日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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23 巻 , 3 号
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教育講演III
ランチョンセミナーIII
  • 堀口 高彦
    原稿種別: ランチョンセミナー
    2013 年 23 巻 3 号 p. 261-267
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    喘息治療のfirst line drugは,吸入ステロイド薬である.治療薬剤の進歩とともに選択肢が拡がる一方,吸入デバイスも多様化しており,特に高齢者においては正確に吸入されておらず,期待される効果が得られていない場合もある.吸入療法という自宅での特殊な治療方法を要する呼吸器領域においては,普段われわれが気づかないところにさまざまな問題点が存在する.個々の背景を考慮して,視力,聴力,記憶力,筋力の低下などのハンディキャップにも対応する必要がある.また,非専門医にとっても吸入ステロイド薬のデバイスを選択する場合,何を目安に選択していけばいいか迷うことも多いと思われる.個々の患者の背景に合ったデバイスを選択できるように,その選択の目安をわかりやすくすることもわれわれ呼吸器科医の任務であると考える.本講演では,喘息治療モチベーション継続のコツについて述べた.
イブニングセミナーIII
  • 藤本 圭作
    原稿種別: イブニングセミナー
    2013 年 23 巻 3 号 p. 268-273
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    睡眠時無呼吸症候群(SAS)は,交通事故および労働災害の原因となるだけでなく,高血圧症,心臓血管疾患,耐糖能異常,脂質代謝異常といった生活習慣病の原因,悪化因子となり生命予後の悪化につながる.わが国でのSASの有病率は20%前後と高いが自覚症状に乏しく多くの患者が潜在しておりSASスクリーニングは必要不可欠である.SASスクリーニング機器の多くは身体にセンサを装着するタイプであり,センサの離脱およびセンサ装着による睡眠への影響が問題となる.スリープアイは従来の機器と異なり,膜型圧力センサを用いた無拘束タイプの簡易検査機器であり,感度および特異度は高く,センサの離脱および違和感を与えることなくスクリーニングに適しており,小児用に開発されたタイプも小児の睡眠呼吸障害のスクリーニングに有用である.本稿では,この無拘束タイプのSASスクリーニング機器の測定原理および有用性について報告する.
コーヒーブレイクセミナーIII
  • 猶木 克彦
    原稿種別: コーヒーブレイクセミナー
    2013 年 23 巻 3 号 p. 274-278
    発行日: 2013/08/03
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    進行肺癌治療は過去10年に大きく進歩し,一部の患者の闘病期間は2~3年以上にわたる.大きな要因の一つは分子標的薬の導入であり,EGFR阻害剤ゲフィチニブ,エルロチニブは本邦で2002年,2007年に承認された.2004年,筆者らが世界で初めてEGFR阻害剤がEGFR変異肺癌に効果が高く,EGFR変異頻度は日本人で欧米人よりも高いことを見出し,1次治療・2次治療以降にかかわらずEGFR変異肺癌に必須の薬剤となった.1年以内に増悪(耐性化)を認めることが多く,耐性化には薬剤濃度不十分(中枢神経転移),EGFR耐性変異,バイパス機構などが関与する.十分な薬剤濃度を保つこと,再生検での耐性機序の確認などが検討される.薬剤性肺障害には注意が必要である.当院の外来化学療法を行う腫瘍センターには,癌リハビリ,口腔ケア,緩和ケア外来もあり,積極的治療からサポーティブ治療までワン・フロアーで完結できる.
原著
  • 横山 俊樹, 田中 あかり, 高橋 遥, 宮城 芳江, 飯田 英明, 丸山 陽子, 塩原 まゆみ, 藤本 圭作, 久保 惠嗣
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 3 号 p. 279-283
    発行日: 2013/08/03
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    【背景】呼吸器疾患において十分な栄養管理を行うことは重要だが,その有効性については十分に評価されていない.【方法】信州大学医学部附属病院呼吸器センター/呼吸ケアカンファレンスにて栄養評価した患者について,必要栄養量および実際の摂取栄養量を後方視的に検索し,臨床的背景と合わせて検討を行った.必要栄養量の計算にはHarris-Benedictの式を用いた.【結果】64例(69.4±14.0歳,男43/女21)において栄養状態の評価が行われていた.必要栄養量は1876.4±419.3 kcalだったが,実際の摂取栄養量は1353.5±476.4 kcalと不足していた(p<0.0001).摂取栄養量の到達率80%以上群(n=28)と80%以下群(n=36)とに分け比較をしたところ,80%以上群では入院期間が有意に短く,生存日数も有意に長かった.【考察】包括的呼吸ケアを行った患者において,栄養介入が必要だと考えられたが,一方で十分な介入が困難な症例も認められ,疾患や患者ごとの個別性が重要であると考えた.
  • 松村 拓郎, 沖 侑大郎, 三谷 有司, 高橋 満, 藤本 由香里, 石川 朗
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 3 号 p. 284-287
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】長期療養型病床群での脳血管障害患者の医療・介護関連肺炎発症の実態について調査することを目的とした.【方法】長期療養型施設2施設に入所した脳血管障害患者54名(平均年齢83.9±10.1歳)を対象とした.対象者を入所期間中に肺炎を発症した肺炎群と発症しなかった非肺炎群の2群に分類し,入所時点での患者特性,入所期間中の死亡率を比較した.【結果】肺炎群は54名中12名(21.8%)で,12名すべてが嚥下障害をもつ75歳以上の後期高齢者であった.非肺炎群と比較して肺炎群は嚥下障害をもつ割合が高く(p<0.05),機能自立度評価表(FIM)スコアが低値であった(24.6±12.8 vs. 40.7±29.6, p<0.05).死亡率は肺炎群が有意に高値となった(HR:5.3, 95%CI:1.2-23.2, p<0.05).【結論】肺炎発症例の特徴から脳血管障害患者に発症する医療・介護関連肺炎の大部分が高齢者の誤嚥性肺炎であると推測された.また,この肺炎発症にいたる背景因子として嚥下障害の存在に加えてADL低下の影響が示唆された.
