研究 技術 計画
Online ISSN : 2432-7123
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29 巻 , 2_3 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 七丈 直弘, 柴山 創太郎
    原稿種別: 本文
    2014 年 29 巻 2_3 号 p. 64-68
    発行日: 2014/09/30
    公開日: 2017/10/21
    ジャーナル フリー
    Science in the present society faces increasing number of societalproblems (environment, energy, water etc.) as a result of economicdevelopment and advancement of scientific research. Most of theseproblems cannot be settled only by applying scientific knowledge ofsingle specific discipline, but coordination between different domainsof knowledge-Interdisciplinary Research-is indispensable. Althoughefforts to implement interdisciplinary research and education startedin the early 70s, accumulation of cases are still wanted, theoreticalunderstanding of the value chain in the interdisciplinary research oreducation is waited. In this special issue, seven cases ofinterdisciplinary research and education is presented, that is aimedto be the starting point to call more attention in this topic.
  • Jordi MOLAS-GALLART, Ismael RAFOLS, Puay TANG
    原稿種別: 本文
    2014 年 29 巻 2_3 号 p. 69-89
    発行日: 2014/09/30
    公開日: 2017/10/21
    ジャーナル フリー
    There is increasing interest among funding agencies to understand how they can best contribute to enhancing the socio-economic impact of research. Interdisciplinarity is often presented as a research mode that can facilitate impact but there exist a limited number of analytical studies that have attempted to examine whether or how interdisciplinarity can affect the societal relevance of research. We investigate fifteen Social Sciences research investments in the UK to examine how they have achieved impact. We analyse research drivers, cognitive distances, degree of integration, collaborative practices, stakeholder engagement and the type of impact generated. The analysis suggests that interdisciplinarity cannot be associated with a single type of impact mechanism. Also, inteidisciplinarity is neither a sufficient nor a necessary condition for achieving societal relevance and impact. However, we identify a specific modality -- "long-range" interdisciplinarity, which appears more likely to be associated with societal impact because of its focused problem-orientation and its strong interaction with stakeholders.
