼吸器関連学会としては,国際肺癌学会の「禁煙」東京宣言(2000年),日本肺癌学会の禁煙宣言(2000年),日本気管支学会(現日本呼吸器内視鏡学会)の禁煙活動宣言(2002年)がある.また,日本呼吸器学会は新たに喫煙対策の行動方針と行動指針をまとめ,禁煙宣言(2003年)を発表した.呼吸器医療に携わる者は非喫煙者であることを目指し,社会全体の禁煙推進を図ることが求められる.

  • 桜井 充
    原稿種別: イブニングセミナー
    2006 年 15 巻 3 号 p. 406-409
    発行日: 2006/04/28
    公開日: 2017/11/10
    ジャーナル フリー

    日本はたばこ枠組み条約を締結した.この点は評価すべきであり,健康の面からみてもたばこを減らすべきであるが,話は簡単ではない.なぜならば,国や地方の財政が悪化しているなかで,たばこ税は貴重な財源であり,さらに,たばこ小売業者や葉たばこ農家など,たばこ産業を生活の糧にしている人は多いからである.厚生労働省は,喫煙者を減らすことを掲げているわけであり,国はこれらの諸課題を積極的に解決していく必要性がある.

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