  • 大江 元樹, 日比野 真, 赤澤 賢一郎, 引野 幸司
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 3 号 p. 288-292
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    気管支喘息の治療の中心である吸入ステロイドのデバイスには,主にディスカス製剤とタービュヘラー製剤と構造の異なる2種類がある.構造上の違いにより,それぞれの適切な吸気流速には違いがある.通常の吸入指導では,ディスカス群で5.6%,タービュヘラー群で77.7%が至適吸気流速に達していない.ディスカス群では,60歳以上あるいは治療ステップの重症度に比例して,吸気流速が低下する傾向にある.より吸気抵抗の高いタービュヘラー群でも同様の傾向が予想される.この結果を踏まえ,吸入ステロイドを初回導入する場合は,IN-CHECKTMなどの吸気流速測定器を用いて,適切な吸気流速の指導を行うことが重要である.また,現在喘息のコントロールが不良の場合,一度吸気流速を測定してみることも大切である.
  • 田尻 守拡, 川山 智隆, 中村 信也, 松山 真理, 西村 繁典, 加藤 美津子, 内藤 佳子, 岡山 雄亮, 最所 知佳, 川野 奈菜, ...
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 3 号 p. 293-299
    発行日: 2013/12/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    後ろ向きに全身麻酔下未破裂大動脈人工血管置換術を受けた109名をCOPDと非COPD例に分けて術後肺合併症率と呼吸理学療法の有用性を検討した.COPD例は58名(53.2%)であった.術後肺合併症の危険因子は,COPD併存(15.0倍),臨床病期Ⅱ期以上併存(67.4倍),開胸手術(2.7倍)および60 mm以上の大動脈瘤手術(3.4倍)であった.COPD併存,臨床病期Ⅱ期以上および開胸手術はそれぞれ独立した術後肺合併症の危険因子であった.COPDの存在が術後肺合併症リスクを9.7倍にし,特にⅡ期以降のCOPDの存在はリスクを19.3倍にした.ただし,術後呼吸理学療法の導入は術後肺合併症患者の合併症解除までの日数や抗菌薬使用状況に影響を及ぼさなかった.半数以上の未破裂大動脈瘤例がCOPD未診断例で,COPDは術後肺合併症の独立した危険因子であり,COPDの認知度を高める必要性があると考えられた.
  • 辻村 康彦, 平松 哲夫
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 3 号 p. 300-307
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    慢性閉塞性肺疾患(COPD)における身体活動量は,抑うつや生活の質,近年では生命予後との強い関連性が示唆されており,重要な臨床指標となりつつある.呼吸リハビリテーションを実施する際にも,日常生活にその効果を反映するためには,身体活動量に何が影響を与えるのかを知ることが重要である.そこで本研究は,身体活動量計を用いてCOPD患者の身体活動量を検討した.さらに,影響する因子として,家庭・環境要因:自宅周辺環境,家事仕事の有無,運動機能要因:6分間歩行距離,SF-36の身体機能,心理要因:HADスケール,SF-36の心の健康の3要因6項目につき関連性を検討した.
    対象は,安定しているCOPD患者男性33例,平均年齢72.1±5.1歳,調査期間は4週間とした.調査で得られたデータは,GOLD(Global initiative for chronic Obstructive Lung Disease)の重症度分類に基づいてステージⅡ~Ⅳの3群に分け,それぞれ解析を行った.
    結果は,自宅周辺環境はすべてのステージで身体活動量に影響を与えていなかったが,家事仕事の有無,6分間歩行距離,SF-36の身体機能はすべてのステージで影響を与えていた.心理要因はステージⅣのみで影響を与えていた.
    この結果から,身体活動量に影響を与える因子は全患者共通ではなく重症度別に特徴があり,特に心理面への配慮が重要であることが得られた.これは,現在実施している運動機能向上重視の呼吸リハビリテーションの内容を見直す必要があることを示唆するものである.
症例報告
研究報告
  • 宮崎 慎二郎, 片岡 弘明, 石川 淳, 塩見 基, 山本 晃市, 広瀬 絵美子, 篠原 ひろみ, 宮崎 麻美, 粟井 一哉, 森 由弘
    原稿種別: 研究報告
    2013 年 23 巻 3 号 p. 313-317
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    NPPVの使用に際しては機器設定のみならず,インターフェイス選択,フィッティングなど導入や患者管理には医療スタッフの一定のレベルが要求される.今回,急性期におけるNPPV導入サポートと医療スタッフ教育を目的に「NPPV導入インストラクター制度」と称した院内制度を開始し,インストラクターによる24時間365日のNPPV導入サポートと,他の医療スタッフへ直接的に教育,アドバイスできる体制を整えた.
    本制度は急性期NPPV療法の適切な管理と,医療スタッフのNPPVに関する知識の向上,チーム医療の推進に効果的であると考える.
  • 桑原田 真弓, 山下 陽子, 竹川 幸恵
    原稿種別: 研究報告
    2013 年 23 巻 3 号 p. 318-322
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    死への不安が強くパワーレスネスのCOPD病期Ⅳの患者が,エンパワメントし退院を前向きに考えるという行動変容の過程において「患者が思いを表出できるように受け止める援助技術」「患者の試行錯誤のプロセスを保障する援助技術」「患者が自分に合った方法を選択できるように自己決定を支援する援助技術」「自信をもって取り組んでいけるように自己効力感を高める援助技術」を用いたことが明らかとなった.
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