  • 標葉 隆馬, 飯田 香穂里, 中尾 央, 菊池 好行, 見上 公一, 伊藤 憲二, 平田 光司, 長谷川 眞理子
    原稿種別: 本文
    2014 年 29 巻 2_3 号 p. 90-105
    発行日: 2014/09/30
    公開日: 2017/10/21
    ジャーナル フリー
    知識経済とグローバル化に対応するための方策として,科学技術政策を始めとする種々の政策において高度知識人材の育成が議論されるようになって久しい。その間,大学-大学院レベルの教育において,高度な専門性に加えて,異分野との協働,コミュニケーション,そして説明・応答責任に関する能力の育成が求められるようになってきた。これらの高度知識人材に必要とされる汎用的能力の育成に関して論じられている事柄は,国内外の「科学と社会」教育が試みてきた「幅広い視野」の育成とも重なる議論である。しかしながら,とりわけ日本において大学院重点化が進められてきた状況を意識しつつ国内外の状況に目を向けるならば,大学院レベルにおける高度教養科目としての「科学と社会」教育プログラムの実施は,内外を問わず試行錯誤が重ねられているのが現状である。本稿ではこの状況を俯瞰しつつ,「総合研究大学院大学(総研大)」の事例を中心に,その現状を記述・検討する。総研大では,研究者の「幅広い視野」涵養を目的として,これまでに必修科目も含めた「科学と社会」教育の取り組みを行ってきた経緯がある。この作業を通じて,今後の「科学と社会」教育の可能性と解決すべき課題について考察する。
  • 安西 智宏, 木村 廣道, 仙石 慎太郎
    原稿種別: 本文
    2014 年 29 巻 2_3 号 p. 106-117
    発行日: 2014/09/30
    公開日: 2017/10/21
    ジャーナル フリー
    学際連携及び異分野融合(学際・融合)による研究開発は,科学研究・技術開発が主導するイノベーションの源泉として今日注目されている。とりわけ,拠点形成型の学際・融合研究開発プロジェクトは,研究機関や部局の枠にとらわれない研究者間の連携を促進し,自律的なマネジメントによる研究開発の生産性を向上させるための施策として,多くの政策プログラムを通じて取り組まれている。一方,これら研究開発プロジェクトの評価・設計・運営には定石が存在するとはいえず,手法論の確立が急がれている。そこで本報告は,学際・融合研究開発プロジェクトの推進及び設計プロセスの充実を図るべく,学際・融合研究開発拠点の活動実態をサーベイ調査により分析し,組織的支援の果たすべき役割,その重要性及び充足度の認識を評価した。また,拠点レベルの経営管理の実践を,政策レベルの設計・運用に反映するための組織・プロセスの在り方についても考察した。本報告で提案した,実績指標と活動指標とを包含する経営管理アプローチは,従前の成果指標に基づく評価プロセスに重点を置いた経営管理アプローチを補完し,学際・融合研究開発の組織的マネジメントの充実に貢献するものと期待される。
  • 鎗目 雅, トレンチャー グレゴリー
    原稿種別: 本文
    2014 年 29 巻 2_3 号 p. 118-131
    発行日: 2014/09/30
    公開日: 2017/10/21
    ジャーナル フリー
    社会的な課題の解決には,科学技術,経済,政治などの様々な要素が複雑に絡み合った問題の構造を学際的な観点から正確し,イノベーションを創出する必要がある。これまでの産学官連携は,比較的限られたアクター間でネットワークを形成し,主に特定の産業における技術的な開発を目的としていた。それに対して,サステイナビリティなどの社会的課題に向けたイノベーションの創出においては,必要となる知識が非常に多様で,関連するステークホルダーがより広範に社会に存在する。したがって,様々なステークホルダーとの連携を通じて,関連する多様な知識を統合的な活用し,社会実験を実施していくことが効果的である。先進的な事例として,スイス連邦工科大学チューリッヒ校による2000ワット社会バーゼル・パイロット・リージョンのケースを取り上げ,大学を中心とするステークホルダーとのプラットフォーム形成と社会実験を通じたイノベーションの創出の可能性を分析した。科学的知見に基づいた将来のビジョンの提案・共有,ステークホルダーとのプラットフォームの形成,明確で具体的な目標の設定,大学の研究者と産業の実務家との協働,幅広いステークホルダーの積極的な参加,社会実験を通じた新しい技術とシステムの開発,意思決定者へのフィードバック,制度設計への効果的な反映,社会における正統性の獲得と普及などが重要な要素として考えられる。
