日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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20 巻, 3 号
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教育講演Ⅸ
  • 弦間 昭彦
    原稿種別: 教育講演
    2010 年 20 巻 3 号 p. 119-201
    発行日: 2010/12/28
    公開日: 2016/09/01
    ジャーナル フリー
    肺癌は,発癌において,間質性肺炎,膠原病,小葉中心性肺気腫,慢性気管支炎,嚢胞性肺疾患などの先行病変と関連し,6価クロム,イベリット,ウラニウム,アスベストなどの職業性因子とも密接な関係をもつことも報告されている.これら因子により発癌し病変が合併した場合,いろいろな問題点が生まれる.診断において間質性肺疾患が先行した場合,肺腫瘍関連陰影を認識しにくいという問題点がある.また,治療において慢性閉塞性肺疾患に伴う低肺機能のために手術・放射線療法の施行が制約されたり,間質性肺疾患の存在にて手術・放射線・化学療法といった肺癌の主たる治療において間質性肺疾患の増悪をもたらす場合があり,ガイドラインに沿った治療を施行できない場合が多い.このような肺癌症例の特殊性を理解したうえで適切な治療や管理を行うべきである.
シンポジウムⅡ
ランチョンセミナーⅩ
  • ─禁煙指導は保健医療従事者の重要な使命─
    西 耕一
    原稿種別: ランチョンセミナー
    2010 年 20 巻 3 号 p. 215-220
    発行日: 2010/12/28
    公開日: 2016/09/01
    ジャーナル フリー
    現在,「喫煙は喫煙病(ニコチン依存症+喫煙関連疾患)という全身疾患」であり,「喫煙者は積極的禁煙治療を必要とする患者」と認識されている.タバコ煙に多くの有害成分が含まれており,長期タバコ煙曝露により,がんなどさまざまな疾患のリスクが高まる.喫煙者の寿命は非喫煙者に比べ平均7~10年短くなり,日本においては約12万人の超過死亡が推計されている.すべての喫煙者に禁煙を勧めるのは医療従事者の重要な使命である.
シンポジウムⅢ
  • 黒澤 一, 鈴木 幸子
    原稿種別: シンポジウム
    2010 年 20 巻 3 号 p. 221-222
    発行日: 2010/12/28
    公開日: 2016/09/01
    ジャーナル フリー
  • ─急性期チーム医療の視点から─
    蝶名林 直彦
    原稿種別: シンポジウム
    2010 年 20 巻 3 号 p. 223-230
    発行日: 2010/12/28
    公開日: 2016/09/01
    ジャーナル フリー
    呼吸ケア・リハビリテーション学会(以下本学会)の拠り所としているチーム医療は,気管内挿管やNPPVでも重要なポイントであり,また病棟における人工呼吸器療法,─即ち亜急性期医療での呼吸ケアチームの役割が保険適応になるなど認識されてきている.さらに本学会の歴史的変遷をみた場合,呼吸不全の慢性期のみならず急性期医療にも深くかかわり,今後呼吸療法医学会とも十分連携をとりつつ進展すべきである.
  • ─慢性疾患看護専門看護師の立場から─
    竹川 幸恵, 長谷 佳子, 本城 綾子
    原稿種別: シンポジウム
    2010 年 20 巻 3 号 p. 231-234
    発行日: 2010/12/28
    公開日: 2016/09/01
    ジャーナル フリー
    本学会は,呼吸ケアに携わる多職種が一堂に会して,おのおのの職種の専門性に応じて最新の知識の習得を図るとともに,多職種の役割を把握し互いに尊重し協働するチーム医療の充実を可能とするものである.
    チーム医療のさらなる発展のために,看護師はチーム医療の一員として役割を果たせるよう患者,家族教育のスキルアップや呼吸器ケアに特化していない施設への教育などがあげられる.学会全体の取り組みとして,チーム医療の充実における問題点の明確化と対策の実施,終末期ケアの確立などがあげられる.
  • ─在宅医療の立場から─
    北川 知佳, 宮本 直美, 角野 直, 城石 涼太, 力富 直人, 千住 秀明
    原稿種別: シンポジウム
    2010 年 20 巻 3 号 p. 235-239
    発行日: 2010/12/28
    公開日: 2016/09/01
    ジャーナル フリー
    当院では呼吸リハビリテーションの継続方法として,外来リハビリ,通所リハビリ,訪問リハビリを行っている.実際の在宅医療の現場では,他職種との情報交換不足や,在宅医療にかかわる職種が呼吸リハビリテーションを理解していないため連携が機能しなかったりする.今後,本学会では在宅医療の現状を把握し,在宅医療にかかわる職種へ呼吸リハビリテーションの啓蒙と,呼吸ケアの立場での介護保険法の制度の見直しの提案が必要と思われる.
  • ─スタッフ教育の視点から─
    一和多 俊男
    原稿種別: シンポジウム
    2010 年 20 巻 3 号 p. 240-244
    発行日: 2010/12/28
    公開日: 2016/09/01
    ジャーナル フリー
    呼吸ケアに関する医療チームの個々の職種に対する教育の機会は,比較的充実している.しかし,チーム医療による呼吸ケアを広く実践,普及していくためには,中核をなす看護師(コーディネーター)や医師(ディレクター)の育成と教育が必要である.また全職種の専門家が揃った呼吸ケア医療チームが存在する医療機関は限られており,医療チームを構成する医療従事者は他職種の知識や技術を習得しなければならない.本学会は医療チームを構成する個々の職種の各学会と交流して,教育講演やcollaboration symposiumなどを通し,幅広い呼吸ケアに関する知識や技術を習得できる機会を設ける必要がある.その習得した知識と技術を用いてチーム医療で呼吸ケアを実践し,本学会学術集会で各医療機関での成果や問題点などを発表することによって,互いに啓蒙,教育していくことが重要であると思われる.
原著
研究報告
  • ─HOT患者の立場から─
    原田 友義, 小谷 素子, 大平 峰子, 鏑木 武, 酒井 雅木, 水田 雄一郎, 平井 一也, 黒澤 一, 石川 朗
    原稿種別: 研究報告
    2010 年 20 巻 3 号 p. 268-271
    発行日: 2010/12/28
    公開日: 2016/09/01
    ジャーナル フリー
    在宅酸素療法(HOT)患者に対するフライングディスクを用いたリハビリテーションの経験を患者の立場から報告する.移動距離が少なく呼吸を整えながら行うことができるこの競技は,HOTの酸素ボンベを携帯していても,車椅子が必要な患者でも十分に楽しむことができる.練習会への参加でADLの改善が期待できるだけでなく,競技会への参加を目標にすることで運動継続に対する動機づけやQOL改善の可能性がある.
総説
  • ─酸素療法ガイドライン・NPPVガイドラインの検証─
    岩永 知秋, 金子 靖子, 石松 明子, 古森 雅志, 吉田 誠, 野上 裕子, 麻生 博史, 中野 博, 岸川 禮子, 下田 照文
    原稿種別: 総説
    2010 年 20 巻 3 号 p. 272-277
    発行日: 2010/12/28
    公開日: 2016/09/01
    ジャーナル フリー
    COPD慢性安定期における酸素療法・NPPVガイドラインについて,残された課題を論じた.軽度の低酸素血症,運動時や夜間のみの低酸素血症における酸素療法の意義は明らかでなく,携帯用酸素供給の呼吸リハビリテーションに対する意義が注目されている.NPPVガイドラインで慢性安定期COPDに対する評価はエビデンスレベルⅡ,推奨度Cであり,有効例のサブ解析,呼吸リハビリテーションへの在宅NPPVの評価などが課題である.
症例報告
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