50例の在宅酸素療法(HOT)患者(男性31名,女性19名,平均年齢68.0歳)の24時間酸素飽和度測定を行い,酸素不飽和(SpO2 90%以下)の占めた時間(ODR)と飽和度の低下度の両者からHOT患者用呼吸管理指標DIHOT(desaturation index for home oxygen therapy)を開発し,以下の知見を得た.
1. HOT患者の覚醒時DIHOTは平均137.9,睡眠時DIHOTは平均83.9であった.
2. DIHOTは従来のODRとの相関が高かった.しかし,DIHOTは自覚症状の程度など相関のみられた項目がODRよりも多く,より鋭敏に酸素不飽和に基づく呼吸管理状態を反映していると考えられた.
3. 覚醒時DIHOTと睡眠時DIHOTによる呼吸管理区分の明確化のためにクラスター分析を行った結果,5群に分割された.
4. 以上,HOTにおける低酸素状態を的確に把握するためには,DIHOTがODRより鋭敏であり,DIHOTの管理区分に基づいた指標は有用であると考える.
抄録全体を表示