  • 山野 真裕
    原稿種別: 本文
    2014 年 29 巻 2_3 号 p. 132-143
    発行日: 2014/09/30
    公開日: 2017/10/21
    ジャーナル フリー
    学際研究の進展は,学問の進化の過程そのものである。学際研究進展と大学組織改革は,一方向的なものでなく,相互に作用を及ぼすものである。本稿では,東京大学大学院理学系研究科における事例として,(1)学際研究の進展に伴う組織改編および学際研究促進のための組織新設,(2)俯瞰力と独創力の養成を目指した大学院教育改革,(3)研究支援の専門職であるリサーチ・アドミニストレーター(URA)の配置を取り上げる。これらの3つの事例を通じて,学際研究の進展が大学の組織に変化を促し,また,大学が組織を変えることによって学際研究を加速させる様子を示す。また,学際研究促進のための,大学の戦略的な研究開発の支援を行う専門職の展望について述べる。
  • 伊東 真知子
    原稿種別: 本文
    2014 年 29 巻 2_3 号 p. 144-159
    発行日: 2014/09/30
    公開日: 2017/10/21
    ジャーナル フリー
    科学が発展する過程には,既存の研究分野にまたがる学際分野の形成が欠かせないが,科学の潮流を生み出しうる新しい分野の形成は日本では必ずしも活発ではない。学際研究にはさまざまな困難が伴うため,その軽減策を国から現場までのレベルにおいて検討・実施することが重要である。近年では書誌情報等の定量的解析の普及も進んでいるが,論文が公表される以前の学際研究はどのように芽生えるものであり,何に対するどのような支援が可能なのだろうか。今後の学際研究促進策の立案のために,定量的データを補完する定性的データを得ることを目的として,日本のゲノム研究コミュニティを例にとり,資料調査と研究者への半構造的インタビューをおこなった。学際分野への転進の契機には能動的な例も受動的な例もみられたが,その違いに対する否定的な言及はみられず,むしろ学際交流やハイリスク研究を制度設計によって促すべきという意見もみられた。学際交流の場は,研究に直接関係する情報交換だけでなく,優秀な若手研究者の奨励や,創造性に貢献する浅く広い人脈の形成という機能も担っていることが示された。学際的な分野であっても,研究者には深い専門性が求められ,異分野の知識や技術の習得にはまとまった時間と労力がかかる。今回は,大学院生時代に解析対象を広げた例と,学位取得直後に集中的に習得した例がみられた。既に職を得た研究者が異分野に挑むための制度が望まれている。
  • ヤング吉原 麻里子, 玄場 公規, 玉田 俊平太
    原稿種別: 本文
    2014 年 29 巻 2_3 号 p. 160-178
    発行日: 2014/09/30
    公開日: 2017/10/21
    ジャーナル フリー
    本稿は,スタンフォード大学のBiodesignプログラムを詳述し,学際性を重視したイノベーション教育に関しての考察を展開する。Biodesignは,バイオ医療分野の技術イノベーションを支える次世代の人材育成を目的として,2001年に設立された,大学院修了者を対象とした教育プログラムである。最大の特徴は,イノベーションの創出に必要とされる属性として(1)the builder,(2)the organizer,(3)the researcher and,(4)the clinicianという四つのカテゴリーを抽出し,人材を異業種から採択していることである。Biodesignでは,この混合チームを医療現場に送り込み,豊富なコミュニーケーションを通じて潜在需要を発掘させ,そこに創造性の高い解を見いださせることで,大学発のバイオ医療デバイス発明を加速度化しようとしている。技術者,科学者,ビジネス経験者と臨床医という異質な人材に共同作業を行わせ,チームの学際性を独創性に変換させようとする試みだと評価できる。Biodesignの参加者は,バイオ医療知識の習得だけでなく,チーム編成のスキルを身につけ,個人的ネットワークを広げて,起業家精神を涵養する機会を与えられる。
  • 原稿種別: 文献目録等
    2014 年 29 巻 2_3 号 p. 179-184
    発行日: 2014/09/30
    公開日: 2017/10/21
    ジャーナル フリー
  • 石井 康之, 長平 彰夫
    原稿種別: 本文
    2014 年 29 巻 2_3 号 p. 185-199
    発行日: 2014/09/30
    公開日: 2017/10/21
    ジャーナル フリー
