日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2434-3056
Print ISSN : 1882-0115
25 巻, 2 号
25巻2号(通巻66号)
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
表紙
学会賞報告
  • 石野 レイ子, 戸梶 亜紀彦
    2009 年 25 巻 2 号 p. S1
    発行日: 2009年
    公開日: 2021/09/30
    ジャーナル フリー
     本研究は、オストメイトの生活と健康志向性(Sense of Coherence:SOC)および精神健康状態(General Health Questionnaire:GHQ)の関係を明らかにすることを目的とした。調査は生活状況に関する質問紙と、SOC13およびGHQ12を用い、日本オストミー協会A県支部の会員208名を対象に行われた。回答が得られた121名(有効回答率58.2%)について分析した結果、配偶者や家族の同居といった背景よりも、ストーマケアの困難、将来の不安、生活上の不安、手術後の経過年数など、手術に起因する生活者としての負担感そのものが、健康志向性と精神健康状態に影響を及ぼしていることが示された。また、SOCとGHQに有意な相関関係がみられ、健康志向性いわゆるストレス対処能力が高いほど、精神健康状態も良好であることが示唆された。
学会総会報告
原著
  • 藤井 公人, 駒屋 憲一, 河合 悠介, 臼井 弘明, 小林 一郎, 森浦 滋明, 松本 隆利, 橋田 弘子
    2009 年 25 巻 2 号 p. 1-8
    発行日: 2009年
    公開日: 2021/09/30
    ジャーナル フリー
     灌注排便法あるいは自然排便法を実施しているストーマ保有者のQOLおよび生活上の問題点を検討し,両者の差異を検討した.ストレス,支援体制,ストーマに対する満足度のストーマ関連QOLでは両者に差はなく,身体的状態,活動性,心理的状態,自尊心,セクシュアリティー,経済的側面の日常生活QOLでは,自尊心で灌注排便法使用者が有意に高いQOLを示した.また入浴様式において両者に差を認め自尊心との関連が示唆された.自然排便法は安全かつ生理的な排便法で全てのストーマ保有者が理解すべきであるが,灌注排便法は,適応および身体的負担に問題がなければQOL上の利点もあり,ストーマ保有者自身の選択を基に習得可能な手技である.
  • 松原 康美, 井口 美奈枝, 佐藤 美和, 片岡 ひとみ, 加藤 昌子, 近藤 恵子, 酒井 透江, 山田 尚子
    2009 年 25 巻 2 号 p. 9-19
    発行日: 2009年
    公開日: 2021/09/30
    ジャーナル フリー
     本研究の目的は、ストーマ保有者の装具備蓄状況と、災害時対策を記載した手帳がストーマ保有者にとって有用であるかを調査することである。外来通院中のストーマ保有者107名に面接調査を行った結果、56%が災害耐用装具を備蓄していた。災害時用装具を備蓄している割合は、術後1年未満の群(12%)よりも術後1年以上の群(44%)の方が高く、両群間に有意差がみられた。
     手帳を読んだストーマ保有者の回答を分析した結果、1)災害時対策について考える余裕がない、2)災害時対策の重要性を実感する、3)ストーマケアに関する災害時対策について理解する、4)災害時に備えて手帳やカードを活用する、5)災害時装具を備蓄するの5カテゴリーが抽出され、術後年数による違いがみられた。ストーマ保有者は、手帳を読むことで新たな情報を得、災害時対策について再認識していた。さらに災害時対策に関する意識の変化や行動につながっていたことから手帳の有用性が示唆された。
第26回学会シンポジウム
研究会報告
地方会抄録(地域研究会記録)
編集後記
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