    特許データを用いた経済分析では,これまで特許出願された発明の価値を反映させるために被引用数が多用されてきた。被引用数で加重した発明の数と,企業価値や企業の生産性との関係を見る分析が多く存在してきた。同時に,被引用数以外にも発明の価値を表す属性について示唆した先行研究が存在する。たとえば特許出願された個々の発明が受けた異議申立や無効審判の数,IPC分類数,発明者数,外国出願の有無といった属性が,その価値の高さを示す属性である可能性が示唆されてきた。また,これら複数の属性を用いて単一の価値指標を算出する方法が先行研究によって示されてきたところでもある。しかし,これまで,こうした複数の属性を用いた属性統合指標が特許の価値を示すものとして経済分析で活用されるケースは,被引用数と比較するとほとんど存在しなかったといってもよい。そこで本稿では,6つの産業に属する企業62社の特許出願データを用いて,被引用数によって示される価値指標と,複数の属性を統合した価値指標(属性統合指標)とのどちらが,より適切に発明の価値を表しているかを比較分析することとした。コブ・ダグラス型生産関数に双方のストックを付加し,それぞれの付加価値に対する説明力を比較した。分析の結果,属性統合指標の方が被引用数よりも,産業界の共通認識に適合すると同時に,企業の生産性に対してより高い説明力を有していることが確認された。
  • 品川 啓介, 玄場 公規, 阿部 惇
    原稿種別: 本文
    2014 年 29 巻 2_3 号 p. 200-213
    発行日: 2014/09/30
    公開日: 2017/10/21
    ジャーナル フリー
    青色発光ダイオード製品開発を例にとり,科学論文書誌情報をもとにこの製品開発に伴い生じた科学知識の爆発を分析することによって,その背後にある技術的プロセスイノベーションの特徴を探る。青色発光ダイオード製品開発においては,青色発光を可能にする新しい半導体結晶材料の候補として,ガリウムナイトライド(以下,GaNとする)結晶とセレン化亜鉛(以下,ZnSeとする)結晶が時期を同じくして存在し,結果,GaN結晶の開発成功によって初めて製品化を実現したことが知られている。科学論文の書誌情報をもとに,1970年から2012年(データ収集時におけるデータベースの最新収録年)までの両結晶開発推移を分析した結果,GaN結晶開発に関わる研究論文はロジスティック曲線を描くように増加する一方で,ZnSe結晶開発に関わる研究論文では緩やかな単調増加が観察された。GaN結晶開発に見られるこの曲線の前半には,科学知識の爆発と見られるGaN結晶開発研究の論文急増が生じており,GaN結晶の製品化を可能とするプロセス技術として知られるMetalorganic chemical vapor deposition(MOCVD)が研究課題として含まれていた。以上の発見から,GaN開発研究成功の背景には「科学的知識の爆発」が存在し,その爆発の様子は製品開発に関わる論文累積数の急激な上昇によって観察され,その因子のひとつとして科学を起点として形成される技術的プロセスイノベーションが挙げられることを指摘する。
  • 高橋 優人, 広瀬 章博, 川村 亮真, 金子 遥洵, 杉山 昌広
    原稿種別: 本文
    2014 年 29 巻 2_3 号 p. 214-228
    発行日: 2014/09/30
    公開日: 2017/10/21
    ジャーナル フリー
    近年,新たな地球温暖化対策として気候工学(ジオエンジニアリング)が関心を集めている。欧米では専門家の間で活発な議論がなされているのに対し,わが国ではそのような議論は殆ど見られない。本稿では,意見分布を調べるために行った,周辺の学問領域の研究者への気候工学に関するインタビューを報告する。欧米と同様,研究・実施ともに賛否が分かれ,多様な意見が見出され,潜在的に対立する論点も見出された。意見の分岐の主な要因は地球温暖化の現状をどう認識するか,副作用や不確実性を技術で克服可能と考えるか,についての考えの違いであり,後者については専門分野間の違いも見出された。わが国で関心が低い理由を聞いたところ,自然を畏怖し改変を忌避する国民性を挙げた回答者が多かった。しかしながら,こうした考えは日本に限られず,欧米ではむしろ積極的反対論につながるのに対し,日本からはこうした積極的な展開が見られない。今回のインタビュー調査は,気候工学の研究開発の上流からのガバナンスを有効なものにするための,取りかかりとして捉えることができる。今後は専門家のみならず市民や多様なステークホルダーの関与が必要である。気候工学は世界全体の気候を変えるため,仮に実施されれば日本への影響も避けられないことを踏まえれば,この技術への賛否に関わらず積極的に国際的な議論に関与することが必要であろう。
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